みなさんは「ロイヤル」と聞いて、どのような表現を思い浮かべますか?
飲み物の「ロイヤルミルクティー」でしょうか?
ファミレスの「ロイヤルホスト」は有名ですね。
ビジネスにおける「ロイヤルカスタマー」や「ロイヤルマーケティング」「ロイヤルティ」などもよく耳にしますよね。
「ロイヤル」は、英語に由来したカタカナ言葉です。
意味の違う2つの単語からきているのですが、カタカナではどちらも「ロイヤル」なので、日本人にとっては非常に間違いやすい単語ともいえるでしょう。
今回は、英語では全く意味が異なるカタカナ言葉「ロイヤル」について、2つの英単語”loyal”と”royal”の意味と使い方を詳しく解説していきます。
「ロイヤル」の意味
普段耳にするカタカナの「ロイヤル」は、もともと、”loyal”と”royal” の2つの英単語に由来しています。
カタカナにするとどちらも「ロイヤル」と読めるうえ、スペルの「l」と「r」が変わるだけなので、「同じような意味なのでは?」と思われがちです。
似ているように感じる”loyal”と”royal”ですが、じつは全く違う意味を持っています。
”loyal”と”royal”の意味の違いは以下の通りです。
loyal | 【形容詞】 忠実な、忠誠心のある、義理堅い、誠実な、審議に厚い【名詞】 忠臣、臣下 |
royal | 【形容詞】 王家の、王室の、大きい、最高の【名詞】 王族、王家の人 |
”loyal”と”royal”は、スペルこそ似ていますが、示す意味は全く異なります。
英単語の意味の違いに迷ったときは、語源をさかのぼってみるのがおすすめです。
”loyal”の語源は、1530年代に主権者または政府の臣民に関する言葉として使われた、フランス語の”loyal”(忠実または忠誠を示す)が始まりです。
「良質の、忠実な、名誉ある、合法的な」などの意味を表す古フランス語の”loial”と”leal”から派生しています。
”royal”は、古フランス語の”roial”(王の、王のような、壮麗な、見事な)が語源といわれています。
13世紀の中期には、「王にふさわしい」の意味で、14世紀後半には、「王に関する」の意味で使われていました。
ラテン語の”regalis”(王の、王にふさわしい)から派生しており、「素晴らしい、一級の」という意味は1853年に入って使われるようになりました。
1940年代頃からは、アメリカ英語の口語表現として「徹底的な、完全な」という意味も含まれるようになりました。
”loyal”の意味
カタカナで「ロイヤル」と読める1つ目の英単語”loyal”の意味と例文を紹介します。
”loyal”は、「忠実な」「忠誠な」「誠実な」という意味を持つ英語です。
形容詞と名詞の用法を持ち、何かに対して義理堅いさま、信念が変わらない誠実なさまを表します。
辞書では以下のように定義されています。
- firm and not changing in your friendship with or support for a person or an organization, or in your belief in your principles
ある人や組織に対する友情や支持、あるいは自分の信念に対する信念が堅固で変わらないこと- always giving help and encouragement
常に助けと励ましを与えてくれる- a loyal customer always buys the same product, uses the same store, etc.
忠実な顧客は常に同じ製品を購入し、同じ店舗などを利用する- a loyal employee works for the same company for many years
忠実な従業員は長年同じ会社で働く
「忠実」や「誠実」などのように真面目なイメージを持った”loyal”は、日常会話で、相手を信じて裏切らない、何事にも真心を尽くすような誠実な人を表現する際にもよく使われます。
「裏切らない」という意味のスラング表現として、恋愛の話題に登場することもあるので覚えておくと役立ちますよ。
訳)忠実で誠実な人を探さないとね!
”loyal”を使った例文
「忠実」「誠実」「忠誠」という意味を表す”loyal”を使った例文には、以下のような表現があります。
訳)わたしたちの顧客は、そのブランドに忠実であり続けています。
訳)他の友人たちがみんな彼女を見捨てたとき、彼だけは忠誠を尽くしました。
訳)彼女はこの会社で30年近く忠実に働いてきました。
”royal”の意味
続いては、「ロイヤル」と読む2つ目の英単語”royal”の意味と例文を見てみましょう。
”royal”は、「国王の」「王室の」「高貴な」「立派な」「素晴らしい」という意味を表す英語です。
辞書では以下のように定義されています。
- belonging or connected to a king or queen or a member of their family
国王、王妃またはその一族のもの、またはその一族と関係のあるもの- good or excellent, as if intended for or typical of royalty
良い、または優れた、王族向けの、または王族に典型的な- big or great
大きい、または素晴らしい
人の立場や所属が「国王の」「王家の」「王室の」という意味を表す”royal”は、おもに形容詞として、人物やものが王族としてふさわしい、王室のように気高いさまを指して使われます。
名詞として用いられる場合は、特に口語表現において「王家の人」「王族」のことを指します。
ちなみに、わたしたちが普段の生活で耳にしているカタカナの「ロイヤル」の多くは、”royal”に由来し、「高貴な」「素晴らしい」「王室のような」といった意味合いで使われていると考えられます。
例:ロイヤルミルクティー、ローヤルゼリー、ロイヤルホスト
”royal”を使った例文
「王室」「高貴」「素晴らしい」などの意味を持つ”royal”を使った例文を紹介します。
訳)彼女はまた、クリスマスの日には、他の王族と一緒に教会の礼拝に参加する予定です。
訳)明日の版にはスペイン王室に関する特集記事が掲載される予定です。
訳)カメラマンたちは、王室カップルをもっとよく見ようと押し合いへし合いになりました。
まとめ
英語では全く意味が異なるカタカナ言葉「ロイヤル」について、2つの英単語”loyal”と”royal”の意味と使い方を詳しく解説しました。
「ロイヤル」の元になっている英語は、”loyal”と”royal”の2つがあります。
”loyal”は、「忠実な」「誠実な」「義理堅い」といった意味であるのに対し、”royal”は「王室の」「高貴な」「気高い」などの意味を持っています。
カタカナでは同じ「ロイヤル」でも、英語での意味は全く異なります。
スペルの違いと、「l」と「r」発音の違いは、日本人にとって非常に間違いやすいポイントです。
解釈に迷ったときは、英英辞書を調べて正しく理解しておくように心がけましょう!
合わせて読みたいおすすめ関連記事: