英会話講師をしていると、よく「日本語の○○は英語で何といいますか?」といった質問を受けます。多くの場合は、一緒に適切な時制や単語を考えながら文を作っていきます。しかし、日本語表現の中には、直訳するのが難しい表現も多くあります。

皆さんも、日本語でよく口にする表現を英語にしようとして、いい英語が思い浮かばず困ってしまったことはありませんか。そこで今回は、私たちがよく口にする日本語表現の中で、英語にするのが難しい表現についてご紹介します

英語にするのが難しい日本語表現を英訳すには?

英語にするのが難しい日本語表現の共通点

「お疲れ様です」「よろしくお願いします」などは、英語にするのが難しい日本語表現の代表です。こういった日本語表現の共通点は抽象的であることだと思います。例えば、「お疲れ様です」が使われる場面について考えてみると、仕事終わりの軽い挨拶としてや、相手の労苦に対して労いの言葉として等様々です。

こういった抽象的な日本語表現を、そのまま英語にしようとすると、上手くあてはまる英語表現がなく考え込んでしまいます。では、こういった表現を英語にするにはどうすれば良いのでしょうか。

抽象的な日本語表現は具体的にしてから英訳する

英語では、より具体的な表現が好まれます。そのため、直訳するのが難しいと感じた日本語表現に関しては、伝えたいことをより具体的に表現すると英訳しやすい場合が多いです。例えば、仕事終わりの軽い挨拶としての「お疲れ様です」を具体的に表現しようとすると、「また明日」「良い週末をお過ごしください」などが挙げられます。この様に一旦日本語自体をより具体的な表現にしてから、英訳するとスムーズにいくでしょう。また、ロジカルスピーキングの記事でもお話ししましたが、英語ではより具体的に話す習慣をつけると良いと思います。

英語にするのが難しい日本語表現5選

それでは、実際に英語にするのが難しい日本語表現5つを、どのように具体的にして英訳するのか見ていきましょう。

「お疲れ様です」

上で触れた通り、主に「挨拶」「労いの言葉」として使われることが多いと思います。より表現を具体的にすることで、次のような英語で表すことができます。

  • 仕事終わりの挨拶としてSee you tomorrow (また明日), have a good night (良い夜を) , have a good weekend (良い週末を)
  • 労いの言葉としてyou must be tired (お疲れでしょうね), thanks for your hard work (一生懸命働いてくれて、ありがとう)

「よろしくお願いします」

一般的な挨拶の一部(具体的な意味を持たない)として使う場合は、その場に適した英語の挨拶をすれば「よろしくお願いします」の意は含まれる為、敢えて何か付け加える必要はないと思います。

しかし、次のような場合はどうでしょうか。オンライン英会話の冒頭に「英語には慣れていないので、よろしくお願いします」と言いたい場合、これをより具体的にして英訳する必要があります。

  • よろしくお願いします→初心者向けのレッスンをしてくださいI just started learning English, so please give me a lesson for beginners.
  • よろしくお願いします→ゆっくり話してください I am a beginner, so could you speak slowly?

上記の様に何かをお願いする際の「よろしくお願いします」は、何をどうしてほしいのかをより具体的にした上で、「please~」「could you~」を用いて表現すると良いでしょう。

「頑張って」

頑張って

英語にする際は、この言葉に込める想いや伝えたいニュアンスによって表現が違ってきます。どういったニュアンスで「頑張ってください」を言うのかを考えた上で、ぴったりの英語表現を見つけてください。

  • Good luck! (幸運を祈っています/良い結果になりますように)
  • Take it easy, you’ll be all right! (気軽にね、あなたなら大丈夫)
  • You can do it! (あなたならできる)
  • Do your best / Go for it! (全力を尽くして)

「しょうがない/仕方がない」

こちらもよく日本語で使う表現ですが、英語にする場合は使うシチュエーションによって表現が変わってきます。

  • It can’t be helped (それは避けられない)
  • I have no choice(選択肢が他にない)
  • That’s how it goes (共感:そういうものですよね)

「恥ずかしい」

こちらも直訳する前にどういった意味で使うのかを、考える必要のある表現です。照れの恥ずかしさ、何かの失敗などに対する決まりの悪さ、または、悪い行いに対する恥ずかしさなど、主に3通りの表現があります。

  • Don’t be shy (恥ずかしがらないで/遠慮しないで)
  • I’m so embarrassed that my T-shirt was inside out. (T-shirtが裏表でとても恥ずかしかった)
  • I’m ashamed of my bad behavior. (私の悪い行いに対して恥ずかしく思います)

まとめ

いかがでしたでしょうか、英語にするのが難しい日本語表現についてご紹介しました。言いたいことを英語でパッと思い浮かべることができれば一番ですが、やはり「日本語の○○は英語でどのように表現するのか」と訳を考えることも多いと思います。直訳をするのが難しいと感じた場合、その日本語表現は抽象的過ぎる可能性があります。今回ご紹介した5つの例を参考に、より具体的に伝えたいことを考えてから英訳するようにしてみてください。