”not〜at all”という表現を「決して〜ない」と学校で学んだ方も多いと思います。この表現は、英語のテストでもよく問われる非常に重要な英語表現ですが、迷わず使いこなせているでしょうか?さらに、”not at all”には、これ以外にも便利な使い方があります。

本記事では、”not at all”の意味や使い方、さらに否定文以外での”at all”の使い方を解説しますので、最後まで読んで”not at all”の使い方をマスターしましょう!

“not/no ~ at all”意味・使い方

“not/no ~ at all”意味・使い方

まずは学校で習う”not at all”の意味・使い方から解説します。学校では、”not〜at all”を主に習いますが、”no〜at all”という表現もあるので、混同しないように注意しましょう。”at all”は「強調の副詞」と呼ばれ、文章全体の意味を強調する働きがあります。

動詞や形容詞を完全否定する“not〜at all”

学校で必ず習う表現なので、すでにご存知の方も多いかと思いますが、”not〜at all”は名詞以外の主に形容詞、動詞を完全否定する表現です。

Aさん
I don’t understand what you say at all.
訳)あなたの言っていることがなにも理解できません
Aさん
I’m not sleepy at all.
訳)まったく眠たくありません。

使い方は非常に簡単で否定文の最後に”at all”をつけるだけですが、これだけでより強い意味での否定になります。使う場面によっては、相手に不快感を与える可能性があるので、使う際には注意しましょう。

名詞を完全否定する”no〜at all”

“not〜at all”と同じ意味ですが、名詞を完全否定する場合は”no〜at all”を使います。

Aさん
They paid no attention to the note at all.
訳)彼らはその注意書きに一切注意を払いませんでした。

 

Aさん
There is no problem at all.
訳)まったく問題はありません。

”no〜at all”を使う時の注意点は、動詞を否定しないということです。あくまでも名詞のみを否定し、動詞は肯定文のまま使います。

They did not pay no attention to the note at all.この文章は「二重否定」となり、結果として肯定の意味になってしまうので注意しましょう。

“Not at all”の意味・使い方

完全否定以外にも、”Not at all”単体で使う表現があります。こちらは学校ではあまり詳しく学ばないので、知らない人もいるかもしれませんが、非常に使いやすい表現なので覚えておいて損はありません。それでは一緒にみてみましょう。

「いいえ、全く。」

まずは完全否定で回答する場合です。質問に対して完全に否定したい場合は、”No at all.”のみで回答ができます。

Aさん
Do you like natto?
訳)納豆は好きですか?

 

Aさん
No at all.
訳)いいえ、全く好きではありません。

通常であれば、”No, I don’t.”と答えるべきですが、”Not at all”と答えることでより強く否定することができます。

「いいですよ。」

誰かになにかをお願いされた時、問題がなければ「いいですよ。」と返答しますよね。”Not at all”は否定文の形ですが、承諾の意味で使うことができます。例文を見てみましょう。

Aさん
Would you mind if I close the window?
訳)窓を閉めてもいいですか?

 

Aさん
Not at all.
訳)はい、構いませんよ。

英語特有の表現ですが、Would you mind if~?で「〜してもよいですか?」と許可を求める尋ね方になります。直訳すると「もし〜したら、お気に障りますか?」です。日本人の感覚では、許可を求められているので、「はい」と答えてしまいそうですが、この場合は否定することで許可の意思表示になります。さらにその否定を強調することで、快く承諾していることを伝えることができます。

他にもDoes it bother you if~?という質問に対しても同様に”Not at all.”で回答することができます。

「とんでもないです。」

次に感謝の意を示された際の返答として”Not at all.”を使う場合です。”Thank you.”に対する返答がいくつ思い浮かぶでしょうか?もし”You’re welcome.”しか思い浮かばないという人は、ぜひ”Not at all.”を覚えておきましょう。

Aさん
Thank you for your help.
訳)手伝ってくれてありがとうございました。

 

Aさん
Not at all.
訳)とんでもないです。

ただし”Not at all.”は非常に丁寧な言い方で、友人同士で使うというよりも他人に対して使うことが多いので、友人に対しては”You’re welcome.”や”Anytime.”など他の表現を使ったほうがよいでしょう。

他にもある”at all”の使い方

他にもある”at all”の使い方

”at all”を学校で習う際、否定文をメインで習うので見落としがちですが、実は否定文以外にも使うことができます。そこまで使用頻度は高くない表現ですが、知っておくといざという時に役立つので簡単に解説しましょう。

疑問文で使われる”at all”

冒頭で”at all”は「強調の副詞」であるとお伝えしました。疑問文では、”at all”をつけることで、細かいことでもいいから聞きたいというニュアンスが追加され、かつ質問のハードルを下げる働きがあります。

Aさん
Do you know about it at all?
訳)このことについて少しでも知っていますか?

「なにか知っていますか?」と尋ねるよりも質問のハードルが下がり、質問相手は回答がしやすくなります。さらにより丁寧な表現でもあるため、洋画や海外ドラマで警察官が目撃者に対して質問する際に、耳にすることがある表現です。

肯定文の”at all”

最後に肯定文で使われる”at all”を解説します。実際にはほとんど使われることがないので、自分で使うことはないかと思いますが、文法としては誤りではないので知識として覚えておきましょう。

肯定文での”at all”の使い方は非常に限定的で、基本的には”any”を含む単語とともに使われます。

Aさん
You can visit me anytime at all.
訳)いつでも訪ねてきてください。

 

Aさん
You can work anywhere at all.
訳)どこでも働くことができます。

あまり馴染みのない表現で、ネイティブスピーカーでも使わないという人が多いですが、”any”を強調する働きがあります。anytimeに使えば、「(夜中だろうが早朝だろうが関係なく)いつでも」anywhereに使えば、「(北極だろうが南極だろうが関係なく)どこでも」というニュアンスです。

繰り返しになりますが、疑問文や肯定文で使われる”at all”はそこまで使用頻度は高くありません。しかし、知っていなければこのような形で使われていた時にニュアンスを理解することができませんよね。使われていないからといって、おざなりにせずしっかり覚えておきましょう。

まとめ

“not at all”には様々な使い方がありますが、学校で詳しく習ったのはそのうちの否定文のみという人も多いのではないでしょうか?本記事では学校では詳しく習わないところも含めて解説しました。学校で学ぶ英語は基礎の基礎なので非常に大切ですが、それ以上に実際に生の英語に触れることで得られるものが多くあります。

今回紹介したフレーズは学校では習わないものもあったかもしれませんが、知っておくといつか使える場面が訪れるでしょう。どんな些細な知識でもしっかり吸収することで英語力アップに繋がります。そのためにはアウトプットも重要です。今回覚えたフレーズを会話の中で使って「知っている」から「使える」に変換しましょう!