「パンが乾いちゃっていてコーヒーで飲み込んだ」
「風邪を引いていて、食べ物を飲み込むと喉が痛いよ」

このような会話で「飲み込む」という言葉が使われますが、英語でどのような表現になるか知っていますか?

この記事では、覚えると日常会話に便利な英語swallowの意味や使い方について解説します。関連するスラングや生物に使う場合も紹介しましょう。

swallowの3つの意味

swallowの3つの意味

冒頭の日本語文で共通して使われているのが「飲み込む」という動作です。このときに使用できるのがswallowですが、swallowは他の意味も持つ単語です。
swallowのカタカナ語の読み方はスウォラウ・スワロウのようにします。そして語源ですが「飲み込む・呑み込む」といった意味を持つ古英語やゲルマン語系由来と言われます。

さっそく、swallowの3つの意味を理解するところから始めましょう。

swallowで「飲み込む」

ひとつ目のswallowの意味は「飲み込む」になります。
「飲み込む」という作業は食べる・飲むといった表現とは少し異なります。消化に良いようによく噛んだ上で飲み込みやすいようにしますが、これを嚥下(えんげ)と言います。嚥下することを動詞のswallowが表します。

お子さんをお持ちの方であれば「ごっくん」という表現を使うことがあるでしょう。また、食べ物を飲むだけでなく、子どもが何かを間違って飲み込んでしまうようなときにも「飲み込む」という言葉が使われますが、これもswallowで表現できます。

swallowで「うのみにする」

うのみにするとは、物事の意味をよく理解せずに信じることを言いますが、鵜飼いの鵜が餌を噛まずに飲み込むという意味も含みます。
swallowはうのみにすること、そこから「信じる」としても使われる動詞です。

swallowで「ツバメ」

野球ファンの人であれば、東京ヤクルトスワローズSwallowsに親しみがあるでしょう。Swallowsのマスコットは「つば九郎」という燕(つばめ)です。
このことから分かるとおり、swallowを名詞で使うときには「ツバメ」の意味があるのです。面白いのは、つばめが捕らえた虫を飲み込んだり、大きく口を開けた子どもツバメ達が餌を飲み込んで食べるという「飲み込む」様子からその名前がつけられたと考えられているのです。

ここまで、swallowの3つの意味を知ったところで、次からは実際にどう使うのか例文を紹介しましょう。

Swallowの例文

ここで、swallowの3つの意味ごとに使い方をみていきます。ぜひ、会話に使えるようにしていきましょう。
swallowを動詞として使う際の活用は、swallow-swallowed-swallowedにします。

swallow「飲み込む」の例文

Aさん
I can’t swallow anything hard as I have sore throat. It’s difficult to swallow even medicines.
訳)喉が痛くって硬いものを飲み込めないの。薬でさえ、飲み込むの辛いよ。
Aさん
Can you chew well, and then swallow, please?
訳)よく噛んでから飲み込んでくれる?

chew wellで食べ物を「よく噛む」になります。swallowとセットで覚えると、子どもへ話すときに使えますね。

ここから、食べ物以外でswallowの「飲み込む」意味を使用できる例を挙げます。

Aさん
The big wave swallowed up the boat.
訳)大きな波がボートを飲み込んだ。
Aさん
I had to swallow my anger against the awful customer.
訳)私はそのひどい客に対する怒りを飲み込まなければなりませんでした。

日本語の「飲み込む」の様々な使い方が、swallowを覚えることで英語でもできることが分かる例文です。

swallow「うのみにする」の例文

Aさん
She swallows everything her boyfriend says.
訳)彼女は、彼の言うことをすべてうのみにします。
Aさん
Any questions? Don’t swallow too much information before making the big decision.
訳)何か質問は?大きな決断をする前にあまり多くの情報を信じてはいけませんよ。

swallow「ツバメ」の例文

名詞swallow「ツバメ」は可算名詞ですので、複数のつばめの場合はswallowsと-sをつけることをお忘れなく。

Aさん
Swallows provide us with an ecological service as insect controllers.
訳)ツバメは昆虫の駆除者として、私たちに防虫という生態学的サービスを提供します。
Aさん
Swallows are seen in inner London only as passing migrants.
訳)ツバメはロンドン中心部では渡り鳥としてのみ見られます。

