「銀行からmortgageを借り入れることになった」
という場合のmortgageという英語をご存知ですか?
銀行から借り入れるものとはローンと言えます。では、カードローン?車のローン?どちらでもないんですね。

この記事では、英語mortgageを取り上げ、ローンの1種であるmortgageの意味と使い方を学びます。後半、イギリスのmortgage事情もお届けしましょう。

住宅ローンの英語

住宅ローンの英語

ローンには貸付けや融資という意味があります。いくつか種類がありますが、そのなかで金額の大きなものは「住宅ローン」でしょう。

住宅ローンの英語mortgage

家族以外と住宅ローンの話をすることはあまりないでしょうし、海外で家やフラットを購入することもそれほど一般的ではないかもしれません。したがって、多くの皆さんにとって、mortgageはあまり馴染みのない単語でしょう。しかし、イギリスでもアメリカでも、またオーストラリアなどの国でも住宅ローンの英語はmortgageで表現されます。

mortgageの読み方はどうでしょう?スペリングのまま読むとモートゲージかな?となりそうですが、カタカナ語の発音はモーゲージです。

「自分には住宅ローンがある」と言うときには、I have a mortgage.とすれば、特にhouse/apartmentなどの家関連の単語を使わなくても伝わります。

mortgageの定義

mortgageには、住宅ローン以外にも「抵当・抵当権・担保」の意味もあります。これらについては、次で解説します。
ここでは、Cambridge dictionaryからmortgageの住宅ローンとしての定義を以下、紹介します。

Aさん
an agreement that allows you to borrow money from a bank or similar organisation, especially in order to buy a house, or the amount of money itself.
訳)特に住宅を購入するために、銀行または類似の組織からお金を借りることを許可する契約、またはその金額そのもの。

引用:Cambridge dictionary “mortgage”

mortgageのその他の意味

さて、mortgageは住宅ローンや貸付金の意味であることが分かりましたが、ここではその他の意味を例文とともにみていきます。

名詞mortgage

名詞としてのmortgageには「抵当・抵当権・担保」の意味があります。ちなみにmortgageは可算名詞です。
抵当とは、借金をするときに万が一、そのお金が返せなくなったときに自由に処分をしてもよいと約束する借り手がわの品物(=担保)です。担保は物的担保と人的担保があります。

Aさん
I was asked by a bank to decide on which type of mortgage to choose before they lend money.
訳)銀行から、融資をする前にどのタイプの担保か決めるように言われました。

動詞mortgage

動詞mortgageには「~を抵当に入れる」や「保証としてささげる」の意味があります。命をかけるという使われ方もされます。動詞活用は、mortgage-mortgaged-mortgagedです。

Aさん
I had to mortgage a car.
訳)マイカーを抵当に入れなければならなかった。
Aさん
It’s very risky to mortgage my house to finance my business.
訳)事業資金を調達するために、家を抵当に入れるのは非常に危険です。

mortgageとloanの違い

ローンにも貸付けや融資という意味があります。ここでは、mortgageとloanの違いについて注目します。

mortgage vs loan

mortgageとloanでは、貸付けの目的が異なります。
mortgageは通常、不動産購入や住宅資産の活用に使用されます。mortgage loanとする場合もあります。
一方loanは、様々な購入のための資金を得るための一般的な借り入れを指します。

Aさん
We applied for a student loan for my son’s university.
訳)私たちは息子の大学のために学生ローンを申請しました。

住宅ローンではなく一般的な借り入れのため、例文ではloanが使われています。

モーゲージ – アメリカ

モーゲージ - アメリカ

ここで、アメリカにおけるモーゲージについて少し紹介します。アメリカで不動産を買う予定のある方はご参考にしてください。

貸し手は銀行以外に多数ある

日本で住宅ローンを組む場合には主に銀行や住宅金融支援機構です。ところがアメリカにはそれ以上に多くのレンダー(貸し手)が存在します。住宅ローン融資会社が多数あったり、借り手と貸し手をつなぐモーゲージブローカーもあります。そして、アメリカの場合、融資は物件の価値に対して行なわれます。

Aさん
Most American mortgages were taken out over a 25-30 year fixed term.
訳)アメリカの住宅ローンのほとんどは25~30年の固定期間で組まれています。

get a mortgageなどの意味

ここからは、英会話に使えるフレーズを紹介しましょう。住宅ローンの申請、組む、完済するという3表現です。どれも主語は住宅ローンを組む人です。

apply for a mortgage

まず、住宅ローンを申請しますが、英語表現ではapply for a mortgageになります。applyには申請する、申し込むという意味があります。

Aさん
We decided to apply for a mortgage.
訳)私たちは住宅ローンを申請することにしました。

get a mortgage

get a mortgageで「住宅ローンを組む」になります。申請をした住宅ローンを実際に組めることになるシーンで使用します。

Aさん
We got a mortgage which is for 30 years.
訳)私たちは30年の住宅ローンを組みました。

pay off a mortgage

晴れて住宅ローンを完済をしたときのフレーズもみておきましょう。pay offで「完済する・精算する」ですので、pay off a mortgageになります。

Aさん
We’ve finally paid off our mortgage!
訳)ついに住宅ローンを完済しました!

Mortgage – 会計関連の意味

ここでは、会計でmortgageがどのような意味を持つのか紹介します。

会計関連のmortgage

mortgage agency 抵当機関
mortgage agreement 抵当権設定契約
mortgage collateral 不動産担保
mortgage by transfer 譲渡担保
mortgage backed certificate モーゲージ担保証券
mortgage interest payment モーゲージ金利

イギリスのmortgage事情

最後に、イギリスのmortgage事情について紹介しましょう。いろいろな角度から住宅ローンをみていきます。

イギリス人と住宅ローン

イギリスにおける典型的な住宅ローンの期間は25年です。状況に応じて10~40年の範囲になります。
日本では30年、35年が一般的と言われていますので25年は短く感じますね。固定金利(fixed-rate mortgage)と変動金利(variable-rate mortgage)があり、それぞれに長所・短所があります。

Finderというサイトによれば、2024年ではイングランドとウェールズでは63%が自宅を所有しており、それは1,550世帯に上ります。自宅所有者の48%が住宅ローンを持ち、52%が住宅ローンを完済し不動産を完全に所有しています。

参考:Finder “Home ownership in the UK”

日本人もモーゲージを組める?

イギリスで日本人(外国人)が住宅ローンを組むには以下の条件があります。
・永住権または労働ビザなどビザのステータス
・国籍
・良好な信用スコア
・2年以上イギリスに住んでいる
・正社員など経済的安定性
・イギリスの銀行口座を持っている
・頭金は一般的に購入金額の約25%

イギリスにはプロパティラダーという言葉があります。不動産の梯子に乗れ、という意味ですが、これは日本と異なり、イギリスの住宅はその資産価値が上がることはあっても下がることはないと言われているからです(例外の年はあり)。筆者の家も築100年に後数年という一軒家ですが、価値は安定して上がっています。住宅ローンを組んでイギリスの不動産が欲しいという人は多くいます。

まとめ

一般的な借り入れを指すローンと違い、ローンはローンでも、住宅ローンの英語がmortgageです。
イギリスが好きな人であれば、不動産会社のサイトなどで住みたいエリアのページをご覧になってはいかがでしょうか?コテージ風のイギリスならではの家など見ると楽しいですよ!価格もぜひチェックください。

【関連記事】