海外留学から戻って家族に久しぶりに会った瞬間、応援していたサッカーチームがとうとう優勝!そんなときに多くの人が抱き合って喜びを分かち合います。
ところで、抱きしめると言えば日本人にもハグという言葉が浸透していますが、embraceにも同じ意味があることを知っていますか?
そこで記事では、embraceの意味やスラング表現を解説します。ハグとの違いも紹介しますので、ぜひご参考にしてくださいね。
エンブレイスの意味
エンブレイスは、日本では脂肪吸引だったりリフトアップに使われる言葉のようです。しかし、エンブレイスの英語embraceになると、まったく違う意味になります。
さっそく、英語embraceを紹介しましょう。
embraceの意味と語源
さっそく、日本語エンブレイスとまったく違うembraceの意味を紹介しましょう。
embraceには「抱きしめる」や「抱擁する」という動詞、そして「抱擁」という名詞の意味があります。em(なかに)+brace(腕)の組み合わせてできた単語ということからも理解できます。
それ以外のembraceは、受け入れる、包囲するなど、抱擁以上の意味を持っています。
ところで、embraceの語源は古フランス語です。腕で抱きしめる、包む、取り扱うなどの意味を持つembracierが由来となります。
embraceの定義
単語embraceを使ったことがない人は少なくないでしょう。単語の感じからも、もしかしたら使い方が難しそうだなと思えるかもしれません。ところが意味を知れば「へぇ 抱きしめるなんだ」と意外な発見が嬉しく、使ってみたいと感じませんか?
さらに、embraceを理解するために定義を英語で紹介してみましょう。まずは「抱擁」のほうです。
Embrace means to put your arms around someone.
訳)抱擁とは、誰かに腕を回すという意味である。
Embrace is to squeeze someone tightly in your arms.
訳)抱擁とは、誰かを腕のなかで強く抱きしめることである。
次に「受け入れる」の定義を紹介します。後ほど解説しますが、抱きしめるだけでなく、受け入れるの意味をもつ点がembraceとhugの違いのひとつです。
Embrace means to accept willingly and enthusiastically.
訳)受け入れとは、喜んで熱心に受け入れるという意味である。
ぜひ、この2つの定義とイメージをしっかりと頭に入れてください。
embraceの意味 – スラング
次に、embraceのスラング表現を紹介します。ここまで紹介したembraceの定義や意味を理解しているとスラングの意味にも納得できます。
let’s embrace
何かを迎え入れたり喜んで受け入れたりするときに使えるlet’s embrace。完璧に受け入れるニュアンスを含んでおり、welcomeと同じような意味になります。
Let’s embrace the new design of the website.
訳)ウェブの新しいデザインを受け入れよう。
このスラングはlet’sで始まる表現ですので覚えやすいかもしれませんね。新しいデザインに決めようという言い方もできますが、embraceを使って英語力を少し上げてみましょう。
抱擁embraceの意味
海外、日本国内どちらでもいいのですが、単なる知り合いの外国人にいきなりハグされてびっくりしたことはありませんか?握手ではなくハグですから、慣れていない人にとってはパーソナルスペース崩壊ですから驚いてしまうのも無理ありません。
しかし、友達を含み大好きな人を抱きしめたり、抱きしめられたりすることによって、幸せホルモンのなかでもオキシトシンが分泌されます。すると集中力アップ、ポジティブ思考になるなど良い効果があります。
embraceで抱擁・抱擁する
外国人にとって、とっても自然な抱擁。挨拶から愛情を込めたものまでレベルの差はあれどもとにかく抱き合います。
I miss my son’s embrace as he moved to university accommodation.
訳)息子は大学の寮に引っ越ししたので彼の抱擁が恋しいわ。
My husband embraced me at the entrance before he left for work.
