日常会話でよく使う表現の一つに「ずっと」という言葉があるでしょう。日本語の「ずっと」は非常に便利な言葉の一つで、物事や時間などが最後まで続いている様子を幅広く表現できます。
いつから始まっているのかに関係なく、とにかく最後まで続いている様子には「ずっと」という言葉を使えるのがポイントです。
しかし、英語で「ずっと」を表現する場合は、状況に応じて表現を使い分けなければなりません。
そこで今回は、英語で「ずっと」をどのように表現するのか解説していきます。
未来形で表現する「ずっと」
「これから先もずっと~」という場合は、未来形を使って表現します。
「will+副詞」の形を覚えておくと便利ですよ。
will+forever
「永久に」「絶えず」「常に」という意味の副詞のforeverは、”will+forever”で「これから先も永久に(ずっと)」という意味を表現できます。
わたしはあなたを永久に見守ります。
will+always
alwaysは「いつも」という印象の強い副詞ですが、いつもから意味が派生して「ずっと」というニュアンスで使われることもあります。
あなたはわたしのことをずっと愛してくれますか?
「いつも愛してくれますか」ではなく、「ずっと愛してくれますか?」という意味で使われています。
will+until
untilは「~に至るまでずっと」という意味があります。
「~まで」という言葉が使われているため、動作・状態が継続される期間が決まられているのがポイントです。
わたしは午後10時までずっと家に居ます。
“until”の後には、名詞だけでなく、S+V … という節が来ることもよくあります。”until”を「~まで」と覚えて、”by the time ~” や “by ~” 「~までに」 と混同している人を見かけることがあります。
“until”+ S + V … と “by the time ~” や “by ~” の例文を挙げますので、その違いについて確認していただきたいです。
until + S + V
わたしはあなたが到着するまでずっとあなたを待ちます。
“until”を使うと、「~する瞬間までずっと」という意味になります。
わたしは死が二人を分かつまでずっとあなたを愛すことを誓います。
by the time + S + V
わたしはあなたが到着するまでには、私はそのレポートを書き終えているでしょう。
“by the time ~” は「~する時までには」という意味になり、「あなたが到着する瞬間までにはレポートを書き終えているだろう」と分かります。
by + 名詞
わたしは午後10時までには、そのレポートを書き終えるでしょう。
“by ~”の場合も、~の瞬間までずっとではなく、「までには」という意味になり、レポートを書き終えるのは、午後9時かもしれないし、午後9時半かもしれませんが、とにかく10時前には書き終えているだろうという意味になります。
現在完了形・現在完了進行形で表現する「ずっと」
「この先もずっと~」というニュアンスを表現する場合は、未来形を使って表現するのがわかりましたね。
ここでは、現在完了形を使った「ずっと」を紹介します。
現在完了形を使う場合、過去から今までずっと継続している様子を伝えられます。
have+過去分詞形
現在完了形で継続の「ずっと」を表現する場合、基本の形として「have+過去分詞形」を覚えておくと便利です。
わたしは長い間ずっとあなたに会いたいと思っていました。
わたしはずっとケーキを食べたいと思っていました。
「I have wanted」というフレーズで「わたしはずっと~したかった」というのを表現できます。後に続く文章を変えるだけでさまざまな表現ができる便利なフレーズなので覚えておきましょう。
have+been+動詞のing
現在完了進行形で「ずっと」を表現する場合、基本の形として「have+been+動詞のing」を覚えておきましょう。
わたしはあなたにずっと電話をしていました。
わたしはそれについてずっと考えていました。
わたしは1週間ずっとそのプロジェクトに挑戦しています。
一日中ずっと雪が降っています。
“all day” を文末につけると、「1日中ずっと」という意味になります。
「現在完了形(継続)」と「現在完了進行形」の違いは何なのか?と悩んでしまう生徒さんもおられます。「現在完了形」には、<継続><経験><完了・結果>の3つの用法があり、そのうちの<継続>は動作の継続を表しています。
一方、「現在完了進行形」も、「ずっと~している」という動作の継続を表しており、「ずっと動作が進行中で、動作が継続している」ことを強調したい場合に使います。
現在完了(継続)や現在完了進行形と一緒に使われる副詞句
基本的に、現在完了形はhave + 過去分詞、現在完了進行形は have been + -ing で作りますが、継続を表す現在完了形や現在完了進行形と一緒に使われる副詞句について見ていきましょう。
