誰かに感謝の気持ちを伝えるとき、日本人ならプレイベートでもビジネスシーンでも「お陰様で○○できました」と言うことがあります。
この「お陰で(おかげで)」は、ある人から助けを受けた場合や、大勢の対象に対して「お陰様で創立30周年を迎えました」のように使います。また、何かをしてもらったわけではないけど「お陰で体調回復したよ」などと使うこともあり、普段よく使う言葉です。
このように日本独特の表現とも言える「お陰で」「お陰さまで」ですが、英語では当たる表現はあるのでしょうか?
この記事ではネイティブが感謝を伝えるときに使う「お陰で」に当たる英語表現の数々を紹介します。嫌味に使う場合や、似た表現まで幅広く解説しましょう。
“Thanks.”はカジュアルな感謝
感謝やお礼を伝える言葉はコミュニケーションの基本中の基本ですね。
日常会話、正式なレター、メールにメッセージ、そしてSNSまでありとあらゆる場面で使うマストな表現であり、言わないでもわかってもらえるだろう、そんなの当たり前と疎かにすべきではありません。
また感謝される側になれば「やってよかった」とポジティブな気持ちになること間違い無しです。
このように、双方にとって使うとメリットのあるものが感謝の言葉です。
まずはカジュアルな感謝を伝える「Thanks」から始めましょう。
Thanksは家族、友人や恋人または仲の良い同僚など親しい間柄で使われる表現で、丁寧バージョンはThank youになります。「(人に)感謝する」「(人に)お礼を述べる」という意味の動詞Thankが使われています。
カジュアルな感謝とは、お礼を言う相手と親しい関係にあるのと同時に、感謝する事柄もちょっとしたことが対象になります。ちょっとしたことでもThanks!と言えるようになることが大切とも言えます。
Shall I make coffee?
訳)コーヒー、淹れようか?
Thanks!
訳)ありがと!
この会話では、これからしてもらうことに対してYes, please.(うん、お願い)という意味が隠れていますし、Thanks! Yes, please.とすることもできます。聞いてくれた人のお陰で自分で淹れなくてもコーヒーを飲めるんですね。
I just forwarded the email to you.
訳)メールを転送したよ。
Thanks!
訳)ありがとう!
こちらの会話はしてもらったことに関して、カジュアルにお礼を言っています。相手が親しい人であるとともに、メールの転送というちょっとした作業に対して感謝を伝えています。転送してくれた人のお陰で次の仕事に取り掛かれるということってよくありますね。
ちなみに、してもらったことによっては親しい間柄でもThank youが使われるケースがあります。
Thanks!の横展開をしてみよう
カジュアルに感謝を伝える際の他の表現も紹介しましょう。
Thanks a lot!/Many thanks!
ただ「ありがとう」と言う以上に、「本当ありがと!助かる/助かった。」というニュアンスで感謝を表したいときに使えます。
Ta!
「タ〜!」というごく短かな言葉ですが、Thanksと同じ意味であり、イギリス人ネイティブ間では日常的に使われています。
他人の助けや何かに感謝したいときに使える
私たちは日々生活をするなかで誰かに助けてもらうと、1人ではできなくてもヘルプによっては結果が違ってくるということを経験します。すると、他人にどんなことをしてあげればよいのかという素晴らしい思考になっていくこともあります。
Help
まさしく「助ける・手伝う・救う」という意味をもつhelpの登場です。your helpとすることで「あなたのお陰で」のニュアンスになります。
・With all of your help I have got it done.(皆さんのお陰でやり遂げました。)
・I couldn’t of done it without your help.(あなたの協力がなければできなかったことです。)
With all of your helpまたはWithout your helpを文頭に持ってくれば、「あなたの(協力・サポート)のお陰で○○だ」となります。
Because
Becauseは「なぜなら・〜の理由で」という意味ですね。○○という理由があったお陰だという捉え方ができます。
Because of ○○.またはBecause + 主語 + 述語の形で使うパターンがあります。
Because of her idea, the presentation went well.
訳)彼女のアイデアのお陰でプレゼンがうまくいきました。
Because you encourage me a lot, I like studying English more than before.
訳)先生がたくさん勇気づけてくれるので、前より英語を勉強するのが好きになりました。
Owe
Oweはもともと「(人に)借りがある」という意味ですが、それが「あなたにしてもらったという借りがある」→「あなたがしてくれた」→「あなたのお陰で」というニュアンスで使われます。
・I owe him.(彼のお陰だ。)
嫌味にも使える
「お陰で英語のレッスンに行くの遅れちゃったよ」
レッスン前に何かを頼まれたのか、それとも話しを打ち切ってくれなかったのか、相手のせいで予定のレッスンに出かけるのが遅くなってしまったようです。
こんなとき「君のせいで英語のレッスンに行くの遅れちゃったよ」と言うところ、皮肉で「お陰で」を使い嫌味を伝えています。
嫌味の「お陰で」は、前出と同様、becauseで表現できます。
I was late to the English lesson, because of you.
もしくは、「〜のせい」の意味からfaultを使うこともできます。
It’s your fault that I was late to the English lesson.
似たような表現2選
英語力をあげるためにも「お陰で」と似たように使える表現をさらに2つ紹介しましょう。
Appreciate
Appreciateは「感謝する」の意味で、Thankのフォーマルバージョンです。このことから「〜のお陰です。感謝します。」となり、ビジネスシーンでも活用できるのでぜひ覚えましょう。
It’s our 80th anniversary and we really appreciate all the years.
訳)80周年を迎えました。これまでの年月に心から感謝しています。
That was helpful. Much appreciated.
訳)助かりました。とても感謝申しあげます。
Grateful
形容詞Thankful(感謝している・ありがたく思う)も「お陰で」と感謝を表すフレーズに使えます。
なお、gratefulをthankfulはに置き換えると、天候や健康などといった自然に起こったことへの感謝というニュアンスに変わります。
I’m very grateful for his support. I’ve completed filling in all of the documents for getting a visa.
訳)彼にはとても感謝しています。ヴィザ取得のためのすべての書類を書き終えました。
“No thanks to ~”も一緒に押さえておこう
ここまで紹介してきたのは感謝を表すものでしたが、逆に「〜のお陰じゃないけど」という意味で使えるフレーズがNo thanks toです。Noがつくことで、お陰ではない=感謝していないとなります。感謝していないとわざわざ言うシーンはキツめの表現になりますので使う場面に注意しましょう。
You made it!
訳)やったね!
No thanks to you that I got there on time.
訳)間にあったの、別にあなたのおかげじゃないけどね。
「お陰で」の英語まとめ
・他人の助けや何かに感謝したいときはHelp, Because, Owe
・嫌味を言いたいときはBecause, Fault
・似たような表現にはAppreciate, Grateful
・お陰じゃないと言いたいときのNo thanks to
「お陰で」の英語はひとつだけではないことが分かりました。
そして、今回紹介した他にもまだまだ存在します。
感謝の言葉に遠慮は要りません。言い過ぎかと思うくらいに感謝を伝えてぜひ気持ちの良いコミュニケーションを!
Thank you for reading my article, much appreciated!