日本では今は自宅でもレストランでも気軽に楽しめるピザ。ピザは、皆さんがご存知の通りアメリカやイタリアで日常的に楽しまれている食事の一つです。ところで、アメリカとイタリアと日本ではピザの食べられ方はどう異なるのかご存知ですか?実は、アメリカ国内でもピザの特徴も異なり、ピザの世界は非常に奥深い物となっています。今回は、そんなアメリカのピザについて紹介してきます。
アメリカとイタリアのピザの違いは?いつアメリカにやってきた?
アメリカのピザとイタリアのピザは、どちらも同じルーツを持ちながら、文化やライフスタイルの違いによって大きく異なる進化を遂げました。それぞれの特徴を比べてみると、両国の食文化の違いがよく見えてきます。
イタリアのピザは、18世紀頃のナポリが発祥とされ、シンプルながら素材の味を最大限に活かすスタイルが特徴です。代表的なものとしては、トマト、モッツァレラチーズ、バジルのみで構成された「マルゲリータ」や、チーズを使わずトマトとニンニク、オレガノなどをのせた「マリナーラ」などが挙げられます。生地は基本的に薄く、外はカリッと、中はもちもちとした食感が特徴で、薪窯で短時間に焼き上げるのが伝統的な方法です。サイズは1人前が基本で、食べる際にはナイフとフォークを使うことも一般的です。
一方、アメリカのピザはイタリア移民によって持ち込まれたものが、独自のスタイルへと発展しました。初めてアメリカでピザが登場したのは1905年、ニューヨークの「Lombardi’s(ロンバルディーズ)」というピッツェリアが開業したのが始まりです。その後、第二次世界大戦中にイタリアに駐留したアメリカ兵たちが本場のピザに親しみ、帰国後にその人気が広がっていきました。1950年代以降、冷凍ピザやデリバリーチェーン(ピザハットやドミノ・ピザなど)の登場によって、ピザはアメリカ全土で広く親しまれる「国民食」となっていきます。
参考:Wikipedia
まったく異なるアメリカと日本のピザ

アメリカと日本では、ピザという料理の位置づけやスタイルに大きな違いがあります。どちらも「ピザ」という名前ではありますが、実際にはその見た目や味、食べられ方がかなり異なります。
まず、サイズとボリュームにおいて、アメリカのピザは非常に大きくボリュームがあるのが特徴です。1枚で直径30センチ以上のものが一般的で、チーズやトッピングもたっぷりと使われています。一方、日本のピザは比較的小さめで、、量よりも食べやすさや見た目の美しさが重視される傾向があります。
次に、生地のスタイルにも違いがあります。アメリカでは地域によって異なるスタイルが発展しており、たとえば「ニューヨークスタイル」は薄くて大きく、手で折って食べることが多いです。反対に「シカゴスタイル」は厚くてパイのような形状をしており、具材やチーズがたっぷり詰まっていて、ナイフとフォークでいただきます。日本のピザは、薄くてもちもちした生地や、パンのようにふわふわとした食感のものが多く、全体的に軽やかな印象です。日本では、「ピザトースト」といってピザの上にソースを塗り、ベーコンや玉ねぎ、ピーマンなどを乗せて食べる文化がありますが、これはアメリカではほとんど見かけません。
また、トッピングの内容にも大きな違いがあります。アメリカのピザは、ペパロニやソーセージ、マッシュルーム、オリーブなど、比較的シンプルで肉系のトッピングが中心です。それに対して日本のピザは、コーン、マヨネーズ、照り焼きチキン、明太子、シーフードなど、日本独自の食材を使ったアレンジが多く見られます。季節限定メニューや地域限定フレーバーなども頻繁に登場し、創造性に富んでいます。
さらに、チーズの使い方も異なります。アメリカではチーズを大量に使用し、チーズクラスト(耳の部分にもチーズが入っている)なども人気です。日本ではチーズの量は比較的控えめな場合が多く、その分ほかの味とのバランスを重視しています。
