「不定詞」と言えば「to不定詞」が頭に思い浮かびますよね。
それでは「代不定詞」という言葉は、聞いたことがあるでしょうか?
「代不定詞」という言葉を見ると、一見難しそうに聞こえますが、実は英語を話すときによく使われる表現です。
この記事では、代不定詞について、その意味と使い方を、例文付きで学習者の目線でわかりやすく解説していきます。
代不定詞とは?基本の意味をかんたんにおさらい

代不定詞とは、不定詞(to+動詞の原形)を、直前に出た動作を繰り返す代わりに使う表現を言います。
つまり、同じ内容を二度言わずに、すっきりまとめるための便利なテクニックです。
代不定詞を使った例文
代不定詞について、文字だけで説明されてもわかりづらいでしょう。
なので、例文を使って実際どう使われているかを見てみましょう。
【例文】
- I want to go to the park, and my friends want to too.
私は公園に行きたいし、友達も行きたいと思っています。
例文では”to=to go to the park”を省略しているのがわかりますね。
【省略されていない例文】
- I want to go to the park, and my friends want to go to the park too.
私は公園に行きたいし、友達も行きたいと思っています。
さらに、もう一つ例文を見てみましょう。
【例文】
- She hopes to join the club, and I hope to as well.
彼女はクラブに参加したいと思っていて、私もそう思っています。
このように、同じ動作を繰り返す必要がないときに、代不定詞が使われます。
代不定詞の主な使い方
代不定詞の主な使い方を見ていきましょう。
代不定詞の基本パターンと具体例
代不定詞ではよく使われる以下のような基本パターンがあります。
- want to → don’t want to
- need to → don’t need to
- would like to → wouldn’t like to
例文で確認してみましょう。
【元の文】I need to finish my homework, but I don’t need to finish it now.
宿題を終わらせる必要があるけど、今すぐではない。
【省略後の文】I need to finish my homework, but I don’t need to.
宿題を終わらせる必要があるけど、それは今じゃない。
下線を引いた部分以降の文章が省略されているのがわかりますね。
【例文】
- She plans to study abroad, but I don’t want to.
彼女は留学する予定だが、私はしたくない。 - Do you need to call him? No, I don’t need to.
彼に電話する必要ある? いや、ないよ。
代不定詞を使うときの注意点
代不定詞を使う時には、以下のような注意点もあります。
省略できないケース
代不定詞を使って省略できない場合もあります。
主に以下のような場合です。
- 異なる動詞を使うとき
- 目的語が異なるとき
例文を見てみましょう。
【例文】
- I want to go to the park.
- I want to visit the museum.
上の例文の目的語はthe park、下の例文の目的語はthe museumですよね。
例文2つの目的語が違うので省略ができない、というわけですね。
代不定詞で省略しても、文脈で意味が分かることが前提
代不定詞で英文を省略するとき、文脈から「代不定詞を省略している」のがわかることが代不定詞を使う前提条件です。
【例文】
- She wants to study medicine, and I want to too.
彼女は医学を勉強したい、私もしたい。
例文では、文脈で「医学を勉強する」が明らかなので、代不定詞で省略してもOKです。
気を付けたい表現は、例えば以下の例文。
【例文】
- He decided to move to Tokyo, and I decided to too.
彼は東京に引っ越すことを決め、私もそう決めた。
気を付けるポイントは、decide to や promise to など「重要な決断や約束」を表す動詞は、省略するとニュアンスが曖昧になりやすいです。
なので前の文と微妙に内容がズレると誤解されるリスクがあるので、文脈が明確なときだけ省略しましょう。
代不定詞でよく登場する典型パターン集

代不定詞は、特に次のような場面でよく使われます。
会話での同意・否定
会話では「私も!」「僕もそう思う!」という流れで自然に代不定詞が使われます。
【例文】
- I’d love to travel to Italy, and my friend would love to too.
私はイタリアに旅行したいし、友達もそうしたい。
質問に対する短い答え
質問に対する答えとして代不定詞を使うことで、長々と繰り返さず、スマートに答えるのに役立ちます。
【例文】
- Are you planning to attend the meeting? — Yes, I plan to.
その会議に出席する予定ですか? — はい、その予定です。
代不定詞を使う意図とメリット
代不定詞を上手に使うと、英語表現が一段と自然で洗練された印象になります。
例えば、
【普通の表現】I want to go to Paris, but I don’t want to go to Paris alone.
【代不定詞を使った表現】I want to go to Paris, but I don’t want to alone.
以上2つの例文を見比べると、下線の部分が省略されているのがわかりますね。
短くスッキリまとめることで、「英語がこなれている人」のイメージが持たれやすくなります。
ビジネス英語でもカジュアル英会話でも、ぜひ積極的に使ってみましょう。
代不定詞と似た表現との違いもチェック
英語には代不定詞と似た以下のような表現があります。
代不定詞 vs 代動詞(do)
英語には「代動詞」という、代不定詞に似た表現があります。
代動詞と代不定詞の違いは、主に以下の通りです。
- do:行動そのものを代用
- to:動作をする「意志・イメージ」を代用
簡単に比較してみましょう。
- 【代動詞のdo】He plays soccer, and I do too.
彼はサッカーをしていて、私もする。 - 【代不定詞のto】He wants to play soccer, and I want to too.
彼はサッカーをしたくて、私もしたい。
行動を指すのがdo、意志や希望を指すのがto だと覚えるとスムーズですよ。
まとめ
この記事では、英文法の代不定詞について以下の点からお伝えしました。
- 代不定詞は「to+動詞の原形」の代用表現
- 代不定詞を使うことで同じ動作を繰り返さず、文章がすっきりスマートになる
- 代不定詞で省略していることがわかるように、文脈を意識しながら適切に使い分けることが大切
- 正しく使えば、英語表現がより自然で上級者らしくなる
代不定詞を使いこなせるようになると、英語表現がグッと自然になります。
この記事でお伝えしたことが、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。
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