美しい海でイルカと一緒に泳いだり、巨大ウミイグアナ、カメ、アシカたちを観察したり、夢のような時間を過ごせるのが南米エクアドルのガラパゴス諸島です。
ところで、このガラパゴス諸島が世界遺産に登録されていることをご存知ですか?
この記事では、南米エクアドルの世界遺産「ガラパゴス諸島」を紹介します。約400万年前に起きた火山活動によってでき、ダーウィンも注目したガラパゴス諸島を英語表現とともにみていきましょう。
エクアドルってどんな国?

まずは、ガラパゴス諸島のあるエクアドルについて簡単に紹介します。
正式名称はThe Republic of Ecuador
エクアドルは南アメリカにある国で、正式にはThe Republic of Ecuador(エクアドル共和国)と表現します。日本ではエクアドル産のバナナを見ることがありますね。
訳)エクアドル共和国は、南アメリカの国です。
エクアドルは14世紀にインカ帝国に支配され、その後16世紀にスペインの植民地となったため、公用語はスペイン語になります。首都はキト、アンデス山脈が貫通しています。
ガラパゴス諸島の基本情報
それでは、ガラパゴス諸島について基本情報をみていきましょう。ちなみに、日本の小笠原諸島(東京都)は「東洋のガラパゴス」と呼ばれていますね。
ガラパゴス諸島ってどんな島?
ガラパゴスはエクアドル本土から太平洋上に、約1,000km西に位置しています。
ガラパゴス諸島というだけあって、いくつかの島が集まっています。この群島は太平洋の赤道近くに位置し、主要な島はイサベラ島、サンタ・クルス島など13、その他6つの小島や岩礁から成り立っています。これらは約400万年も前、火山活動によって形成されました。
ガラパゴス諸島はフンボルト海流(南極からの寒流)・パナマ海流(中央アメリカからの温暖な海流)・クロムウェル海流(深海から湧き上がる深層冷水)という3つの海流の交差点であり、このため豊かな生態系が維持されています。その地域にしか存在しない動植物である固有種も多く生息しています。
ガラパゴス諸島の英語フレーズ
ここでは、ガラパゴス諸島に関するの英語表現を紹介します。
ガラパゴス諸島の英語表現
ガラパゴス諸島はThe Galápagos Islandsで表現します。ガラパゴス・アイランドとも言われますが、実はコロン諸島(Archipiélago de Colón)という正式名称がありますが、こちらの名前はあまり知られていないかもしれません。南米大陸を発見したコロンブスにちなんで名付けられました。
訳)ガラパゴス諸島の正式名称はコロン諸島です。
訳)ガラパゴス諸島は世界でもっとも火山活動が活発な地域のひとつです。
ガラパゴス諸島が世界遺産になった理由は?

ガラパゴス諸島がスペシャルなことが分かってきました。ここで、ガラパゴス諸島が世界遺産になった年や理由をみていきます。
ガラパゴス諸島が世界遺産になった年
訳)ガラパゴス諸島は、1978年にユネスコの世界遺産に登録されました。
トリビアとして、ガラパゴス諸島は世界自然遺産の第1号のひとつという点があります。そして、2001年には海洋保護区も拡張登録されました。
ガラパゴス諸島が世界遺産になった理由
ガラパゴス諸島が世界遺産になった登録基準には、以下の3つの理由が挙がります。
1. Geological formation(地質学的形成)
訳)ガラパゴス諸島は火山起源で、300万年~500万年前に形成されました。
2. Great variety of endemic species(固有種の多様性)
訳)ガラパゴス諸島には、当時有名なイギリスの自然主義者チャールズ・ダーウィンが研究した固有種やユニークな種が数多く生息しています。
ダーウィンが登場しましたが、後ほどさらに解説をします。
endemic speciesで固有種の英語フレーズです。ガラパゴス諸島の特徴でもありますので、この機会にぜひ覚えましょう。
3. Endangered species(絶滅危惧種)
訳)ガラパゴス諸島の絶滅危惧種の一例として「ロンリージョージ」として知られる、少なくとも105歳のオスのカメがいます。
ガラパゴス諸島の固有種を紹介

