日本でも、近年タコスをはじめとしたメキシカン料理が食べられるようになりました。ちなみに、「フィッシュタコス」はご存知ですか?日本で流通しているタコスは挽肉が入ったタコスですが、実はメキシコやアメリカでは「フィッシュタコス」という魚が入ったタコスも大人気です。フィッシュの旨味とさくさくに揚げられた衣の食感で、一度食べたら肉入りのタコスよりも気に入るかもしれません。今回は、そんなメキシコやアメリカで人気の「フィッシュタコス」について解説していきます。
「フィッシュタコス」ってそもそも何?

フィッシュタコスとは、魚を主な具材としたタコスのことで、メキシコやアメリカ西海岸を中心に人気のある料理です。主に白身魚(タラやマヒマヒなど)が使われ、揚げたりグリルしたりして調理されます。その魚をトルティーヤにのせ、キャベツの千切りやサルサ、アボカド、ライム、スパイシーなソースなどと一緒に包んで食べるのが一般的です。
フィッシュタコスは、魚の軽やかな味わいとフレッシュな野菜、酸味のあるソースが絶妙に組み合わさっており、さっぱりと食べられるのが特徴です。特に、海辺の地域や暑い季節にぴったりの料理で、家庭でも比較的簡単に作ることができます。もともとはメキシコのバハ・カリフォルニア地方が発祥とされており、そこからアメリカをはじめ世界中に広まりました。
フィッシュタコスは、「Baja(バハ)スタイル」として 1950~60年代のエンセナダ(Ensenada) で生まれたという説があります。「Mario “El Bachigualato”」という名の人物が、エンセナダの「Mercado Negro(黒市場)」で魚タコスを売り始めた初期のベンダーの一人であるとされています。
また、魚を油で揚げてタコスに入れるスタイルは、当時いた日本人漁師の影響でもあるとされています。
また、日本人漁師の影響で「天ぷら風(tempura‑like)」の調理法が取り入れられたという説もあります。
肉のタコスとフィッシュタコスの違い

