相手に賛同したり、了解したことを伝えたりするときに「オッケー」や「OKです」などと言いますよね。
コミュニケーションツールとしてお馴染みのLINEでも、「OK」のスタンプや絵文字がたくさんあふれています。
身近で便利な言葉「オッケー」や「OK」は、もともとは英語ですが、もはや同意や承諾を示す定番フレーズになっているといっても過言ではないでしょう。

そんなわたしたちの生活と会話に密着している”OK”ですが、本来の英語での使い方は単語の並びや状況によって意味やニュアンスが異なると知っていましたか?
今回は、日本語としても使い慣れている“OK”について、正しい意味と使い方を解説していきます。

“OK”の由来

日本だけでなく世界で広く使われている”OK”の由来には諸説あり、はっきりとした語源はわかっていません。
最もよく知られているのが、”All Correct”(すべて正しい)を略した言葉であるという説です。
しかし、”All Correct”を略したら”AC”になるのでは?と思いますよね。

略語の”OK”は、1839年のボストン新聞に掲載された”All Correct”のミススぺル”Oll Korrect”が発端だといわれています。
“Oll Korrect”を略した”OK”は、その後、1840年の大統領選挙で使われたことをきっかけに世界中へ広まっていきました。

ちなみに、”OK”の対義語としてお馴染みの「NG」は、”Not Good”を略した和製英語です。
NGワード、NGシーンなど略した「NG」は、英会話では全く通じないので気をつけましょう。

 

“OK”の意味

OKの意味

英語の”OK”と日本語の「OK」は、全く同じ意味を持つわけではありません。
“OK”は、日本語のような「いいよ」「わかった」という承諾の意味のほかに、断りや遠慮を示すネガティブな意味も持っています。
そのため、日本語と同じテンションで”OK”を使ってしまうと、思わぬ誤解が生じてしまうこともあるので注意が必要です。

英英辞典では以下のように定義されており、日本語のような同意、賛同だけでなく、「問題ない」「良くも悪くもない」といった意味があることを覚えておきましょう。

used to show that you agree with something or agree to do something
何かに同意するときに使用される

agreed or acceptable; all right
同意する、あるいは受け入れる、また問題ない状態を示す

not very bad but certainly not very good
悪くはないが、良いとも言えない状態を示す

参考:Cambridge Dictionary

“OK”はしばしば”Okay”とも書かれますが、発音通りのスペルになっているだけで意味に違いはありません。
“OK”も”Okay”も、使い方は同じなので安心してくださいね。

感情を込めていない「わかった」

“OK”の1つ目の意味は、感情を込めていない「わかった」です。
可もなく不可もなく、問題がないという意味を表しています。

日本語の「OK」や「オッケー」のような相手に100%同意するようなポジティブなイメージではなく、どちらかというとややネガティブな感情を伴って使われることが多いです。

【例文1】

Aさん
Could you take out the garbage?
訳)ゴミを出しておいてくれる?
Bさん
OK.
訳)わかった。

 

【例文2】

Aさん
Could you drop this mail into the post?
訳)この手紙を出しておいてくれない?
Bさん
OK.
訳)わかった。

 

日本語の「OK」の感じを伝えたいという場合には、”OK”の後に”sounds good”や”no problem”など、フレーズを付け足すと冷たい印象が和らぐのでおすすめです。

【例文3】

Aさん
I’ll pay you back tomorrow.
訳)お金は明日返すね。
Bさん
OK, no problem.
訳)うん、わかった。

 

【例文4】

Aさん
How about giving Jane the music box for her birthday present?
訳)ジェーンの誕生日プレゼント、オルゴールをあげるのはどう?
Bさん
OK, sounds good.
訳)うん、いいね。

 

丁寧に断るときの「結構です」

“OK”には、丁寧に断るときの「結構です」「大丈夫です」といった意味もあります。
相手から提案された物やサービスに対し、丁寧にやんわりと断るときに使われます。

“I’m OK.”や”It’s OK”と表現されることが多く、角を立てずに断るときによく使われるのでぜひ覚えておきましょう。
感謝を表しながらお断りする、”It’s OK, thanks.”や”Thank you, but I’m OK.”のように言うのが一般的です。

【例文1】

Aさん
Would you like to use this sample?
訳)こちらの試供品をぜひお試しください。
Bさん
Thank you, but I’m OK.
訳)ありがとうございます。でも、大丈夫です。

 

【例文2】

Aさん
We are going to have a BBQ next Sunday, you want to come?
訳)来週の日曜、みんなでバーベキューをするけど、一緒にどうかな?
Bさん
I’m OK, thanks.
訳)わたしは大丈夫。誘ってくれてありがとう。

 

【例文3】

Aさん
Would you like some, too?
訳)一緒に食べる?
Bさん
It’s OK, thanks.
訳)いや大丈夫、ありがとう。

 

