みなさんは「リフレイン」という言葉を聞いたことがありますか?
なんとなくの意味を知りながらも、明確な定義は理解しないまま使っている人も多いですよね。
「リフレイン」は、英語の”refrain”に由来したカタカナ言葉ですが、英語本来の正しい意味を知っている人はどのくらいいるでしょうか。
日本語ではおもに音楽用語として用いられている「リフレイン」ですが、英語では動詞と名詞の用法があり、いろいろな意味を持っています。
今回は、音楽用語としてなじみのあるカタカナ言葉「リフレイン」について、英語”refrain”の意味と正しい使い方、類語を紹介していきます。
「リフレイン」の意味
「リフレイン」は、英語の”refrain”をそのままカタカナ表記して日本語として定着した言葉です。
おもに音楽の分野において、詩や楽曲などの各節の終わりにある同一の詩句や歌詞、楽節を繰り返すことを表します。
同じ意味の言葉には「繰り返し」「畳句」「反復句」などがあり、フランス語由来の「ルフラン(ʁə.fʁɛ̃)」にも言い換えられます。
似たような意味を持つ「リピート」とは、繰り返す部分が限定されているか否かという点で違いがあるため、使い分けには注意が必要です。
- 「リフレイン」…最後の一節を繰り返す、限定的な使い方
- 「リピート」…単なる繰り返しを意味する
「リフレイン」の使い方としては、以下のような表現があります。
・あの懐かしい曲は、印象的なリフレインが魅力だ。 ・キャッチーなメロディーが、脳内にリフレインしている。 ・かっこいいラップが頭の中にリフレインしていて集中できない。 |
「リフレイン」は、おもに音楽に関する話題で用いられる言葉です。
日常会話の中で、楽曲や歌詞、サビのメロディーなどの繰り返し、反復を表現するときは、ぜひ「リフレイン」を使ってみましょう。
”refrain”の意味
「リフレイン」は、繰り返しや反復を意味するカタカナ言葉でしたが、”refrain”本来の意味と違いはあるのでしょうか。
”refrain”は、動詞と名詞2つの用法によって異なる意味を持っている単語です。
動詞の場合は、何かを行うことを自制する、控えるという意味を表し、名詞の場合は、楽曲や詩の中で繰り返し歌われる節や語句などを示します。
辞書では以下のように定義されています。
- to avoid doing or stop yourself from doing something
何かをしないようにする、または何かをするのを止める- a short part of a song or poem that is repeated, esp. at the end of each longer part, or any phrase that is often repeated
繰り返される歌や詩の短い部分、特に長い部分の最後、またはよく繰り返されるフレーズ- a phrase that is often repeated
頻出フレーズ、口癖
動詞の意味をもう少し詳しくいうならば、自分自身や他人のある行動や欲望を一時的に抑えるといったニュアンスが含まれます。
相手の行為に対して、一時的にやめるようやんわりと伝えるときや、丁寧にお願いをするときなどにも、”refrain”が使われます。
”refrain”を使った例文
”refrain”には動詞と名詞2つの用法があります。
それぞれの意味の違いを例文で確認してみましょう。
動詞の”refrain”
「やめてほしい」とお願いするときは、”Please refrain from〜”で表現するのが定番です。
訳)映画の上映中は会話をご遠慮ください。
訳)このエリアでは喫煙をお控えください。
訳)着陸中の携帯電話のご使用はおやめください。
ある行為を「遠慮する」「控える」ようなときは、次のように言ってみましょう。
訳)スタッフは、お客さんに、大きな声でおしゃべりするのは控えるようお願いしました。
訳)彼らは、公演中の写真撮影を控えるように求められました。
訳)彼女はそのことに不穏な態度を示さないよう配慮しました。
「自制する」「我慢する」などと言うときは以下のような表現もありますよ。
訳)体重を減らすために、甘いものとお酒を控えています。
訳)彼女は彼の顔をひっぱたきたかったが、我慢しました。
訳)みんなが見ているあの場所では、笑わないようお願いされました。
名詞の”refrain”
名詞として使われる”refrain”は、楽曲や詩などのフレーズを繰り返すことを意味します。
訳)彼女はその歌のリフレインを美しい声で歌いました。
訳)この曲のキャッチーなリフレインが人気を博したのです。
以下のように、「口癖」や「決まり文句」のように訳される場合もあります。
訳)「担当者が不在です」と言うのが、彼らの口癖です。
”refrain”の類語
”refrain”は用法によって意味の異なる単語でしたね。
動詞と名詞それぞれ、別の単語に言い換えも可能なので、似たような意味を持つ類語を覚えておくと役立ちますよ。
stop
”stop”は、行動や動作、習慣などを止めたり、立ち止まったりすることを意味する他動詞です。
誰もが知っている身近な単語なので、とても使いやすいですね。
訳)わたしたちは、無駄遣いをやめるべきです。
avoid
”avoid”は、「〜を避ける」という意味で使われる他動詞です。
特に嫌なこと、危険なことをしたくないときに使われます。
訳)避難するため、彼女は緊急の行動を取らなければなりませんでした。
cease
”cease”は、「止まる」「止める」「終わる」を表す英語で、行動や状態が終わることを意味する英語です。
軍事用語として「停戦」や「休戦」を指して使われる場合もあります。
訳)ほとんど奇跡的に、騒音が止みました。
abstain
”abstain”は、飲酒や食事などの行動を控える、避ける、節制するという意味を持つ動詞です。
特定の行為を自制するときや慎重な行動を取るようなときに使われます。
訳)医者は彼に、3カ月間の禁酒を勧めました。
chorus
”chorus”は、大勢で歌う「合唱」を意味する名詞です。
部活動やサークル活動などで、同じ気持ちや考えを持った人たちが集まって行動する意味が含まれます。
訳)最近開催された発表会では、全員がコーラスに参加しました。
tune
”tune”は、音楽や歌の「メロディー」「調子」「音程」を意味する英語です。
音楽分野以外では、機械や車などを調整するときに使われることもあります。
訳)そのとき彼女は、陽気なメロディーを口ずさんでいました。
melody
”melody”は、歌や楽器などで演奏される音楽の旋律または美しい曲調などを意味する単語です。
訳)彼の歌は、キャッチーなメロディーと熱狂的なビートに満ちていました。
まとめ
音楽用語としては聞き慣れている方も多いカタカナ言葉「リフレイン」について、英語”refrain”の意味と正しい使い方、類語を紹介しました。
「リフレイン」は、英語の”refrain”からきたカタカナ言葉です。
”refrain”には2つの用法があり、動詞では、ある行為を「控える」または「遠慮する」、名詞では楽曲や詩などの「繰り返し」を表します。
カタカナの「リフレイン」と、意味も使い方も異なる本来の英語”refrain”。
音楽用語としてだけでなく日常にも溶け込んでいる「リフレイン」ですが、英会話の際には、意味を正しく理解して使い分けていきましょう。
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