“take over”と聞いて何を思い浮かべますか?”take”も”over”も知っている単語なのにそれらが組み合わさると意味が何となく分からなくなる、という方も多いのではないのでしょうか。実は、この”take over”には、日常会話で便利な意味が沢山あります。今回は、そんな”take over”について、例文を使ってたくさん紹介していきます。

“take over”のニュアンス

“take”は「取る、取り込む」という意味で、”over”は「超えて、覆って」という意味です。これを組み合わせたフレーズ”take over”は、「何かを超えて自分のところに取り込む」というイメージがあります。

“take over”の意味

“take over”の基本的な意味は「引き継ぐ」になります。その他にも「乗っ取る」「買収する」などという意味もありますが、こちらも先ほど話したニュアンス「何かを超えて自分のところに取り込む」というイメージに合致すると思います。

「引き継ぐ」という意味の”take over”

「引き継ぐ」という意味の"take over"

人から人へ受け継がれている、引き継がれているという意味が”take over”にはあります。

「仕事」「事業」を「引き継ぐ」という意味の”take over”

会社で誰かの仕事を「引き継ぐ」場合、事業を「引き継ぐ」場合など、ビジネスの中でも使えるフレーズです。

Aさん
Emma is sick and cannot come to the office today. I think she is in charge of today’s meeting.
訳)エマが病気で今日オフィスに来られないんだ。彼女は今日の会議の担当だったと思うんだけど。
Bさん
I can take over her meeting for today.
訳)今日だけなら彼女の会議を引き継ぐことができますよ。

「この件は私が引き継ぎます」と相手のためを思って仕事を請け負うときに便利です。

Aさん
I will be on vacation next week. Who can handle this project while I am away?
訳)来週はバケーションでお休みします。このプロジェクトを私がいない間にだれかできますか?
Bさん
I can take over this project from you. No worries!
訳)私が引き継げます。心配しないで!

「運転を替わる」ときの”take over”

運転を替わるよ、と言いたい場合にも”take over”が使えます。

Aさん
If you are tired, I can take over for a while.
訳)疲れたのなら私が運転を少しの間変わるよ。

「買収する」という意味の”take over”

「事業」や「ビジネス」を「引き継ぐ」に似ているのですが、「買収する」という意味としても”take over”は使えます。

Aさん
A company took over B company.
訳)A会社がB会社を買収した。

「乗っ取る」という意味の”take over”

領土を乗っ取ったり、占領する場合にも”take over”を使います。

Aさん
How was the game yesterday?
訳)昨日のゲームはどうだった?
Bさん
Bob took over my land and I lost everything in the end!
訳)ボブが私の領土を奪って俺は最後は全てを失ったさ!

「世界を支配している」というニュアンスでも使えます。

Aさん
He said capitalism is taking over the world.
訳)彼は、資本主義が世界を支配していると話してました。

「奪う」「取り上げる」という意味の”take over”

ある人の仕事を奪ったり、ある人が行っていたことを他のロボットなどが変わって行うこときに”take over”を使います。

Aさん
I am worried that AI might take my job sooner or later.
訳)遅かれ早かれ私の仕事を私から奪うのではないかと心配しています。

“hand over”と”take over”の違い

"hand over"と"take over"の違い

“hand over”も”take over”どちらも「引き継ぐ」という意味のフレーズですが、これらの違いは何でしょうか。

“hand over”も、”hand”が「手渡す」」という意味なので、”over”をつけて「手渡す」「引き継ぐ」という意味になります。ただ、同じ「引き継ぐ」という意味でも、「自分が事業を受け継ぐ」と言う場合なら”take over”を、「自分の手から事業が離れて誰かに渡す」と言う場合なら”hand over”を使います。

“hand over”引継ぎをする側、”take over”引継ぎを受ける側が主語になります。

Aさん
I want to hand over my project to Tom from next year.
訳)来年からトムに私のプロジェクトを引き継ぎたい。

ちなみに、名詞の”handover”は、「権利や所有物を手放すこと」という意味があります。

Aさん
Let’s start the handover.
訳)さて、引継ぎを始めましょう。

“take over”「引き継ぐ」の類語フレーズ

“take over”「引き継ぐ」という意味の類語フレーズもいくつかあるので、覚えておくと便利です。ここから、使いやすいフレーズ、単語を例文を使って紹介していきます。

“handoff”

”handoff”は、名詞で「引き継ぎ」を意味します。語源は「手渡し」で、アメリカンフットボールで味方に手渡しでボールを渡すことをhandoffと言います。

Aさん
That wa s a smooth handoff. Good job!
訳)あれはスムーズな引継ぎだったね。よくできた!

“transition”

“transition”は「移行」という意味の名詞ですが、「引き継ぎ」としても使えます。ある状態から次の状態へ行こうする様子を伝える際に使える名詞です。

Aさん
Tom quit the job suddenly. So I’ve been busy with the transition.
訳)トムが急に仕事を辞めんだ。だから引継ぎで忙しいんだ。

“succeed”

“succeed”は「継承する」「あとを引き継ぐ」という意味の動詞です。

Aさん
John succeeded his father as president of the company.
訳)ジョンは父親の会社の社長職を引き継いだ。

“inherit”

“inherit”は、「地位・財産を引き継ぐ」「相続する」という意味の動詞です。

Aさん
He inherited a large fortune from his father.
訳)彼は父親から莫大な財産を相続した。

また、親から才能や体質を受け継ぐ、遺伝を受けるときも”inherit”を使います。

Aさん
I inherited this straight hair from my mother.
訳)私は母からこの直毛が遺伝したの。

“take over”は、「引き継ぐ」という意味で広く使える

“take over”は、仕事や事業を引き継ぐという意味でも仕事場でよく使われるフレーズです。また、〇〇にとってかわられる、世界を支配する、という意味でも”take over”は使えます。
「引き継ぐ」という意味のフレーズは”take over”のほかにもたくさんあるので、覚えておくと便利です。ぜひ、例文を参考にシチュエーション別に使えるようにしておきましょう。