期間を表す for
継続を表す現在完了形や現在完了進行形で、「~の間」という期間を表す場合は、for … という表現を一緒に使います。
私は10年間ずっとここに住んでいます。
私たちは5年間お互いに知っています。
「知っている」know や「持っている」haveなどの状態を表す動詞は、進行形にしないのが一般的なので、We have been knowing …としないで、We have known … としましょう。
私の猫は1週間 行方不明になっています。
私は2時間 英語を勉強しています。
過去の一時点からを表すsince
現在完了形(継続)や現在完了進行形とよく一緒に使われる副詞句として、since (~から)という表現もあります。詳しく見ていきましょう。
彼は昨年からこの会社で働いています。
私は最後の夏からこの車を持っています。
since の後には 「過去の一時点」が来ていることに気付きますね。また、sinceの後には、名詞だけでなく、S+V …の節が来ることもあります。
彼は子供だった時からずっと野球をしています。
彼らは結婚してからずっとその家を所有しています。
現在形・過去形で表現する「ずっと」
現在形、過去形を使っても「ずっと」を表現できます。
keep
keepにはさまざまな意味がありますが、主要なイメージとしては「見張っている、管理、維持」が挙げられます。
意味としては「取っておく」「守る」「ずっと持っておく」などが挙げられ、「keep+動詞のing」=「~し続ける」という意味になります。
「ずっと」という日本語訳にはなりませんが、「keep+動詞のing」=「~し続ける」で同様のニュアンスを表現できるでしょう。
わたしはこれからも健康で仕事を頑張りたい。
continue
continueもkeepと同じように「続ける」「~し続ける」「持続する」といった意味があります。ただ、continueとkeepには違いがあります。
keepは「維持する」というニュアンスが強い表現のため「今の状態を維持する」というニュアンスの「続く」という意味になります。
一方、continueは「ある始点に対して続く」というニュアンスが強くなるのがポイントです。
なお、「continue+名詞」「continue+動詞のing」というフレーズを覚えておくと便利です。
わたしは英語を教えることを続けていきたい。
他と比較するときの「ずっと」は英語で?
日本語の「ずっと」は幅広い表現ができる便利な言葉ですが、継続を表す「ずっと」以外にも意味があります。
たとえば「彼よりもずっと背が高い」といった、比較する物事に対して違いを言い表すときにも「ずっと」が使われるのです。似たような表現に「もっと」「はるかに」といった表現がありますね。
比較の「ずっと」は英語の比較級を使って表現できます。
まずは比較級の文章の作り方として、2つのパターンを覚えておきましょう。
・A is 比較級+than B=AはBより~です。
・A is more 形容詞/副詞 than B = AはBより~です
わたしの弟はわたしよりずっと背が高いです。
彼は私よりもずっと年上です。
そのお店は他よりずっと値段が高いです。
farを使うと比較の程度を強調できます。
This new house is much better than the old one.
この新しい家は古い家よりもずっといいです。
比較級を強める「ずっと」には、much や far が使われることが多いですが、アメリカ英語では、a way も使われることがあります。
彼女の家は私の家よりずっと大きいです。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「ずっと」に関する英語表現を紹介しました。
日本語の「ずっと」はいつから始まっているのかに関係なく、とにかく最後まで続いている様子には「ずっと」という言葉を使えるのがポイントです。
一方英語では、いつから始まっているのかなど状況に応じて表現を使い分けなければなりません。
また「ずっと」は継続を意味するほか、物事を比較して差があるときにも使われます。
その場合は、英語の比較級を用いると、同様のニュアンスを表現できますよ。
比較級の文章の作り方として、基本の2つのパターンを覚えておきましょう。
- A is 形容詞/副詞の比較級+than B=AはBより~です。
- A is more 形容詞/副詞 than B = AはBより~です。
上記2つのパターンで、何が違うかというと、3音節以上の形容詞/副詞の場合は、形容詞/副詞の前にmoreを入れて比較級を作ります。
ぜひ今回の記事を参考に、「ずっと」の英語表現を英会話で使ってみてくださいね。