訳)夫は出勤前、玄関で私を抱きしめました。
この例文で使われているように動詞embraceの過去形、過去分詞はembracedになります。
抱擁の英語hugとcuddle
抱擁、抱きしめると言えばhugが親しみのある表現ですし、他にもcuddleがあります。そこで、それぞれの使い方を解説します。
embrace
本記事のテーマembraceはフォーマルなニュアンスを持っています。加えて、親しい関係にある者同士がする限定的な抱擁になります。
hug
hugはembraceよりカジュアルな表現、そして誰とでも気軽にするような抱擁に当たります。例えば、初めて会った人にも歓迎の気持ちを表したりするようなハグです。ハグは男性同士でもしますし、グループでするgroup hug、力強くするbig hugなど様々あります。というのは、ハグがそれほど気軽にいろいろな人の間でされている抱擁だからなんですね。
My British friend and I always hug each other when we meet and say goodbye.
訳)イギリス人の友達と私は、会ったとき、別れるとき、いつもお互いにハグします。
cuddle
hugに似ているものの、cuddleは愛情表現の強い抱擁です。おばあちゃんが孫にcuddleしてと言うこともよくあります。
ちなみに、3つすべての表現は動詞として抱きしめるといった意味がありますが、hugとcuddleはgive someone a hug/cuddleのパターンで使われます。
embraced
次に、ガラリと変えて「受け入れる」のembracedをみていきましょう。be動詞+embracedのパターンです。
be動詞+embraced
抱擁に関する英会話ではembraceよりもhugを使うことが一般的であり、embraceはこの項で解説する「受け入れる」や「採用する」により使用されます。なおembraceを使う場合、定義でも紹介したとおり、快く喜んでする受け入れになります。
He hopes he will be embraced by everyone on the new team.
訳)彼は、新しいチームの全員に歓迎されることを望んでいます。
The job offer from the bank has been embraced.
訳)銀行の仕事のオファーは採用されました。
embrace equityの意味
最後に、英語を学習している皆さんにおすすめの英語表現をお届けしましょう。それが何かと言えば、公平を受け入れるというメッセージです。
embrace equityとは?
embrace equityは、embrace(受け入れ)とequity(公平)の組み合わせより「公平性を受け入れる」の意味で、IWD – International Women’s Dayによって2023年に世界へ発信されたメッセージです。ちなみに、IWDは国際女性デーと呼ばれ、ニューヨークで婦人参政権を求めた1904年のデモが起源。その後、国連によって1975年3月8日が「国際女性デー」に制定されました。筆者の住むイギリスでも毎年この日は各地で活動が行なわれたり、外国人の友達とHappy International Women’s Day!といったメッセージのやり取りをします。
embrace equityは、誰もがありのままの自分でいて、かつ成長できるよう、偏見なくすべての人を受け入れようというコンセプトです。
Devineの考えるembrace equity
そこで、amazonに勤める女性がIWDにおけるembrace equityについて考えをシェアした記事から、Devineの考えを紹介します。
Embrace equity, to me, means understanding that we do not all start from the same place.
Each of us has a role to play in meeting people and communities where they are and providing additional resources where needed to address imbalances.
訳)私にとって公平性を受け入れるとは、私たち全員が同じところから出発するわけではないことを理解することだ。
私たち一人ひとりは、人々や地域社会が置かれている状況に応え、不均衡に対処するために必要な追加的なリソースを提供する役割を担っている。
この英文は長めですが、シンプルな単語、文法で構成されています。ちなみにimbalancesは「アンバランス・不均衡」です。
それぞれの国や地域で公平性の状況や捉え方が異なるものの、それらの事情に目を向け自らも行動しなければならないという主旨ではないでしょうか?
引用:amazon
まとめ
embraceは抱きしめる・抱擁する、抱擁の他、喜んで受け入れるという意味を持つ単語です。抱きしめるの表現では普段づかいのhugとの違いも解説しました。embraceは限られた相手にするハグということをぜひ理解しましょう。
いずれにしても、エンブレイスやハグをするとその精神的効果は大きく、筆者もイギリスに住んで日々それを実感しています。