「英語でショートスピーチをやることになったけど、人前で英語で話すなんて自信がない…」
「日常英会話くらいならできるけど、スピーチなんてやったことない…」
そんな悩みをお持ちではないでしょうか?
確かに、人前でスピーチを行うこと自体、得意じゃない人も少なくありません。
それに加えて、英語で…となれば尻込みするのも当然です。
しかし、ご安心ください。
英語でのスピーチも、要点さえ抑えていれば、あなたの主張を聞き手に訴え、あなたが話し終わる頃には拍手を受けるような素晴らしいスピーチにするのは、決して難しいことではありません。
この記事では、英語のスピーチで押さえておきたいポイントを例文つきで紹介します。
英語のスピーチで大切なことは、なにより〇〇をすること
英語のスピーチと聞いて、まずは「英語を間違えないようにしなきゃ!」と思うのは普通のことです。
しかし、実は英語でスピーチをするからといって、英語力がスピーチ成功のカギを握るわけではありません。
英語のスピーチを成功させるためのカギは、まず「準備をすること」です。
スピーチとは「説得」の一部です。
これから話す相手は自分に何を求めて来るのか、相手は自分のスピーチを聞いて何に納得して帰りたいのか、スピーチが終わった時にどんな変化を持って帰って欲しいのかを明確にすることが成功のカギです。
良いスピーチには共通した「型」があります。
その型に則って進めれば、多少英語が拙かったり間違ったりしていても、大きな問題にはならないでしょう。
これからお伝えする「型」と、スピーチで使えるフレーズを、あなたがスピーチで伝えたいことに当てはめて、しっかりと準備していきましょう。
Aさん
Do you know what the most important thing about giving a speech in English is?
訳)英語のスピーチをする上で一番大事なことってなんだか知ってる?
Bさん
I guess I should speak in plain English without making grammatical mistakes.
訳)英語の文法ミスをせずに、平易な英語で話すことかな。
Aさん
Speaking in plain English is important, but being well-prepared is the key.
訳)平易な英語で話すことはもちろん重要だけど、よく準備をすることがカギだよ。
Bさん
It is important to think carefully about what you want to convey and prepare yourself to convey that message well.
訳)何を伝えたいのかよく考えて、そのメッセージがよく伝わるように準備することが大事だね。
スピーチの構成
優れたスピーチには、共通した型があります。
相手を引き込むように仕組んだ、「構成」があるということです。
優れたスピーチの構成は、以下の3部構成になっている場合が多いです。
- 導入 Introduction
- 本題 Main parts
- まとめ Conclusion
順番に見ていきましょう。
1.導入 Introduction
まず英語スピーチの導入についてお伝えします。
導入部のポイント
スピーチの導入部分では、まず聞き手に対してあいさつをします。
一見何の変哲もないことのようですが、話し手であるあなたがあいさつをすることで、聞き手は「これから話し手のスピーチが始まるんだな」と意識します。
例:Thank you for coming today to …
訳)本日は…のためにお集まりくださいましてありがとうございます。
例:I am happy to …
訳)…出来ることを嬉しく思います。
また、挨拶と一緒に自己紹介をするのも大切です。
聞き手のほとんどがあなたについて知っていたとしても、自己紹介はした方が効果的です。
なぜなら、「これからあなたが、どんな立場からスピーチの本題について話すのか」が明確になるからです。
Let me introduce myself.
訳)自己紹介をさせてください。
I have seen the field of pharmacy from the viewpoint of sales.
訳)私はこれまで、営業という視点から、薬学の分野を見てきました。
Allow me to introduce myself.
訳)自己紹介させてください。
I have seen the field of pharmacy from the perspective of sales.
訳)私はこれまで、営業という視点から、薬学の分野を見てきました。
2.本題 Main parts
導入の部分で聞き手の注意が話し手であるあなたに向いたら、いよいよ本題です。
スピーチで本題を話すときのポイントは、以下の3点です。
- 常に結論を先回して示す。
- 可能な限りシンプルに表現する
- 接続詞で文章の前後関係を明らかにする。
1.常に結論を先回りして示す。Bring the conclusion first.
聞き手は、あらかじめ「これから話されることが何か」がわかっていると、ストレスなく話し手の言い分を理解しやすくなります。
この性質を使って、常に「今からコレを言いますよ。」と予告することで、聞き手に親切で、話し手の言いたいことが理解しやすいスピーチを創り上げることが可能になるわけです。
Today I will be discussing…
訳)本日お話するのは…
上記のように、本題に入る際は「今日話す内容は全部これについてですよ。」と明言しておくと良いでしょう。
また…
First of all, we have to clarify…
訳)まず初めに、わたしたちは…について明確にしなくてはなりません。
このように、問題提起の形をとって予告するのも格好良いですよ。
2.可能な限りシンプルに表現する。Speak as simply as possible.
