知っておくと便利な英語のフレーズに“no matter”があります。日常的にも使われている表現で、洋画や洋楽で耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか?あるいは、学校で習ったけれど、いまいち使い方が分からないという人もいるかもしれません。
本記事では、”no matter”の意味に加えて、”no matter”を使った便利なフレーズを解説します。最後まで読んでいただくと、”no matter”の正しい使い方が理解できるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてください!
“no matter”の意味・使い方
まずは”no matter”の意味を確認しましょう。”no matter”を分解すると”no”と”matter”ですね。”matter”には、「問題、物事、困ったこと」などの意味があります。
”no matter”単体での使い方
”no matter”では、この”matter”を否定しているので、「問題ない、心配することはない。」といった意味になります。
I failed the exam this time.
訳)試験で失敗してしまいました。
No matter, you can do your best next time.
訳)気にしないでください。次の試験で頑張りましょう。
相手がなにか失敗して落ち込んでいる時に使える表現です。類義語に”Never mind.”があり、同じように使うことができます。相手を励ましたい時に使ってみましょう。
(疑問詞を伴って)たとえ〜であろうとも
“no matter”はこちらの意味で使われることが多いです。「問題ない、心配ない」という意味から派生して、「(”no matter”以降のこと)に関係なく」「たとえ〜であろうとも」という意味を持ち、接続詞の性質を持ちます。伴う疑問詞によって意味も変わりますので、次の章で1つずつ確認しましょう。
no matter howの意味・使い方
“how”は程度や方法、状態を尋ねる際に用いる疑問詞です。”no matter how”の後ろには形容詞、副詞、文章が続き、「どんなに〜であろうとも」という意味をもちます。
形容詞・副詞を強調するno matter how
形容詞や副詞を伴う場合の語順は、「no matter how + 形容詞/副詞 + 主語 + 動詞」です。
Aさん
No matter how expensive the picture is, I won’t sell it to anyone.
訳)この絵がどんなに高額でも、誰にも売るつもりはありません。
Aさん
No matter how hard I try, I can’t win this game.
訳)どんなに一生懸命頑張っても、この試合に勝つことはできません。
方法を強調するno matter how
“no matter how”にそのまま文章を続ける使い方もできます。この場合の”how”は「方法」の意味で、「どのように〜しても」という意味をもちます。
Aさん
No matter how I tried, I wasn’t able to win the game.
訳)どんな手を使っても、その試合に勝つことができませんでした。
Aさん
No matter how I studied, I couldn’t pass the exam.
訳)どんな風に勉強しても、試験に合格できませんでした。
no matter what の意味・使い方
no matter whatには次の2つの意味があります。
- たとえ何が起ころうと
- たとえどんな〜であろうと
単体で使われるno matter what
no matter whatは後ろに文章を伴わず、この3単語だけでも意味をもちます。例えば先程の例文に登場した絵のバイヤーの立場になってみましょう。いくら出しても売らない、と言われた彼ですが、どうしてもその絵が欲しい…そのような時には内心このように思っているかもしれません。
Aさん
I want the picture, no matter what!
訳)何が何でもこの絵が欲しい!
どうしてもその目標を達成したい時などに、文の最後に”no matter what”をつけることで強い意気込みを表現します。
名詞を伴うno matter what
「no matter what+名詞」で、「たとえどんな〜であろうと」の意味になります。
Aさん
No matter what advice I gave him, he wouldn’t listen to it.
訳)どんなアドバイスを彼にしても、彼は一切聞く耳を持ちませんでした。
ほとんどの場合、「名詞+主語+動詞」の形が続きます。省略された関係代名詞に気をつけましょう。
動詞/文章を伴うno matter what
「no matter what + 動詞」で「なにが〜しようとも」の意味、「no mattter what + 主語 +
動詞」で「誰が〜しようとも」の意味になります。
Aさん
No matter what happens, I have to finish this work.
訳)なにが起ころうとも、この仕事を終わらせなければいけません。
”what”を関係代名詞の主格ととらえるので、この場合に続く動詞には必ず三単現の”-s”が続きます。
Aさん
No matter what you say, I will not change my opinion.
訳)あなたがなにを言おうと、私の意見は変わりません。
ここで注意するべきは、what以下の文章の動詞は他動詞、もしくは前置詞を含んだ自動詞である、という点です。
no matter who/when/whereの意味・使い方
最後に3つのフレーズをまとめて解説します。これらのフレーズはそれぞれの疑問詞によって意味が変わりますが、使い方は同じです。
単体で使う場合
それぞれ単体で使う場合は、次のような意味になります。
- no matter who:誰であっても
- no matter when:いつでも
- no matter where:どこであっても
序盤で解説したように”no matter”は「〜に関係なく」という意味です。そのため、それぞれの疑問詞を伴うことで「〜であっても関係なく」という意味になります。
Aさん
He is kind to everyone, no matter who.
訳)彼は誰に対しても親切です。
Aさん
He keeps smiling no matter when.
訳)彼はいつでも笑顔を絶やしません。
Aさん
He speaks so loud no matter where.
訳)彼はどこであっても大声で話します。
文章を伴う場合
単体で使う場合と同様に「〜に関係なく」の意味ですが、文章を伴うため、「〇〇が△△であっても関係なく」の意味になります。
Aさん
No matter who you are, I will trust you.
訳)あなたが誰であろうと、私はあなたを信用します。
Aさん
No matter where you go, I will follow you.
訳)あなたがどこに行こうと、あなたに付いていきます。
Aさん
No matter when you are in trouble, I will help you.
訳)あなたが困っている時はいつでも、あなたをお助けします。
まとめ
”no matter”は非常に様々な場面で使われます。とても便利なフレーズですが、なんとなく使いにくいなと感じていませんでしたか?日本語にすると少し硬い表現のように感じられますが、要は強調するために使われる表現です。
「あなたを信じます。」よりも「あなたが誰であろうと信じます。」の方がより信頼されている感じがしますよね。単純に結果だけを述べるのではなく、より説得力を増すために使われる表現だと思ってください。表現の幅を広げるためにもぜひ会話の中で取り入れてみましょう!