「英検対策をするなら、過去問の問題集を買わないと!」と思ったことはありませんか?

たしかに、過去問を解くことは試験に慣れる一番の近道のように感じます。でも、過去問ばかりに頼ってしまうと、思うように点が伸びないとか、本番では問題が解けなかったということが起こりがち。

わが家には現在中学生の息子がいます。彼が英検対策を始めたころは「過去問をやっておけば大丈夫でしょ。」と考えていたのですが、実際には、それだけではなかなかうまくいきませんでした。

英検対策で大切なのは、過去問をたくさん解くことではなく、今の力に合わせて上手に使うことです。

今回は、英検対策でありがちな「過去問だけ」で失敗しやすいパターンと、その回避策をご紹介します。

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 英検対策で過去問は重要だが、解くだけでは実力は伸びにくく、基礎力との併用が不可欠である点に注意が必要。
  • 「解きっぱなし」「語彙・文法不足」「リスニング復習不足」などが、点数が伸び悩む主な原因になりやすい。
  • 過去問は仕上げとして活用し、復習・分析を通じて弱点を補強することが合格への近道となる。

過去問は大事。でも「それだけ」では足りないことも

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英検の過去問は、本番に近い形で練習できる便利な教材です。過去問を解くことでこんなことが確認できます。

  • どんな問題が出るのか
  • どのくらいの長さの英文を読むのか
  • リスニングでどのような問題が出るのか
  • 時間内に最後まで解けそうか

本番のイメージをつかむにはとても役立つ過去問ですが、あくまで「今の実力を試すもの」です。「実力を伸ばすもの」ではないので、単語や文法があやふやなまま取り組むと、量はこなしたのに実力はあまりついていない、ということも起こりがちです。

これは、問題の量が足りないのではなく、土台となる力がまだ十分でないからです。過去問は、基礎と組み合わせながら使っていくことが大切です。

ありがちな失敗1:解くだけで終わってしまう

過去問でよくあるのが、「解く→丸つけする→終わり」になってしまうことです。これだと、間違えた理由がわからないまま終わってしまい、次に似た問題が出てもまた同じところでつまずきやすくなります。

英検は記述式ではなく選択式の問題が中心なので、ときにはまぐれで正解することもあります。正解したけど、実は内容をきちんと理解できていなかった、ということも少なくありません。

わが家の息子も、しっかり理解できていないのに、なぜか正解するタイプ。おそらく、雰囲気で読むのが得意だったのだと思います。英検の問題はそこそこできるけど、記述式のテストは散々な結果ということもあったので、正解してるから大丈夫とは言い切れない、と感じました。

たとえば、知らない単語があったのか、文の意味が取れなかったのか、問題の聞かれ方がわかりにくかったのかによって、見直し方は変わってきます。そこを整理しないままでは、ただ問題をこなしただけになってしまうでしょう。

全部を細かく見直す必要はありませんが、正解した問題も含めて「本当に意味がわかっていたか」を少し確認しておくと、復習の質は変わってきます。解きっぱなしにせず、次につながる見直しをしていきたいですね。

ありがちな失敗2:単語があやふや

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英検では、語彙力が欠かせません。とくに5級・4級では、選択肢や会話文など文章の意味がある程度わからないと、問題そのものがわからなくなります。

単語がまだ十分に入っていない段階で過去問に進み、「なんとなく選ぶ」「雰囲気で解く」状態になるのもよくあること。これでは、安定して点を取ることができません。

わが家では、過去問や問題集に出てきたわからない単語やフレーズをメモするようにしていました。正解か不正解かにかかわらず、「意味があいまいだった」「見たことはあるけれど自信がなかった」という言葉も書き出しておくと、あとから見返したときに、自分がつまずきやすい言葉がまとまった「自分専用の単語帳」のようになっていきます。

英検対策には、まず級に合った単語や基本表現に慣れることが大切です。一気に覚えようとするよりも、毎日少しずつ見たり聞いたりしながら、「見て意味がわかる」「聞いて思い出せる」単語を増やしていくほうが定着しやすくなります。