例文にあるpassing migrantsは「渡り鳥・旅鳥」の意味です。

間違って飲み込んでしまうときの英語

日本語には「誤嚥(ごえん)」と「誤飲」いう2つの言葉があります。
前者の誤嚥はなんらかの理由で誤って食べ物や唾液が食道ではなく軌道に入ってしまうこと、後者は本来飲み込むべきでない食べ物以外のものを間違って飲み込んでしまうことです。
どちらも、swallowに関連するフレーズで表現します。

「誤嚥」はaccidental swallowingで表します。形容詞accidentalには「おもいがけない・予想外の・偶然の」の意味があり、予想外に飲み込んでしまうというニュアンスで捉えられます。

accidentally swallowで「誤飲する」

誤嚥のaccidental swallowingと似ていますが、間違って飲み込んでしまうことを英語でaccidentally swallowで表現します。accidentallyは「うっかり・誤って・思わず・偶然に」という意味の副詞です。

Aさん
My son just accidentally swallowed a small part of his LEGO!
訳)息子が誤って、レゴの小さなパーツを飲み込んでしまった!

スラング – swallow

スラング - swallow

swallowはネイティブにスラングとして使われる言葉でもあります。そこで、どのような意味で使われるのか紹介します。

スラングswallowで「信じる」

swallowの2つ目「うのみにする」から、信じるという意味でも使われることを述べました。スラングとしてのswallowはズバリ「信じる」になります。

Aさん
I think I saw the King in a café in Marylebone this morning!
訳)今朝、メリルボーンのカフェでキングを見たと思うよ!
Bさん
I’ll swallow it.
訳)それ、信じるよ。

Sparrowとswallowの違い

次にみていくのは、鳥関連のsparrowとswallowです。swallowはツバメということが分かりましたが、sparrowはどんな鳥なのでしょう?

sparrowとswallowの違い

sparrow(スパロゥ)は私たちの周りでよく見かける鳥です。カラスでも鳩でもない、よくいる鳥・・・そうです「雀(すずめ)」がsparrowです。
sparrowはswallowの動詞のように、他の意味で使われることはなくあくまでもスズメです。

Aさん
Sparrows are in the family Hirundinidae, while swallows are in the family Emberizidae.
訳)雀はヒレンジャク科に属し、燕はツバメ科に属します。

I swallowの意味 – スラング

男性との口腔性交があるとき、あちらの意味で「ごっくんする」という意味、spit or swallowということになります。

また、スラングswallowをswallaという表現にすることがあります。swallowを訛りのような、またスラングの発音にするとswallaとなるのですが、この場合は、飲酒や性交に関するヒップホップの歌詞によく登場します。内容が内容なだけに、使うときには注意が必要です。

Swallowtailの意味2つ

ツバメの意味を持っているswallowですが、実は他の生物を表す表現にも使用されます。最後に、swallowtailについて紹介します。

swallowtailで「アゲハ蝶」

黄色と黒のシマシマの模様が特徴の大きなチョウがアゲハ蝶です。アゲハ蝶を見かけると、幸運が近づいてくると言われています。このアゲハ蝶の英語がswallowtailまたはswallowtail butterflyです。

Aさん
My daughter was so happy to chase a swallowtail in a garden.
訳)娘は庭でアゲハ蝶を追いかけてとっても喜んでいました。

swallowtailで「ツバメ尾タキシード」

ツバメ尾タキシードはいわゆる燕尾服(えんびふく)です。燕の尾のように、ジャケットの後ろの裾が長く割れたデザイン、格式の高い式典で着るフォーマルウエアです。この燕尾服を英語でswallowtailと表現するのです。

Aさん
He looked great in the swallowtail coat at the formal party.
訳)彼は、フォーマルなパーティで燕尾服を着てとても素敵に見えました。

まとめ

swallowは動詞で「飲み込む」や「うのみにする・信じる」、名詞で「ツバメ」を意味します。
特に、飲み込むに関する会話のためにぜひ覚えたい表現です。飲み込む、飲み込めない、間違って飲み込んだなど、応用してswallowを使えるようにしていきましょう。

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