TOEICは独学で高得点を取るのは無理?そんなことはありません。ただ、独学で高得点を取るには、正しい学習計画と効果的な勉強法が欠かせません。限られた時間の中で成果を出すには、教材選びや学習の優先順位を見極めることが重要です。このページでは、独学でも確実にTOEICスコアを伸ばすためのコツと勉強法を紹介します。
TOEIC初心者(〜500点)向け:最短で伸びる独学勉強法

まず、TOEIC初心者が最短で得点をアップさせる独学勉強法を解説します。
1.単語
単語を1冊だけ集中して覚えることから始めます。1日30~50語を目安に、音声を聞きながら目で確認し、分からない単語に印をつけて周回することで効率よく覚えられます。TOEICは単語力がすべてのパートの得点に影響するため、初心者は語彙を増やすことが得点アップの最短ルートとなります。
2.文法
文法は中学英語の総復習が重要です。TOEICの文法は基本的にそれほどむずかしくありません。中学レベルの英文法を固めたうえで、TOEIC頻出の文法問題を扱う参考書に取り組むと効果的です。名詞・動詞・形容詞・副詞といった品詞の理解を優先し、間違えた問題はなぜ不正解かを説明できるようにしておくと実力がつきます。1日10〜20問ほど継続すれば、Part 5の短文穴埋め問題だけでなくPart 7の長文読解にも大きく役立ちます。
3.リスニング
リスニングは初心者がもっとも伸びやすいパートです。勉強法はシンプルで、公式問題集のスクリプトを音読することと、音声のあとを少し遅れて真似するシャドーイングを毎日少しずつ行うことです。この2つだけで聞き取りのスキルが劇的に上がります。最初からむずかしいPart 3の会話問題、Part4の説明文問題に無理してトライする必要はなく、Part 1の写真描写問題、Part2の応答問題で耳慣らしをするのが近道です。
4.長文読解(Part 7)の戦略を知る
Part 7の長文読解問題は初心者にとって時間が足りなくなる最大の理由となります。すべての文を完璧に読もうとしないことが大切です。設問を先に読んでから本文に入り、名前・日付・数字などのキーワード中心に読み進めます。教材は公式問題集のPart 7だけで十分です。慣れてくると自然に読むスピードが上がります。
5.公式問題集でトレーニング
最後に、まとめとして公式問題集を使ったトレーニングをします。いきなり本番のように2時間通して解かなくても、各パートを30〜40分ずつ分割して解けばOKです。間違えた理由をメモして改善していくことで、実力が確実につきます。本番形式に慣れるとスコアが大きく伸びるので、仕上げとして必ず取り組んでください。
TOEIC L&Rの初心者向けの問題を集めた「TOEIC® L&Rトレーニング」もおすすめ。ぜひ活用してみてください。
TOEIC900点以上を目指す独学勉強法

次に、900点以上を目指す上級者向けの独学勉強法を見ていきましょう。
1.単語・熟語:差がつく部分を強化
目標は、日常語+ビジネス語+TOEIC頻出上級語を完璧にすることです。勉強法としては、覚えた単語は瞬時に意味を言えるレベルまで反復し、熟語やコロケーション(自然に一緒に使われる単語の組み合わせのこと。”take part in“, “come up with” など)も必ず押さえるようにします。単語力はPart 5の短文穴埋め問題、Part6の長文穴埋め問題、part7長文読解問題の正答率に直結するため、900点以上では語彙不足によるミスをしないことが鍵です。
2.文法・構文:極限まで精度を上げる
目標は文法ミスをゼロにすることです。勉強法としては、Part 5の短文穴埋め問題を瞬時に正答できるレベルにし、長文読解で構文解析せずに理解できる状態を目指しましょう。不明確な品詞・時制・関係詞などはすべて完璧にしておきます。900点以上を獲得するには文法ミスがほぼないことが前提となります。
3.リスニング:聞き取りスピード+正確さ
目標は英語を聞いて瞬時に理解することです。教材例としてTOEIC公式問題集(Part 3の会話問題、Part4の説明文問題)や英語ニュース、BBC, VOA(Voice of America、アメリカ合衆国政府が運営する 国際向けの英語放送・メディア)のポッドキャストなどを活用しましょう。勉強法はシャドーイングで音・リズム・イントネーションを完全コピーし、ディクテーションで聞き漏らしを減らし、文構造の理解を徹底します。Part 3、Part4は設問を先に読んでから聞くことで正答率が上がります。900点以上を目指す場合、聞き取れない音があると致命的になるため、反復練習で音を脳に定着させることが重要です。
4.長文読解(Part 7):スピード+精度
目標は正答率95%以上です。勉強法としてはシングル・ダブル・トリプルパッセージを時間制で解き、設問を先読みしてキーワードだけ拾って瞬時に解答するトレーニングをします。知らない単語や表現も文脈で判断できる能力を養っていきます。教材は公式問題集やTOEIC上級問題集などです。900点以上を取るには、時間内に全問正答できるスピードが不可欠となります。
5.模試で仕上げ:本番慣れと弱点補強
公式問題集を3〜5回繰り返し、間違えた問題は必ず分析して文法・語彙・リスニング・読解のどこが原因か明確化します。時間配分も徹底し、Part 1・2は10分、Part 3・4は35分、Part 5・6は25分、Part 7は50分で解くようにします。900点以上を取るには時間配分を考えて戦略的に解く力が必須です。焦らず、正確に解いていきましょう。
6.高得点キーポイントまとめ
単語・熟語を瞬時に出せるレベルにし、文法ミスゼロを徹底します。シャドーイングやディクテーションでリスニング精度を上げ、Part 7の長文読解問題では設問の先読みとキーワード読みを習慣化しましょう。模試でスピード・精度・戦略を身につけることも重要です。補足として、900点以上は知識量だけでなく瞬時に理解して正確に答える力が必要で、反復量と精度の両立が鍵となります。
社会人は「ながら勉強」を徹底して

社会人になると、学生の頃のように勉強時間を取るのがむずかしくなりますが、工夫すればTOEIC対策をすることはできます。特にリスニングは毎日続けることが重要なので、ながら勉強で時間を確保しましょう。通勤時間に電車やバスの中でリスニングしたり、料理をしたり掃除をしたり、お風呂に入ったりしている時間もリスニング練習に充てることができます。また、リスニングのついでに単語や熟語も覚えていきましょう。テキストを読んで単語を覚えるよりも、発音を聞きながら覚えるほうがリスニング、リーディング両方の対策になるのでおすすめです。リーディングパートの対策は時間がかかりますが、1日20~30分でよいので、毎日続けてみてください。
まとめ
いかがでしたか?初心者は、勉強を始めるとぐんぐん力がつくのを実感できるでしょう。上級者は細かいミスによる点の取りこぼしを減らし、時間配分を考えて戦略的に点を積み重ねるトレーニングが重要です。どちらも、ゲームのように楽しめたら勝ちです。TOEICで目標の点数を取るために、毎日少しずつ積み重ねていきましょう。