フィッシュタコスと肉のタコスは、どちらも人気のあるメキシコ料理ですが、主な違いは使用される具材とそのテイストです。
フィッシュタコスは、白身魚(タラ、マヒマヒ、ティラピアなど)を使い、グリルやフライにして調理されるのが一般的です。味付けはさっぱりとしており、ライムやレモンの酸味、香草(シラントロ、いわゆるパクチー)などで爽やかに仕上げられることが多いです。トッピングにはキャベツの千切りやピコ・デ・ガヨ(フレッシュトマトのサルサ)、アボカドやマンゴーサルサなど、フレッシュで軽やかな素材がよく使われます。トルティーヤは、小ぶりのコーントルティーヤが選ばれることが多く、全体的に軽やかであつい日にさっぱりと食べたいときにぴったりな一品です。
一方、定番のお肉のタコスには牛肉(カルネアサダやグラウンドビーフ)、豚肉(アル・パストールやカルニータス)、鶏肉(グリルチキンやチキンティンガ)などが使われます。味付けはクミンやチリパウダー、ニンニクなどを使ったスパイシーで濃厚なものが多く、食べごたえがあります。トッピングとしては、チーズやサワークリーム、レタス、サルサ、オニオンなど、ボリューム感のあるものがよく合います。トルティーヤはコーンまたはフラワートルティーヤが使われます。
つまり、フィッシュタコスは軽やかでフレッシュで、肉のタコスは濃厚で食べごたえがあるという違いがあります。季節やその日の気分に合わせて選ぶのもおすすめで、例えば夏場にはさっぱりとしたフィッシュタコス、寒い時期にはしっかり味の肉のタコスを楽しむといった食べ分けも良いでしょう。
フィッシュタコスのレシピを作ってみよう!
ここでは、そんなフィッシュタコスのレシピを紹介していきます。家庭で作れば、ホームパーティで華やかさを添えることができます。材料もスーパーで揃えることができるので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
フィッシュタコスのレシピ(2〜3人分)
【材料】
《魚部分》
- 白身魚(タラ、ティラピア、マヒマヒなど)… 300〜400g
- 塩… 少々
- 黒こしょう… 少々
- クミンパウダー(あれば)… 小さじ1/2
- パプリカパウダー… 小さじ1/2
- オリーブオイル… 大さじ1
- ライムまたはレモン果汁… 小さじ1
《キャベツスロー(トッピング)》
- 紫キャベツ(または普通のキャベツ)… 1/4個(細切り)
- ライム果汁… 小さじ2
- 塩… 少々
- オリーブオイル… 小さじ1
《ソース》
- マヨネーズ… 大さじ2
- ヨーグルトまたはサワークリーム… 大さじ1
- チポトレソース or タバスコ… 数滴(お好みで)
- ライム果汁… 小さじ1
- にんにく(すりおろし)… 少々(任意)
《その他》
- コーントルティーヤ(または小さめのフラワートルティーヤ)… 6枚程度
- アボカド… 1個(スライス)
- パクチー(シラントロ)… 適量
- ライム(くし切り)… お好みで
【 作り方】
① 魚の準備と調理
- 魚に塩・黒こしょう・クミン・パプリカをふり、ライム果汁とオリーブオイルをかけて10分ほど置く。
- フライパンに少量の油を熱し、中火で魚を両面焼く(1枚ずつまたはほぐしながらでもOK)。焼けたら粗くほぐしておく。
② キャベツスローを作る
- 千切りしたキャベツに塩、ライム果汁、オリーブオイルを混ぜて軽くもみこむ。
- 10分ほど置いてなじませる。
③ ソースを作る
- ソースの材料をすべて混ぜて、味を調える。辛さは好みで調整。
④ トルティーヤを温める
- フライパンや電子レンジで軽く温めて柔らかくしておく。
⑤ 組み立てる
- トルティーヤにソースを塗る。
- キャベツスロー、魚、アボカド、パクチーをのせる。
- 最後にお好みでライムを絞って完成
参考:king arthur
“Taco Tuesday”って知ってる?
アメリカにいると、火曜日にレストランの看板に”Taco Tuesday”と掲示されているのをよく見かけます。アメリカでは割と広く知れ渡っているこの”Taco Tuesday”、皆さんはご存知でしょうか。
“Taco Tuesday(タコ・チューズデー)”は、アメリカでとても人気のある習慣で、火曜日にタコスを食べる日として親しまれています。
「Taco Tuesday(タコ・チューズデー)」とは、アメリカで 火曜日にタコスを食べる習慣 のことで、レストランが火曜日限定のタコス割引を出すなどして広まりました。レストランが火曜日にタコスを割引提供するというプロモーションは、1930年代あたりから見られていたという記録があります。“Taco Tuesday” というフレーズが確認できる最も古い例のひとつとして、1968年にある地元新聞の広告で使われた例があります。
参考:Wikipedia
“tacos”は複数形、単数だと”taco”

“tacos”は複数形で、単数で数える場合は”taco”と言います。日本語で「タコス」と言う場合は複数も単数も関係ありませんが、れは 英語の “tacos” がそのままカタカナ語として入ってきたためです。英語で言う場合は注意が必要です。
訳)お昼ごはんにタコスを一つ食べた。
訳)私たちは3つタコスとサルサを食べたわよ。
「フィッシュタコス」はヘルシーで爽やかなメキシカン料理
日本ではあまり目にしない「フィッシュタコス」。メキシコやアメリカでは、魚と野菜をたっぷりはさんだ「フィッシュタコス」をよく目にします。爽やかな口当たりで、昼に軽くランチをしておなかを満たしたいときにぴったりです。日本のスーパーでも材料を揃えれば作ることもできるので、ぜひ試してみて下さい。