スピーチでは、可能な限りシンプルな表現を使った方が良いです。
次の情報を共有するにあたって、好意の表示として発せられた反対の指針に人生経験が影響するという事実に基づき、大多数の人が反対意見を問題なく発するだろうということを理解して頂けるだろうか?
この文章を読んで、この話し手のスピーチをこれ以上聞きたいと思った人はいるでしょうか?
いるはずがありません。
なぜなら、長くて難しく複雑な表現は、聞き手の集中力を大きく削ぐからです。
「より格好いい英語を使わなければ!」と意気込む必要はこれっぽっちもありません。
よりシンプルに、より伝わりやすい英語を選択すべきです。
Aさん
Do you know what the key points are for giving a clear speech?
訳)分かりやすいスピーチを行うためのポイントって何だか知ってる?
Bさん
I think it’s important to keep each sentence of your speech as short and clear as possible.
訳)スピーチの一文一文をできるだけ短く明確にすることが重要だと思うよ。
3.接続詞で文章の前後関係を明らかにする。Use conjunctions effectively to clarify the context of a sentence.
スピーチは「説得」のひとつです。
聞き手の心情に訴え、説得するためには…
- 大きな主張をする
- 主張の根拠を述べる
- 相反する事実を対比する
- 例を挙げる
など、事実と事実を紐づけてスピーチを作り上げていきます。
この「文章と文章の関係性」が要になって、論理的な主張としてまとまります。
文章と文章を繋ぐ役割を果たすのが「関係詞」になるので、関係詞を使った「文と文の関係」をわかりやすく明言することが、論理的で説得力のある、わかりやすいスピーチにつながります。
【接続詞の例】
- Moreover, …
その上… - In the same way,…
~と同様に… - On the other hand, …
一方で… - On the contrary, …
それどころか… - Therefore, … / Thus, …
したがって… - Because…
なぜなら… - However,…
しかしながら
上述のような接続詞やフレーズを活用して、スピーチを効果的に、論理的にまとめることができます。
- 例:The risk of recession is not mitigated. On the contrary, it has increased.
景気の後退リスクは緩和されていません。それどころか、正反対に高まってきています。 - 例:Our new product is designed for versatile use. Therefore, it will surely help people.
当社の新製品は多機能設計です。したがって、確実に人々の役に立ちます。
”However” など、その接続詞を使うことによって、文の流れを大きく変えられる接続詞もあります。
また、”On the other hand” と ”On the contrary” の使い方を混同している人がいますが、”On the other hand”は、前に述べたことと対比の内容について述べたいときに使い、”On the contrary”は、前に述べたことに対して「それどころか、逆に」という内容を述べたいときに使います。
Aさん
I think conjunctions play an important role in giving speeches.
訳)スピーチをする上で、接続詞は重要な役割を果たすと思うわ。
Bさん
I think conjunctions can add information to key sentences or change the flow.
訳)接続詞はキーセンテンスに情報を付け加えることもできるし、流れを変えることもできるね。
3.まとめ Conclusion
本題で論理を展開したら、いよいよスピーチのまとめの部分です。
本題で展開した論理とその根拠を簡単にまとめて、スピーチを大まかにまとめます。
例:For these reasons, I believe that…
訳)これらの理由から、私は…だと確信しています。
For these reasons, の後に、今まで述べた理由を簡潔な語句で列挙して、聴衆にリマインドさせるというやり方もあります。
自分の主張を改めて伝え、自分が何を言いたかったのかを強調したら、最後には聞き手に感謝の言葉を述べましょう。
Thank you for your attention.
訳)ご清聴ありがとうございました。
ここまでお伝えしたことを組み込み、あなたの主張を堂々と発表出来たのならば、あなたが “Thank you for your attention.”を言う頃には、聞き手があなたの素晴らしいスピーチに対して大きな拍手を送っていることでしょう。
まとめ
この記事では、英語でのスピーチを成功させるための「型」や「フレーズ」、そして考え方を紹介しました。
もちろん、文法的に正しい英語を話すことも重要ですが、それ以上に重要なことは、「聴衆に何を伝えたいのか」、「どうやってそれを分かりやすく伝えるか」をよく考えて、しっかり準備しましょう。
英語のスピーチには、構成の「型」があり、その「型」をあてはめて準備していきます。
昨今では、中学高校で英語でスピーチやプレゼンを求められる機会も増えており、英検の上級の二次試験でも、スピーチをすることが求められています。
ここまでお読みのあなたなら、あなたが話し終わった時に大きな拍手を貰えるようなスピーチを作り上げるだけの知識を備えているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かに出来たら幸いです。