「ギュウギュウ詰め」や「ギュウギュウ押し込む」など、ものや人がたくさん入った状態や何かを詰め込む際に、「ギュウギュウ」という表現がよく使われますよね。
「ギュウギュウ」は擬音語の一つで、日本語では日常会話でとても頻繁に登場する言葉でもあります。
この「ギュウギュウ」を、英語では何と言えば良いのでしょうか?
今回は、すし詰め状態や詰め込む様子を表す擬音語「ギュウギュウ」について、使用シーンに応じたさまざまな英語表現を例文とともに紹介していきます。
「ギュウギュウ」が表す意味
擬音語の「ギュウギュウ」には、以下のような意味があります。
- 物がきしんだり、こすれたりするときに鳴る音を表す語
- 強く締めつけたり、押しつけたりするさま
- 無理に詰め込んだり押し込んだりするさま
- 人を強く責めたてるさま、責められて音をあげるさま
実際に音が鳴っているような状態を指して使うときもあれば、強く押し付けたり、人を責め立てたりするような場合にも用いられます。
文脈によっていろいろな意味を表す擬音語の「ギュウギュウ」を、英語で言えるように、正しい表現を習得しておきましょう。
「ギュウギュウ」の英語

「ギュウギュウ」は、日本語では状況や文脈によってさまざまな意味に捉えられますが、英語では、意味が違うと単語や表現も異なります。
どのような場面で、どのような状態のことを指すのか、しっかりと理解しておくことが大切です。
すし詰め状態や満員、満杯などの意味で用いられる「ギュウギュウ」は、英語で”packed”や”crammed”と表現します。
packed
completely full
完全に満杯
crammed
very full of people or things
人やものでいっぱい
“pack”は「詰める」、”cram”は「詰め込む」という意味で、どちらも何かを「詰める」ことを表した英語です。
特に、”packed”は、ものや人がギュウギュウ詰めにパックされた状態をイメージするとわかりやすいでしょう。
何かを強く押し込むという意味で用いられる「ギュウギュウ」は、英語で”squash”や”compress”と表現することが多いです。
squash
to push yourself, a person, or thing into a small space
自分自身、人、または物を狭い場所に押し込む
compress
to press something into a smaller space
何かを狭い場所に押し込む
では、それぞれの英語を例文と一緒に詳しくみていきましょう。
packed

“packed”は、一語でも「ギュウギュウ」の状態を表せますが、ここでは英会話でよく使われる”packed”の表現を紹介していきます。
どれも日常会話で頻繁に登場する英語なので、覚えて使えるようになっておくと役立ちますよ。
jam-packed
“jam-packed”は、「いっぱい詰まって」「ぎっしり満員の」などの意味を表す英語です。
特に電車やバスなどの乗り物で人がたくさん乗っていてすし詰めの状態を指して使われます。
訳) ラッシュ時の 満員電車に乗りたくないので、早めに家を出ました。
packed tightly
“packed tightly”も、乗り物や部屋、会場などが満員で、すし詰めになっているさまを意味する英語です。
“tightly”が「きつく、固く」といった意味を持っており、詰まって、ギュウギュウに固まった状態であることを表しています。
訳)ラッシュアワーの電車は、通勤者でギュウギュウ詰めで、ほとんど座れません。
packed like sardines
“packed like sardines”は、ギュウギュウ詰めの状態をイワシの缶詰にたとえた慣用表現です。
イワシの缶詰めのように、ものや人が非常に密集している、狭い空間に詰まっている様子を指しています。
訳)フットボールの試合では、スタンド席がファンで超満員でした。
crammed
“crammed”には、無理に詰め込む、強引に押し込む、などの意味がありますが、他の品詞と組み合わせて、「ギュウギュウ」をより強調した表現が使われます。
crammed full
“crammed full”の”full”は、日本語でも「フル充電」「フル稼働」と言うように、何かでいっぱいであるさまを表します。
訳)パーティーがあるので、冷蔵庫には食べ物や飲み物がいっぱい詰め込まれていました。
crammed to the gills
“crammed to the gills”の、”to the gílls”は「いっぱいに」という意味を表す成句で、”crammed”と組み合わせて、超満員であるさまを表します。
部屋やかばん、乗り物など、物理的な空間にこれ以上何も入りきらない状態のときに使われます。
訳)エレベーターはギュウギュウ詰めだったので、降りるのが大変でした。
crammed like a can of worms
“crammed like a can of worms”は、直訳すると「缶に詰まったミミズ」となり、”packed like sardines”と同じように、何かが極限まで詰まっている状態をたとえた慣用表現です。
訳)車1台だけで行ったら、すし詰め状態になってしまいます。
squash とcompress

最後に、何かを狭いところへ押し込む、詰め込む際の「ギュウギュウ」を意味する英語を紹介します。
“squash”と”compress”はどちらも動詞で、ものや人を狭い空間へ強く押し込む様子を表して使われます。
“squash”も”compress”も、あまり聞き慣れない単語かもしれませんが、日本語の「ギュウギュウ」をとてもわかりやすく正しく伝えらえる単語ですので、ぜひ覚えておきましょう!
訳)ホールは満員で、誰一人入れないほどギュウギュウでした。
訳)彼女は、いつもかばんに服をギュウギュウに詰め込みます。
まとめ
通勤電車やコンサート会場などの、すし詰め状態や満員状態、また何かを詰め込むさまを表す擬音語「ギュウギュウ」について、さまざまな英語表現を例文とともに紹介しました。
ラッシュアワーの電車や混雑した店内または会場など、人がひしめき合っているような状態は、英語で”packed”や”crammed”を使って表現します。
狭い空間へ何かを押し込んだり詰め込んだりする場合は、”squash”と”compress”を使います。
日本語の「ギュウギュウ」を英語で伝えたいときは、文脈に応じた表現に言い換える必要があるので、正しい意味を理解して使い分けられるようになっておきましょう。