謙遜や気遣いの「大丈夫です」

“OK”には、断るときの「大丈夫です」のほかに、相手への気遣いや謙遜の気持ちから言う「大丈夫です」といった意味もあるので要注意です。

自分の行動や健康、環境や状況などについて、相手から問いかけられたときの応答として、”I’m OK.”や”It’s OK”などと表現します。

【例文1】

Aさん
Do you mind if I squeeze lemon over this?
訳)これにレモンかけてもいい?
Bさん
I’m OK with that.
訳)大丈夫だよ。

 

【例文2】

Aさん
Are you feeling better now?
訳)調子は良くなった?
Bさん
Yes, I’m still tired, but okay.
訳)うん、まだ疲れてるけど大丈夫。

 

【例文3】

Aさん
You fell off your bike, are you OK?
訳)自転車で転んでたけど大丈夫?
Bさん
I’m OK, thanks.
訳)大丈夫、ありがとう。

 

何かに対して評価するときの”ok”は、日本語のような意味合いではなく、どちらかというと否定的な「まあまあ(悪くない)」「そこそこ(悪くない)」といったニュアンスになるので注意しましょう。

【例文4】

Aさん
How was the new movie?
訳)新作映画どうだった?
Bさん
It was okay. Not as good as I had hoped.
訳)まあまあかな。思ってたよりは良くなかったけど。

 

相手が謝ってきたときに、”Don’t worry.”のニュアンスで「気にしないで」「大丈夫だよ」を伝える表現としてもよく使われます。

【例文5】

Aさん
I’m sorry. I broke your favorite cup.
訳)ごめん、あなたのお気に入りのカップを割っちゃったの。
Bさん
It’s OK. Don’t worry about it.
訳)大丈夫だよ、気にしないで。

 

“OK”の言い換え表現

OKの言い換え表現

承諾や同意、断りや気遣いなどさまざまな意味を持つ”ok”は、日本語の「OK」とはだいぶニュアンスが違うことがわかりました。
簡単で便利な言葉だからこそ、使うシーンや相手には気を付けていきたいものです。

最後に、日本語の「OK」のようにポジティブな気持ちを伝えたいときに代用できる、”OK”の言い換え表現を5つ紹介します。

  • Sure.
  • Sounds good.
  • No problem.
  • Of course.
  • Absolutely.

“sure”は、”ok”と同様の意味で相槌として使われがちですが、それぞれの持つニュアンスには違いがあるので注意が必要です。

Sure. 「承知しました」「かしこまりました」のように感情が込もった丁寧な副詞
OK. 「わかった」「いいよ」のように単なる承諾の意味で使われる間投詞

フォーマルにも使える”sure”とカジュアルな印象の”ok”、相手や場面に応じて使い分けられるようにしましょう。

“Sounds good.”と”No problem.”は、”ok”と併用できるので好みで使い分けてみるのも良いですね。
“Of course.”と”Absolutely.”は、どちらも「もちろん(いいよ)」を表すとても好意的な言い方なので、誘いや提案に乗り気なときの返事としておすすめですよ。

【例文1】

Aさん
Could you carry one of these bags?
訳)この荷物、1つ運んでもらえる?
Bさん
Sure.
訳)もちろんいいよ。

 

【例文2】

Aさん
It’s hot so let’s go to the pool!
訳)暑いから、プール行こう!
Bさん
Sounds good!
訳)いいね!

 

【例文3】

Aさん
Can you lend me your car tomorrow?
訳)明日、車を貸してもらえる?
Bさん
No problem!
訳)いいよ!

 

【例文4】

Aさん
Can you come with me?
訳)一緒に来てくれない?
Bさん
Of course!
訳)まかせて!

 

【例文5】

Aさん
May I ask you something personal?
訳)個人的なことを聞いてもいいかな?
Bさん
Sure! Go ahead.
訳)どうぞどうぞ。

 

【例文6】

Aさん
Can we leave a bit early?
訳)ちょっと早めに出発しても大丈夫?
Bさん
Absolutely!
訳)もちろん!

 

まとめ

日本語として使い慣れている”ok”について、正しい意味と使い方を解説しました。
「OK」と聞くと、快く承諾してくれている、乗り気であるように感じてしまいますが、そのままのイメージで英語にしてしまうのは要注意です。

英語の”ok”には、どちらかというとネガティブ寄りな「まあ、そんなに悪くもない」といったニュアンスがあります。
そのため、相槌で”ok”をばかり使っていると、状況によってはさらに心配されたり、理由を尋ねられたりするかもしれません。

日本語の「OK」と英語の”ok”には違いがあるということを忘れず、付け足しフレーズや言い換え表現を活用して、上手にコミュニケーションをとっていきましょう。

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