英検準1級は、「大学中級程度」とされる英語力を測る資格です。

高校生以下の受験者にとっては、非常に高いレベルであり、その分合格すれば大学受験や推薦、就職活動において大きなアピール材料になります。

保護者として「子どもに英検準1級を受けさせたい」と考えたとき、そのレベル感や必要な学習方法が分からず、戸惑うこともあるでしょう。

この記事では、特にリーディング対策に焦点を当て、保護者の立場から子どもをどうサポートすべきか、役立つ情報をわかりやすくご紹介します。

英検準1級リーディングの特徴とは?

英検準1級のリーディングセクションは、大問3つで構成されています。

大問1:語彙(単熟語)問題(18問)

英検準1級リーディングの大問1は、空欄に適切な語句を選ぶ4択問題です。

いわゆる「短文穴埋め問題」と呼ばれるもので、短い文章にある空欄(カッコ)の中に、どの選択肢が一番相応しいかを選びます。

大変シンプルな問題形式ですが、その分、問われる単語や熟語のレベルは長文問題よりも高いです。

とはいえ、全部がレベルの高い英単語というわけではなく、英語の勉強をしていればちゃんとわかる英単語も一緒に出題されるので、必要以上に構えて挑む必要はありません。

単語や熟語のレベルが高い分「意地悪なひっかけ問題」はなく、直球で「この単語の意味を知っているかどうか」が問われるので、「どれだけ正しく単語の意味を覚えているか」が非常に重要です。

大問2:長文読解(6問)

英検準1級リーディングの大問2は、学術的な内容や社会問題、科学技術や生き物の生態などに関する文章が出題され、「筆者の主張」や「論理の流れ」を読み取る力が問われます。

長文が2つ分あり、ひとつの長文につき3問、合計6問です。

また問題の形式は「空欄穴埋め問題」で、長文の間にある空欄に、最も相応しい語句や文章を選ぶ形式となっています。

なので、英語を読んで理解する力だけでなく、前後関係を考えて問題を解く力が必要になります。

大問3:長文読解(7問)

英検準1級リーディングの大問3は、学術的な内容や社会問題、科学技術や生き物の生態などに関する文章を読んで、内容を理解する問題です。

「英語の長文問題」と言われて真っ先に頭に浮かべる、「長文を読んで、内容を表す選択肢から一番相応しいものを選ぶ」形式の問題ですね。

長文が2つあり、最初のひとつを3問、次の長文を4問解く形式です。

受験するお子さんをサポートする保護者として押さえておきたいのは、特に長文読解では単なる暗記だけでは対応できないという点です。

単語や熟語の意味ひとつひとつを訳していると、文章ひとつ読むだけでとても疲れてしまいますし、問題を解く時間が足りなくなってしまうからですね。

ですから、英検準1級の長文問題をムリなくスピーディーに、そして正確に読み解くには、英文構造を読み取る力や、物事を筋道を立てて考える力が合格の鍵となります。

家庭でできるリーディング力の伸ばし方3選

家庭でできるリーディング力の伸ばし方3選

英検準1級に挑戦するお子さんをサポートするために、家庭で取り組めるリーディング強化のポイントを紹介します。

1. 毎日の単語&熟語トレーニング

英単語の知識は、前述した単語と熟語の知識を問われる「大問1」だけでなく、リーディング全体の土台になります。

単語と熟語が読めることで、英語の文章がグッと読みやすくなりますからね。

英単語や英熟語のトレーニングをする上で、まず大切なのは、紙の単語帳とアプリのどちらが本人にとって使いやすいかを見極めること。

紙でコツコツ覚えるのが得意なお子さんもいれば、スマートフォンで音声付きのアプリを使うとモチベーションが上がるというケースもあります。

アプリを使う場合は、毎日の単語の勉強を「ゲーム感覚」で継続する工夫をすると良いでしょう。

保護者がサポートすることで、お子さんは覚えた単語を思い出すキッカケを経て、「さっき覚えた、ちょっとすると忘れちゃう記憶」から、「ちゃんと使える長い記憶」への定着を促(うなが)せますよ。