ここまででも、ガラパゴス諸島には多くの固有種がいることを紹介しました。実際にどのような生物がガラパゴスにいるのかみてみましょう。
固有種率80%のガラパゴス諸島
ガラパゴスでは、陸上生物の約80%、そして海洋生物の30%が固有種というデータがあります。ガラパゴス諸島で確認された生物は約7,000種ですが、このうち約2,000種はガラパゴスにしかいないことが分かっています。すごいですね!
訳)ガラパゴスペンギンは世界最小のペンギンで、ガラパゴス諸島固有の種です。
ガラパゴスペンギンの体長は約50cmです。自然界では北半球に生息する唯一の珍しいペンギンと言われています。
訳)ガラパゴスゾウガメは、エクアドル沖のガラパゴス諸島にのみ生息しています。
ガラパゴスゾウガメはその大きさに驚くほどです。体長は最大1.5メートル、体重は250~400kgにもなります。そして、平均寿命は100歳を超えます。
参考:Galápagos Conservation Trust
ガラパゴスで思いついたダーウィンの「進化論」

ガラパゴスで独自の進化を遂げた動物は多くいます。そして、かのチャールズ・ダーウィンはガラパゴスの地で行なった観察を通じ「ダーウィンの進化論」の着想を得たのです。
チャールズ・ダーウィンとは?
チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)は1809年生まれのイギリスの自然科学者、地質学者、生物学者です。ダーウィンの「進化論」では、生物の進化に目的はなく、それは偶然の結果に過ぎないという説です。突然変異が起こり、その個体が淘汰されることなく生き残ることで進化すると考えたのです。
ダーウィンフィンチ(Darwin’s Finches)
ダーウィンは、ダーウィンフィンチという鳥に注目し、彼らから進化論の着想を得ました。フィンチとは、スズメ目のホオジロ科、アトリ科などに属する鳥の総称です。
訳)ダーウィンは、フィンチの種によって口ばしの形が異なることを観察しました。
訳)彼は、祖先の種の口ばしが長い時間をかけてフィンチに適応し、様々な食料源を獲得できるようにしたと仮説をたてました。
ダーウィンは1835年9月15日、ガラパゴスに到着してから約5週間の滞在でこのような観察を行ないました。口ばしの多様性から種の適応と進化に着目し重要な証拠として、1859年に進化論が誕生しました。
ガラパゴス諸島の環境保護活動
これだけ絶滅危惧種や固有種の多様性が存在するガラパゴス。環境保護や持続可能な未来に向けての活動が行なわれています。
ガラパゴスの入国に必要なTCT
素晴らしい環境や世界遺産登録されたことなどから、観光客が増加しました。これによって、資源や野生生物たちに圧力がかかってしまったために様々な保全活動を行なっています。
エクアドル政府によって、ガラパゴスに入国にするためのTCT(トランジットコントロールカード)が導入され、空港のブースでこのカードを取得(20ドル)しなければなりません。
訳)ガラパゴス諸島に入国するすべての人は、TCTをオンラインで記入し、空港でTCTを受け取る必要があります。
日本からガラパゴス諸島へ
筆者も一生に一度はガラパゴスへ行ってみたいと考えいますが、日本からキトまではアメリカ経由で約20時間、キトからガラパゴス諸島へは国内線で約2時間です。
ガラパゴス諸島へ到着すると、国立公園入場料100ドル(現金のみ)がかかります。
野生動物の観察やシュノーケリングなどのアクティビティが含まれたガラパゴスクルーズもあり、12月〜5月のベストシーズンは混雑が予想されます。
まとめ
本記事では、1978年に登録された南米エクアドルの世界遺産「ガラパゴス諸島」を紹介しました。世界遺産のなかでも、自然に関して大きな特徴を持ち、ダーウィンの進化論に大きな影響を与えたガラパゴス諸島、一度行ってみたいですね!
