テレビなどで、いわゆる食レポを目にする機会は多いですが、人によっては「美味しい」「すごく美味しい」「めちゃくちゃ美味しい」というような「美味しい」の一言で味を表現しようとします。でも聞いている方はどう美味しいのか全く分かりませんよね。
では、料理や飲み物の味を英語で表現する場合、どのような表現を使えば良いのでしょうか。今回は味の表現にスポットをあてて、単語やフレーズをいろいろ紹介します。
味は英語でなんて言うの?
「味」は英語で「taste」といいます。読み方は「テイスト」で、日本語でもよく使われる単語ですよね。この「taste」は、「味覚(甘い、しょっぱいなど舌の味蕾で感じる味)」を表します。他にも、個人的な「趣味」や「好み」という意味もあります。
また日本語の「テイスト」も同じような意味で使われていますが、装飾や服装などの趣や品についても表現することができます。
Enjoy. It is my specialty.
訳)召し上がれ。私の得意料理なの
Let’s see. It tastes terrible. What did you put in it?
訳)どれどれ、ってまずっ。何入れたのよ
- terrible:ひどい、まずい
味蕾って何?
味蕾とは、舌の表面にある花の蕾のような形状をした「味覚センサー」のことです。この味蕾は頂にある小孔(しょうこう。小さな穴のこと)から味の刺激を受けて味覚細胞に伝える働きを持っています。味蕾は舌にもっとも多く存在していて(約5,000個)、口全体では6,000個の味蕾があります。舌以外で味蕾があるのは口蓋(口の中の天井部分)、咽頭(食べ物の通り道)、喉頭(空気の通り道)です。
亜鉛が不足すると味覚障害になる?
亜鉛は、味蕾細胞が生まれ変わる時に必要な材料ですが、味蕾細胞は10日程度で生まれ変わるため、亜鉛不足にならないよう注意しなければなりません。
実は亜鉛が不足すると味蕾細胞が生まれ変われなくなり、味覚障害になることがあります。
亜鉛は、牛肉の赤身や鶏肉、牡蠣、納豆、抹茶、うなぎやアーモンドなどに多く含まれていて、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップするんです。生牡蠣にレモンをかけるのも理にかなった食べ方ということですね。
味覚障害にならないよう、亜鉛を積極的に摂るようにしましょう。
料理って英語でなんて言う?
「料理」や「食事」という意味を持つ単語は、「food」や「dish」、「meal」や「cuisine」といくつかあります。これらの単語には意味や使い方にちょっとした違いがあるんです。
わかりやすく表にまとめましたので、確認してみましょう。
それらの違いを覚えておくと、会話の時に役立ちますよ。
food | 料理、食べ物、食品など「食べられるもの全て」を表す単語です。 |
dish | 前菜、メインディッシュ、などひとつひとつ(ひと皿)の料理を表します。 |
meal | 主に「食事」の意味で使われます。料理という意味で使う場合は、その料理が完成した状態のものをいいます。 |
cuisine | 料理の中でも「日本料理」や「イタリア料理」、「地中海料理」など、「国や地域の料理」を表すのに使われる単語です。
ex. local cuisine, Japanese cuisine |
「flavor」ってどういう意味?
「flavor」も「taste」と同じように「味」を表す単語です。両者の違いは、「taste」が味覚を表すのに対して、「flavor」は、味覚だけでなく、風味や食感も表します。
とはいえ、基本的にはこの2つを言い換えても問題ないようです。例文を見てみましょう。
These crackers have a salty taste. = These crackers have a salty flavor. 塩味のクラッカーです
このように、「taste」と「flavor」を置き換えても同じ意味になります。
では両者の違いをもう少しくわしく見ていきましょう。
「flavor」は「風味をつける」という意味で使える
「flavor」は「風味(や味)をつける」という他動詞として使うこともできます。
例えば、「She flavored those cakes with vanilla.(彼女はそれらのケーキにバニラの風味をつけた)」のように使います。「flavor with 〜」で「〜の風味(味)をつける」という意味になります。
※他動詞とは、目的語を必要とする動詞のことです。(「風味をつける」という動詞には「何に」「何を」という目的語が必要です)
This brandy tastes good. What is it?