2. 精読の習慣化

英検準1級の長文は一文が長く、複雑な構文も頻出します。

なので、読むのに苦労した英文を選んで、文の構造(主語・動詞・目的語など)を意識しながら丁寧に読む習慣をつけましょう。

丁寧に読むことで、英検準1級の長文問題でよく使われる構文に慣れていき、結果的に読むのが速くなっていきます。

また、知らない単語に出会ったときはすぐに辞書を引くのではなく、まずは前後の文脈から意味を推測しながら読み進めてみる姿勢が大切です。

読んだ後にまとめて意味を調べることで、「英単語力」と「推測しながら読む力」を同時に鍛えることができますよ。

3. 興味あるジャンルで長文慣れ

英検準1級の長文は時事問題や科学技術、環境問題など、幅広いジャンルから出題されます。

長文を読む練習においても、子どもが興味ある分野に合わせた英文を選ぶことで、取り組みやすさや理解の深まり方が格段に上がります。

例えば時事問題に興味がある子には”News in Levels”などのやさしい英語ニュースがぴったりですし、理系に関心がある子には自然科学や環境に関する英語の読み物を取り入れてみましょう。

保護者も使える!おすすめ書籍紹介

保護者も使える!おすすめ書籍紹介

英検準1級レベルのリーディング対策に役立つ書籍や参考書、問題集は数多くあります。

ここでは特に「単語・熟語力の強化」「長文読解のコツ」「実戦演習」の3つの点から、信頼できる書籍を厳選してご紹介します。

ジャパンタイムズ出版「英検準1級 単熟語EX」

最新の出題傾向に対応した単語帳で、最もおすすめしたいのがジャパンタイムズ出版の「英検準1級 単熟語EXです。

「英検準1級 単熟語EX」は、長文問題に出てくる単語や熟語だけでなく、英検準1級の大問1に出てくるレベルの英単語&英熟語にも対応しているのが大きな魅力。

単調になりやすいのが単語帳の勉強ですが、「英検準1級 単熟語EX」では記憶を促(うなが)しやすい「語源」についての記載がありますし、類義語、反対語、派生語も書いてあるので、英単語や英熟語を「表現力」として、「広がりを持って」覚えることができますよ。

桐原書店「基礎英文解釈の技術100」

基礎英文解釈の技術100」は大学受験対策でも定評のある一冊で、英検準1級レベルの英文構造をしっかりと理解するための技術を身につけられます。

英検準1級の長文は、一文が長くなることはありますが、最難関大学の二次試験のような「意地悪で複雑な英語構文」はあまり出てきません。

特にこの本の強みは、英文を1文ずつ分解しながら読み解いていくスタイルにあります。

構文の理解だけでなく、長い文章を一回で処理する力を養うことができ、読解力を根本から底上げしたいお子さんにおすすめです。

旺文社「英検準1級 過去6回全問題集」

旺文社の「英検準1級 過去6回全問題集」は、直近の試験問題を6回分収録した本番形式の問題集です。

英検準1級の出題傾向や時間配分に慣れるには最適な一冊で、特に模擬試験形式で取り組む際のツールとして重宝します。

英検準1級の過去問題集や模擬試験は数多くありますが、旺文社の「英検準1級 過去6回全問題集」は以下の点が揃ってる点で大変優秀だと言えます。

  • 圧倒的な収録数。過去問6回分も出来る!
  • 学習者に優しい、丁寧な解説文付き!
  • リスニング音声もアプリで聞ける!

こうした3つの要素が揃っているので、「英検の過去問ならまず全問題集!」と胸を張っておすすめできる一冊です。

解説も丁寧なので、保護者も一緒に理解を深めて、受験するお子さんと伴走しやすいですよ。

まとめ

英検準1級のリーディング対策は、「読める力」だけでなく、将来にわたって役立つ多くの力を養ってくれます。

ここで紹介した内容を、簡単におさらいしておきましょう。

  • 英検準1級のリーディングパートは、大きく分けて大問1から大問3まである
  • 毎日の単語トレーニングは、自分に合ったスタイルで継続がカギ!
  • 長文の勉強は構文を意識し、知らない単語は文脈で推測 → 後からまとめて確認!
  • 興味ある分野の英文を使って「楽しく長文慣れ」するのがベスト!
  • おすすめの教材も目的別に活用して、単語力・英語構文・過去問対策をバランスよく!

英検準1級は決して簡単な試験ではありませんが、だからこそ「取り組む価値」が大きい級です。

保護者がともに歩んでくれることで、お子さんにとっては「ただの英語試験」ではなく、「親子で挑戦した大切な経験」として記憶に残ることでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたのお子さんが英検準1級に合格するキッカケとなれれば幸いです。