ありがちな失敗3:文法があいまい

過去問をたくさん解いているのに点が安定しないときは、文法の基礎があやふやなのかもしれません。選択問題ではなんとなく選べても、少し形が変わると迷いやすいのは、文の仕組みがしっかり理解できていないサインの可能性があります。

たとえば5級では、こんな文法事項が出てきます。

  • be動詞と一般動詞
  • 三人称単数現在
  • 疑問文と否定文
  • can や現在進行形
  • 代名詞・前置詞の基本

5級といえども意外と多いと感じた方もいるのではないでしょうか。英検は暗記だけで乗り切れる部分もありますが、文法の土台があやふやなままだと、問題数だけを増やしても、できたりできなかったりをくり返すでしょう。

こういうときは、過去問の中で出てきた苦手な文法を、テキストや例文に戻って確認するのがおすすめ。「この問題はなぜこの答えになるのか」を少しずつ理解していくことで、単なる丸暗記ではなく、使える知識として身につきやすくなります。

ありがちな失敗4:リスニングを「解くだけ」で終わらせてしまう

リスニング

英検対策では、リスニングも大切です。ただ、音声を一回聞いて答え合わせをして終わり、というやり方では、リスニング力はなかなかついていきません。

聞こえなかったときに、そのままにしてしまうと、「リスニングは苦手」という気持ちだけが残ってしまいがち。実際には、知らない単語があったのか、音のつながりで聞き取りにくかったのか、文の意味が取れなかったのかで、つまずき方は違います。

答え合わせのあとにもう一度音声を聞いたり、スクリプトを見ながら確認したりするだけでも、学び方は変わってきます。なかでもおすすめなのが音読です。短い文をまねしながら声に出して読むことで、音のつながりやリズムにも少しずつ慣れていき、聞き取れる音も増えていきます。

わが家では、小学校の国語の音読のような感じで、スクリプトを一緒に一文ずつ読み合ったり、役割を分担して読んだりしていました。ときどき日本語の意味も確認しながら進めると、ただ音を読むだけで終わらず、内容も意識しやすくなります。そうすると、一人で全部読むより負担が軽くなりますし、「一人だとなかなかやらない」というときでも取り組みやすかったです。

ありがちな失敗5:今の力に合わない級の過去問を使ってしまう

英検4級リスニング Part別対策

英検対策では、「せっかく受けるなら少し上の級を」と考えたくなります。同級生が受ける級や、早く取りたい級に目が向くこともあるでしょう。

けれど、今の実力より難しい級の過去問に早くから取り組むと、わからない問題ばかりが増えてしまい、「やっぱり無理かも」「英語って難しい」という気持ちになってしまうことも。これは、英語に自信がない子は、とくに避けたい失敗です。

過去問に入る前に、その級の単語や基本文がどのくらいわかるかを見ておくと、無理のない級が判断しやすくなります。「少し難しいけれど取り組めそう」と感じられるレベルを選ぶことで、挑戦しやすさも変わってきます。

無理のない級から始めることは、遠回りに見えて、実は続けやすい近道でもあります。焦って上を目指すより、今の力に合ったところから進めていきましょう。

まとめ

英検対策では、過去問は欠かせない教材です。ただし、大切なのは「たくさん解くこと」ではなく、今の力に合わせて上手に使うこと。単語や文法があやふやなまま進めたり、復習をしないまま解きっぱなしにしたりすると、思うように力がつかないこともあります。

だからこそ、まずは単語や文法、リスニングなどの基礎を少しずつ整えたうえで、過去問を使って形式に慣れていくのがおすすめです。過去問は「最初にやるもの」というより、「仕上げに使うもの」と考えると、英検対策はぐっと進めやすくなりますよ。

 

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tsuru 英語教材開発者・英語教育ライター / English Curriculum Developer & Writer
英会話スクールで20年以上にわたり教材開発と指導に従事。TOEIC880点を保持し、子ども向け英語教育やカリキュラム設計の経験を活かして、学習者目線の英語学習情報を発信している。