英語の文法で「分詞構文」と聞くと、難しそうな印象を持つ方も多いのではないでしょうか?

「分詞構文」は高校英語で習う範囲ですし、たくさんの意味や用法があるので、苦手意識を持たれる方も多いでしょう。

特にその中でも「独立分詞構文」は、受験や英検、TOEICなどで問われることもある少し上級者向けの構文です。

でもご安心ください。

「主語が違う時に使う構文」と理解すれば、独立分詞構文はとってもシンプル。

今回はそんな「独立分詞構文」について、具体的な例文や使い方を交えて、わかりやすく解説します!

独立分詞構文とは?意味と特徴をわかりやすく解説

独立分詞構文とは?意味と特徴をわかりやすく解説

まずは独立分詞構文の基本的な意味や、普通の分詞構文との違いをしっかりと理解していきましょう。

普通の分詞構文との違い

通常の分詞構文は、「主語が共通」の2つの文をつなぐときに使われます。

例えば以下の例文

Aさん
Feeling tired, I went to bed early.
訳)疲れていたので、私は早く寝ました。

これは”I was feeling tired”と”I went to bed early”を1文にまとめた例ですね。

「独立分詞構文を使うポイント」とは?

通常の分詞構文が「共通する主語」を持つ2つの文をつなぐ一方で、「独立分詞構文」は主語が異なる2つの文を1つにまとめたいときに使います。

つまり、「メイン文の主語」と「分詞部分の主語」が異なる時に使うのがポイントです。

例を見てみましょう。

  • The teacher being absent, the students left the classroom.
    先生が不在だったので、生徒たちは教室を出た。

この文では、主文の主語は”the students”、分詞構文の主語は”the teacher”となっていて、違う主語が使われているため、「独立分詞構文」と呼ばれるわけです。

以上のように、2つの異なる主語を1文で表現できるのが、独立分詞構文の魅力ですね。

独立分詞構文の形・ルール|現在分詞・過去分詞の使い方

ここでは独立分詞構文の「形」について、具体的にどのようなルールがあるのかを見ていきましょう。

基本の形「名詞+分詞」を覚える

独立分詞構文の形は、以下のようになります

  • 名詞(または代名詞) + 分詞(現在分詞または過去分詞)

このとき、名詞(または代名詞)が「分詞構文内の主語」になります。

文字だけで説明してもわかりづらいので、例を見てみましょう

  • The weather being fine, we went for a walk.
    天気が良かったので、私たちは散歩に出かけました。

ここでの主語は、メイン文の主語:we

分詞構文内の主語:the weather

つまり、「主語が違う」から、独立分詞構文になっているんですね。

独立分詞構文の例文

ルールを確認したら、次は実際に使われる例文でイメージをつかんでいきましょう。

【現在分詞を使った例文】

  • Her parents being away, she threw a party at home.
    両親が不在だったので、彼女は家でパーティーを開いた。
  • Time permitting, we will visit the museum tomorrow.
    時間があれば、明日その博物館を訪れます。
  • The baby crying loudly, the mother picked him up.
    赤ちゃんが大声で泣いていたので、母親は抱き上げた。

↑カンマの前の文と、後の文の主語がそれぞれ違うので、「独立分詞構文」が使われています。

主語と動作の関係が「能動的」なので、現在分詞が使われていますね。

【過去分詞を使った例文】

  • All work done, we left the office at 7 p.m.
    すべての仕事が終わったので、私たちは午後7時にオフィスを出た。
  • All preparations completed, the ceremony began.
    すべての準備が整ったので、式典が始まった。

↑カンマの前の文と、後の文の主語がそれぞれ違うのがわかりますね。

主語と動作の関係が「受動的=受け身の形」になっているので過去分詞形を使っているわけです。

「仕事」は「人によって終えられるもの」ですし、「すべての準備」も「人によって整えられるもの」なので、過去分詞形が使われています。

【文頭にくるパターンの例文】

  • His task completed, John went home with a smile.
    任務を終えたジョンは、笑顔で家に帰った。
  • The sun having set, we decided to return to the camp.
    日が沈んだので、私たちはキャンプ場に戻ることにした。

独立分詞構文は文頭に置かれることも多いです。

前置きや状況説明をコンパクトに伝えたいときに、独立分詞構文が文頭に置かれます。

特に、条件や背景を最初に提示してから本題に入るフォーマルな文章では、自然な流れを作るために使われることが多いですね。

独立分詞構文の注意点とNG例

独立分詞構文の注意点とNG例

便利な独立分詞構文ですが、使い方を誤ると不自然な英文になってしまいます。注意点も合わせて押さえておきましょう。

例えば以下の例文

Being tired, the bed was inviting.

この文は一見自然に見えますが、「being tired」の主語が不明です。

「誰が疲れていたのか」が文から読み取れないため、正しい文ではありません。

→ 正しくは:

  • Being tired, I found the bed inviting.
    疲れていたので、ベッドが魅力的に思えた。

これが正しい文章です。

※ただしこの例文は、主語が共通する通常の分詞構文です。独立分詞構文ではありませんが、文として自然な形になっています。

では、独立分詞構文を使った正しい例も見てみましょう。

【独立分詞構文の正しい例】

  • The guests being tired, the party ended early.
    ゲストが疲れていたので、パーティーは早く終わった。

この例文では、分詞構文の主語”the guests”と、メインの文の主語(省略されているが”the party”が主語になっている)が異なるため、独立分詞構文となっています。

【補足】表現のフォーマルさに気をつけよう

独立分詞構文はややフォーマルな文体なので、会話では使われにくいです。

英語のネイティブスピーカーも、分詞構文を使う時は構造を気を付けて使うので、話し言葉の中でもディベートなどで使うなど、カジュアルでスピーディーに話したい時には使わないイメージです。

書き言葉としてや、試験対策として覚えておくと良いでしょう。

英検・TOEICでの出題傾向と対策

本項では独立分詞構文が、実際にどんな場面でこの構文が使われるのか、試験での出題傾向と学習のコツを紹介します。

どんな試験で出やすい?

独立分詞構文は英検準1級・1級などの英検上位級や、大学入試共通テスト、二次試験でも出題されることがあります。

TOEICやIELTSでは「頻出表現」までは行かないものの、長文読解で出てくることも多いです。

構文を自然に身につける学習法

独立分詞構文を効果的に覚えるには、以下のように勉強したり練習すると効果的でしょう。

  • 「主語が違うときに使う」と覚える
  • 文を2つに分解して考えてみる
  • 例文を丸ごと覚えて、構造に慣れる

たとえば、以下のようなトレーニングが効果的です。

【練習例】

日本語文「先生が不在だったので、生徒たちは教室を出た」を、独立分詞構文を使って英語にしてみる。
→ The teacher being absent, the students left the classroom.

日本語文「任務が完了したので、ジョンは笑顔で帰宅した」を、独立分詞構文で英訳する。
→ His task completed, John went home with a smile.

このように、自分で日本語から英語に直す練習をすることで、独立分詞構文の使い方が自然に身についていきます。

そして練習した例文を覚えてしまうことで、別の文章でも応用が効かせられるようになるでしょう。

まとめ

この記事では、独立分詞構文を以下の点からお伝えしてきました。

  • 独立分詞構文とは、「主語が異なる」2つの文を1つにまとめた構文。
  • 独立分詞構文は「名詞+分詞(現在分詞 or 過去分詞)」の形で表現される。
  • 独立分詞構文は書き言葉でよく使われ、フォーマルな文章に適している。
  • 独立分詞構文は、例文を通して構造を自然に身につけることが大切。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものに出来れば幸いです。

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