最後に、ピザを食べる場面や文化も異なります。アメリカではピザは日常的なファストフードとして定着しており、家族の食事、スポーツ観戦、ランチなど幅広い場面で気軽に食べられています。一方、日本ではピザは特別な日やパーティーで食べる“ごちそう”のような存在とされることが多く、宅配ピザの価格もアメリカに比べて高めです。
日本にしかない珍しいピザの種類
日本のピザは、海外のピザとは一味違った進化を遂げており、日本独自の食文化と融合したユニークなメニューが多数存在します。他国ではでは見かけない、日本ならではのピザをいくつかご紹介します。話のネタとして紹介すると、外国の方もびっくりするはずです。
まず、日本で非常に人気のある「マヨコーンピザ」は、コーンとたっぷりのマヨネーズをチーズとともにトッピングしたものです。子どもにも大人気のこのピザは、アメリカではほとんど見かけることのない組み合わせです。
次に「テリヤキチキンピザ」は、甘辛い照り焼きソースで味付けしたチキンにマヨネーズや海苔をトッピングした、まさに和風テイストのピザ。アメリカでも一部の日本食レストランでは提供されることがありますが、主流とはいえません。
また、「明太もちチーズピザ」も日本ならではの一品です。辛子明太子とモチモチのお餅、チーズ、そして海苔という組み合わせは、日本の食材に慣れ親しんだ人ならではの発想で、明太子を食べない文化のアメリカではまず見かけません。
さらに、「海鮮ピザ」も日本では珍しくありません。イカやエビ、タコなどの海産物をトッピングし、場合によってはカツオ節や昆布が添えられることもあります。こうした海の幸をふんだんに使うスタイルは、日本ならではの海鮮文化の反映です。しらすを乗せるピザも日本では人気ですが、海外の方にとっては「これは一体何なのだ」と言われるほど珍しいピザです。
中でも特にユニークなのが「納豆ピザ」です。納豆の独特な香りと粘り気に、チーズやネギを組み合わせた一品で、非常にニッチな存在ながら確実に一定のファンが存在します。これもまた、アメリカではまず味わうことのできない日本独自のピザと言えるでしょう。
このように、日本のピザは単なるファストフードというよりも、ご飯の代わりになるような「和風アレンジ」の一皿として親しまれています。マヨネーズや明太子、お餅といった食材がピザに使われるのは、日本独自の感性と食文化が融合した結果です。
アメリカのご当地ピザ!?

アメリカにも、アメリカ特有のピザ文化があります。なかでも特徴的なのは、特定の州で食べられるピザの種類です。
アメリカのピザは、日本でもよく知られる「ニューヨークスタイル」や「シカゴディープディッシュ」をはじめ、地域ごとに多様なスタイルが存在しています。特徴としては、サイズが大きくボリュームがあり、チーズやトッピングもたっぷり。ペパロニやソーセージなどの肉類を中心とした具材が多く、味も濃厚です。また、スライスで手軽に食べるスタイルが一般的で、ピザは家庭料理というよりは「ファストフード」として定着しています。
参考:ピザのちから
“pizza”を英語でオーダーしてみよう
海外でいざピザをオーダーしたい場合、どう英語で言えば良いでしょうか。以下、スライスだけ頼む場合と、ホールピザをオーダーしたい場合の英語でのオーダーの仕方を紹介します。
通常は、アメリカのピザ屋さんで販売しているピザは大きい1枚のピザで注文することが通常です。その中で、small, largeなどのサイズが選べることがあります。
訳)ペパロニピザをお願いします。
訳)かしこまりました。どのサイズにしますか?
ピザをそれほど多く食べたくなく、スライスでオーダーしたい場合は”a slice of “(~の一切れ)を使います。
訳)すみせん、このお店ではピザを一切れ頼めますか?
訳)はい!どんな種類にしますか?
アメリカのピザは定番が多い安定した味
アメリカには、日本に比べて様々な味の種類のピザはあありませんが、その分専門店が多く存在してるため、おいしいピザには困りません。アメリカに行った際は、本格的なピザをおなか一杯楽しんでみて下さい。また、日本のピザの事を知らない海外の方に日本のピザのバラエティの話をすれば盛り上がること間違いなし。ぜひ、英会話のトピックにしてみてください。
