英語の複合関係詞は、関係代名詞や関係副詞のようにTOEICなどの英語資格試験でよく出題される英文法項目です。
「複合関係詞」と言われると、名前からして「難しそう」だと感じる方が多いでしょう。(今これを書いている筆者もその1人です)
しかし、ご安心ください。
「複合関係詞」という難しい英文法用語を抜きにしても、「実際に英語で使われる様子」がわかれば、十分に理解して適切に使うことができるようになります。
この記事では、「複合関係詞」の代表である「複合関係代名詞」について、ひとつずつ丁寧に解説していきます。
複合関係代名詞
複合関係代名詞は、関係代名詞の中でも、関係詞節が名詞以外の語と結びついている場合に使われるものを指します。
文字で説明しても少しわかりづらいですよね。
なので、複合関係代名詞は主に以下の4つのことを指すと覚えた方がわかりやすいでしょう。
- whoever
- whomever
- whatever
- whichever
whoやwhomなど、関係代名詞になるものに”~ever”が加わっているのがわかりますね。
順番に見ていきましょう。
whoever
“whoever”は「誰でも」を意味する複合関係代名詞です。
関係代名詞の”who”は、人を表す名詞(先行詞)と結びつきますよね。
対して”whoever”は「〜な人、〜する人全員」という、条件に当てはまる人と結びきます。
【”who”と”whoever”の例】
- The person who helps me will receive a reward.(関係代名詞)
私を手伝ってくれる人は報酬を得るだろう。 - Whoever helps me will receive a reward.
私を手伝ってくれる人は誰でも報酬を得るだろう。(複合関係代名詞)
1.の例文は関係代名詞の”who”を使っているので、名詞である”the person”と結びついて「私を手伝ってくれる人」を表していますよね。
対して2.の例文は複合関係代名詞の”whoever”なので、特定の名詞ではなく「手伝ってくれる人なら誰でも」という「条件」を表しているのがわかりますね。
【例文】
- Whoever finishes the work on time will receive a reward.
時間通りに仕事を終わらせた人は、誰でも報酬を貰えます。 - Whoever is willing to help can join the team.
手伝う意欲がある人は誰でもチームに参加できます。
whomever
“whomever”も「誰でも」を意味する複合関係代名詞です。
上述の”whoever”と意味は同じですが、”whomever”に形が変わることで、”him”や”her”、”its”などの「目的格」の形で「誰でも」を意味する複合関係代名詞です。
【”whom”と”whomever”の例】
- The teacher whom you met yesterday is very kind.
あなたが昨日会った先生はとても優しいです。 - Whomever you invite to the party will be welcome.
あなたがパーティーに招待する人はだれでも歓迎されます。
1.の例文は関係代名詞の”whom”が使われているので、直前の名詞である”the teacher”を説明していますね。
対して2.の例文は複合関係代名詞の”whomever”なので、”you invite”と結びついて「あなたが招待する人なら誰でも」を表しているのがわかりますね。
【例文】
- Whomever you ask for advice, they will help you.
キミがアドバイスを求めれば、誰だってキミの助けになるだろう。 - You can give the prize to whomever you think deserves it.
あなたがふさわしいと思う人には、誰にでも賞をあげていいですよ。
whatever
”whatever”は「何でも」を意味する複合関係代名詞です。
“who”や”whoever”が「人」を対象にするのに対して、”what”や”whatever”は「ものごと」を広く対象にして表現します。
【”what”と”whatever”の例】
- I don’t know what he wants.
彼が何を欲しがっているのか分かりません。 - Whatever happens, we will stick together.
→ 何が起ころうとも、私たちは一緒にいるつもりだ。
1.の例文は、”what”が関係代名詞の働きをしていますね。関係代名詞の”what”は”what”自体が先行詞の働きをするのですが、「What he wants=彼が欲しいもの」という名詞と結びついているのはこれまでの関係代名詞の特徴と一致します。
対して2.の例文は、複合関係代名詞のwhateverが、”happens”という「起こること」と結びついて、「何が起きても」を意味しているわけですね。
【例文】
- Whatever you decide, I’ll respect your choice.
あなたが決めたことなら、何であろうとその選択を尊重します。 - I will help you with whatever task you need assistance with.
あなたが助けを求めるなら、何だって手伝いますよ。
whichever
”whichever”は「どれでも」を意味する複合関係代名詞です。
関係代名詞のwhoやwhomは「人」と、whatは「ものごと」と結びついていたのに対して、whichは「物」と結びついて使われますね。
【”which”と”whichever”の例】
- The book which you recommended is interesting.
あなたが推薦した本は面白い。 - You can take whichever route you prefer to get to the airport.
空港までは、どれでもお好きなルートでお越しいただけます。
1.の例文は”which”が関係代名詞の働きをして、「The book=本」と結びついています。「本」を修飾して「あなたが推薦した本」の意味にしているわけですね。
対して2.の例文は、複合関係代名詞のwhicheverが「あなたが選ぶもの(選択肢)」と結びつくので、「あなたが好きなルート」を意味しています。「好きな(選択肢の)ルート」を表しているイメージですね。
【例文】
- Whichever option you choose, the price will be the same.
どれをお選び頂いても(どの選択肢を選んでも)、料金は同じです。 - Whichever book you pick will be fine for the reading assignment.
あなたが選ぶ本なら、どれを読書課題としても問題ありません。
まとめ
この記事では、「複合関係詞」の代表である「複合関係代名詞」について、以下の点から解説してきました。
- 「複合関係代名詞」は、関係代名詞の中でも”〇〇ever”の形になるものを指す
- ”〇〇ever”の形になる複合関係代名詞は、「なんでも」や「誰でも」のように、「〜でも」の意味で使われる
- 関係代名詞は「名詞」と結びつくのに対して、複合関係代名詞は名詞ではなく「条件」や「選択肢」など、名詞以外のものと結びついて使われる
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。
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