訳)このブランデー、美味しいわね。これ、なあに?
Cherry brandy. It is flavored with cherries.
訳)チェリーブランデーだよ。チェリーで味付けされているんだ
「隠し味」って英語でどう言うの?
「隠し味」は英語で「secret ingredient」といいます。隠し味とは、主に使われる材料以外のものを少し使うことで、全体の味を引き立たせること、あるいはそのもののことをいいますが、「secret ingredient(直訳では秘密の材料)」というのは良い表現ですね。
隠し味がよく使われる料理といえば、カレーが思い浮かびます。例えばよく使われるのはコーヒーとかチョコレート、とかでしょうか。このように隠し味には、よく知られているものもあれば、コカ・コーラのレシピのように企業が門外不出にしているものもあります。
Hey, isn’t this curry good? The secret ingredient is my love for you.
訳)ねえ、このカレー美味しいでしょ。隠し味は私の愛だよ
It’s not hidden. It’s a burden.
訳)隠れてないし、重いんだけど
That’s awful!
訳)ひどいわー!
「本場の味」って英語で言いたい!
「本場の味」は英語で「authentic taste」といいます。「authentic」の代わりに「real」や「genuine」を使うこともできます。
例文で確認してみましょう。
◆authentic◆(本格的な、信頼がおける) This is authentic Indian curry. (これが本場のインドカレーです) ◆real◆(本物の、偽物ではない) This is the real Indian curry. (これが本場のインドカレーです) ◆genuine◆(信頼できる、本物の) This is genuine Indian curry. (これが本場のインドカレーです)
それぞれの単語が持つ意味合いを付け加えてみました。何となく違いがお分かり頂けるのではないでしょうか。
I love pizza. I would love to try a real pizza just once.
訳)ピザ大好き!一度でいいから本場のピザを食べてみたいな
Then let’s go to Italy for our honeymoon.
訳)じゃあ、新婚旅行はイタリアに行こうか
Is that perhaps a proposal?
訳)それってもしかしてプロポーズ?
「大人の味」って英語で言える?
「大人の味」は英語で「acquired taste」といいます。この「acquired」は、「acquire」という単語の過去分詞形です。「acquire」には「(時間をかけて)習得する」とか「学ぶ」、「身に着ける」という意味があります。
「時間をかけて身に着けた味覚」とは、「子供の頃には分からなかったけれど、大人になってみるとその美味しさが分かる」という、まさに「大人の味」なんですね。
ちなみに「acquire」の発音記号は「əkwáiər」で、「アクゥァイア」と読みます。
Are you putting that much sugar in your coffee? You can’t taste the coffee, can you?
訳)コーヒーにそんなにお砂糖を入れるの?コーヒーの味が分からなくなるだろ?
Leave me alone. I like sweet coffee.
訳)ほっといてよ。私は甘いコーヒーが好きなの
You haven’t known about this acquired taste yet.
訳)大人の味が分からないんだな
食レポに使える「味」の表現が知りたい!
食レポに使える「味」の表現にはどのようなものがあるでしょうか。いくつか例文を紹介します。ぜひ覚えて英語で食レポしてみましょう。
・This soup has a good broth.(このスープはダシが効いてるね) ・I love the flavor of the garlic.(このニンニクの風味がたまらないね) ・This is too greasy for me.(これは私にはちょっと脂っこすぎるわ) ・This chocolate cake is very rich.(このチョコレートケーキはとても濃厚です)
- broth:だし
- rich:濃厚、コクがある
まとめ
「味」にまつわる単語やフレーズを紹介しました。
味覚は人によって感じ方が違いますが、食レポは自分の感じたままを失礼のないように、また嫌味のないようにしたいものですね。
外国人で美味しいものが好きな人のことを「foodie」といいますが、「foodie」な人との食事は楽しいものです。美味しいものの話を英語でできるようになると、英語力もぐんとアップしますよ。ぜひ今回紹介した単語やフレーズを使ってみてくださいね。Have fun!