“Incredible”は「信じられない」という意味だと思っていませんか?
正解なのですが、実はそれだけではないのです。
「信じられないくらい素晴らしい」という意味で、この「素晴らしい」ことが重要なのです。
”In Search Of Incredible”というパソコンメーカーASUSのスローガンを目にしたことはありませんか?
ASUSのウェブサイトには、「”incredible”な価値を提供し続ける」と書かれています。
「信じられないくらい最高のものを探求し、提供し続ける」という意味なんですね。
本記事では”incredible”の意味や使い方、さらに「信じられない」という意味の他の表現を解説します。
意味、成り立ち
“incredible”は形容詞で、
- 物や人などが「最高の」「すばらしい」「すごい」
- 事柄などが「信じられない」「信じがたい」
- 程度、量、大きさなどが「とてつもない」「途方もない」「かなりの」
という意味で使われます。
否定を意味する接頭語の“in”、「信用」という意味の“credit”,「〜できる」という意味の接尾語”able”で成り立っており、「信用できない」という意味になります。
「信用できない」と聞くと、悪いイメージがするかもしれませんが、”incredible”は主に良いイメージで使われます。
「信じられないほどすばらしい」という意味です。
“incredible”を使った例文
“incredible”は先ほどの3つの用法がありますが、日常会話では1の「最高の」「すばらしい」の意味で何かを褒めるときによく使われます。
では例文で意味を見てみましょう。
1 物や人などが「最高の」「すばらしい」「すごい」
That’s incredible!
訳)すごい!
That movie was incredible! You should definitely watch it.
訳)あの映画は最高だったよ。絶対見た方がいいよ。
What an incredible house!
訳)なんて素晴らしい家なんでしょう!
2 事柄などが「信じられない」
何かの事柄がとても驚くようなことで、とても信じられないという意味です。
Aさん
That’s an incredible story.
訳)信じられない話ですね。
Aさん
It is incredible that my son should want to be a doctor.
訳)私の息子が医者になりたいなんて信じられないです。
Aさん
That’s incredible. Has the elephant really drawn the picture?
訳)信じられない。本当にその象がその絵を描いたのですか?
3 程度、量、大きさなどが「とてつもない」「途方もない」「かなりの」
名詞の前に置かれ、何か(名詞)の程度や大きさを強調するときに使います。
信じられないくらいの〜(名詞)、すごい〜(名詞)という意味です。
Aさん
She has inherited an incredible amount of money from her father.
訳)彼女は父親から途方もない額の遺産を相続しました。
Aさん
He had incredible strength and could lift a piano all by himself.
訳)彼は驚くべき力持ちで、ピアノを一人で持ち上げることができました。
副詞”incredibly”の使い方
“incredible”は形容詞ですが、”incredibly”は副詞としても使われます。
- 信じられないほどに、非常に、ひどく、すごく(形容詞を強調します)
- 信じられないことに[だが]文頭に置き、文全体を修飾します。
1の例文
Aさん
She has an incredibly cheerful character.
訳)彼女は底抜けに明るい性格です。
2の例文
Aさん
Incredibly, no one was hurt in the accident.
訳)信じられないことに、その事故で誰も怪我しませんでした。
“incredible”と同様に使われる単語
“incredible”の類語をいくつか紹介します。
物や人などが「最高の」「すばらしい」「すごい」の意味での類語
どれも何かを褒めたり、感動を表す単語です。
- amazing
- wonderful
- marvelous
- stunning
Aさん
His song was amazing.
訳)彼の歌は素晴らしいものでした。
Aさん
I had a wonderful time in Paris last autumn.
訳)去年の秋、パリで素晴らしい時間を過ごしました。
Aさん
She has done a marvelous job.
訳)彼女は素晴らしい仕事をしました。
Aさん
She’s absolutely stunning.
訳)彼女は実に素敵です。
事柄などが「信じられない」「信じがたい」の類語
“unbelievable”も「〜は信じられない」という意味で使われます。
しかし”incredible”と“unbelievable”はニュアンスが異なります。
- “Incredible”は主に良い意味で信じられないときに使われます。
- “unbelievable”は良い意味でも、悪い意味でも信じられないときに使われます。
「あなたが仕事を辞めたとは信じられません。」を“It is incredible that you quit your job.”と言うと「あなたが仕事を辞めたことは素晴らしいです。」と思われてしまうかもしれません。
「すばらしくて信じられない」の意味でないときは”incredible”は使わない方が無難です。
さらに違いを見てみましょう。
Aさん
You are incredible!
訳)あなたって信じられないくらい素晴らしい!
Aさん
You are unbelievable!
訳)あなたって信じられない!(いい意味でも、呆れたときにも使います)
“unbelievable”を使った例文
Aさん
It may be unbelievable, but it’s the truth.
訳)信じられないかもしれませんが、本当なんです。
Aさん
Conditions in the prison camp were unbelievable.
訳)捕虜収容所の状況は信じられないほどでした。
“unbelievable”も副詞“unbelievablely”として”incredibly”と同様に形容詞を強調します。
Aさん
It was unbelievably hot and humid yesterday.
訳)昨日はひどく蒸し暑かったです。
他に「信じられない」という意味の英語表現
Aさん
That’s impossible!
訳)ありえない!
Aさん
I can’t believe it.
訳)信じられません。
“Impossible”は「不可能」という意味です。不可能→できない→「ありえない」ということです。
“I can’t believe that S+V”の形で頻繁に使います。
先ほどの「あなたが仕事を辞めたとは信じられません」は
“I can’t believe that you quit your job.”このように言うと誤解なく伝わります。
まとめ
「信じられない」という意味の”incredible”、その類語と使い方、”incredible”と“unbelievable”との違いについて解説しました。
“Incredible”はただ信じられないのではなく、「信じられないくらい素晴らしい」という意味です。
また”incredible”は褒め言葉としても使われます。
英語ネイティブたちはあいさつ代わりにささいなことでも褒めあいます。
“incredible”を使って積極的に相手を褒めれば、会話がますます弾むこと間違いなしですね。