「参考」は非常に便利な表現ですよね。普段の会話から、ビジネスなどのフォーマルなシーンまで、幅広い場面で使うことができます。
さて、そんな便利な存在である「参考」は、英語ではどのように表せばよいのでしょうか。
ということで、今回のテーマは「参考」です。
「参考にする」という動詞表現から、「ご参考までに」という決まり文句、はたまた「参考文献」や「参考書」などの派生表現まで、ニュアンスなどを含めて詳しく紹介していきます。
これを読めば、英語でも「参考」という便利ワードを使いこなせるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「参考にする」は英語で何て言う?
「参考にする」という意味に相当する英語表現は、”refer to”、”use as a reference”、”draw on”、”based on” の4種類です。
「参考にする」という訳語で見ると同じですが、実際はそれぞれに表すニュアンスが異なっています。1つずつ詳しく確認していきましょう。
「参考にする」in English ①:refer to
「参考にする」という意味で最も一般的な英語表現は “refer to” です。refer の発音記号は「rɪfˈɚː」、カタカナだと「リファー」となります。
refer to は本来、文献などの紙ベースの情報を参考にする際に使われる表現でしたが、現在では人の話など、あらゆる参考対象に使うことが可能です。
ただし、refer は過去形や過去分詞だと referred、ing が付くと referring と、r が2つ重なる点に注意が必要です。
It’s important to refer to a dictionary when you find an unknown word.
訳)知らない単語を見つけたら辞書を参考にすることが大切です。
「参考にする」in English ②:use as a reference
“use as a reference” は、refer to より少しフォーマルな表現です。reference は refer の名詞形で、発音記号は「réf(ə)rəns」、カタカナだと「リファレンス」となります。
reference は「参考資料」を表すので、use as a reference を直訳すると「参考資料として~を使う」という意味。英語では表現が長くなるほどにフォーマルになる傾向があるので、短い refer to に比べてフォーマルな印象が生まれます。
実際に使う際は “use ~ as a reference” と、間に名詞を添えて使いましょう。
I will use it as a reference.
訳)参考にさせていただきます。
「参考にする」in English ③:draw on
何かをそのまま参考にする場合は “draw on” が適切です。draw の発音記号は「drˈɔː」、カタカナだと「ドロー」となります。
draw はもともと「~を引っ張る」という意味の動詞です。そのため、draw on で「他人の意見や考えなどを引っ張って来て、そのまま用いる」ということ。つまり「引用」ということですね。
draw on は他人の意見をそのまま拝借することになるので、日常会話では問題ないものの、ビジネスやアカデミックな場面では避けた方が無難でしょう。
He always draws on my advice.
訳)彼はいつも私の助言をそのまま参考にしています。
「参考にする」in English ④:based on
“based on” は、大部分を参考にしている場合に使われる表現です。based は動詞 base の過去分詞で、「ベーストゥ」と発音します。
based on が使われるのは “a story based on the history(歴史を参考にした話)” のように、「~を参考にした〇〇」と名詞を後ろから修飾する場合がほとんどです。
また、base が「基盤、基礎」という意味であることから、based on が表すのは、ちょっとやそっとの参考ではありません。「原作」「原案」と言ってよいレベルの、強い結び付きを表します。
This is the novel based on a true story.
訳)これは実話を参考にした小説です。
「ご参考までに」は英語で何て言う?
ビジネスの場面などでよく使われる「ご参考までに」という表現は、英語で言うと “for your reference”、あるいは “for your information” になります。
先述の通り reference は「参考資料」という意味なので、for your reference は直訳すると「あなたの参考資料のために」といった意味になります。
また、information は「情報」という意味なので、for your information を直訳すると「あなたの情報のために」となります。
for your reference、for your information いずれの場合も、「それほど重要ではないけれど、補足することで相手にメリットがあるかもしれない情報」を示す際に使われます。日本語の感覚だと「ちなみに」が近いです。
ちなみに(!)、for your reference の方が少しフォーマルな表現で、for your information の方がカジュアルに響く表現です。
For your reference, we’ve enclosed the meeting materials.
訳)ご参考までに、会議資料を同封いたします。
「ご参考までに」を表す略称とは?
上記の「ご参考までに」を表す2つの英語表現には、それぞれ以下のような略称(略語)が存在します。
- for your reference ⇒ FYR
- for your information ⇒ FYI
発音はそれぞれ、FYR(エフワイアール)、FYI(エフワイアイ)と、アルファベットをそのまま読めばOKです。これらの略称は、日常会話で使われたり、ビジネスの同僚同士でEメールの件名に付けたり、文末に添えたりして使われます。
ただし、日本でもそうですが、略称は少し口語(スラング)的に響くため、目上の人を相手にした場合は使用しない方が無難です。
FYI, I’m free this weekend.
訳)ご参考までに、私は今週末ヒマですよ。
参考文献や参考書など、「参考〇〇」は英語で何て言う?
最後に、名前に「参考」が入っている「参考〇〇」を英語でどう表すかについて確認していきましょう。
「参考資料」in English
「参考資料」と言いたい場合は、先述の通り reference 単体でOKです。reference は可算名詞(数えられる名詞)なので、1つの資料なら a reference、2つ以上なら references とします。ただし、複数の参考資料を列挙する際の見出しとして記載する場合は “Reference” と無冠詞単数形で書くのが通例です。
また、「参考資料」であることを強調したい場合は、”reference materials”、”reference data” などと名詞を添えてもOKです。
「参考文献」in English
「参考文献」の場合も reference が使えますが、それ以外に “works cited”、”bibliography” という表現もあります。
works cited(ワークス サイテッド) は、直訳すると「引用された(cited)作品(works)」という意味で、主に論文などの巻末に記す参考文献を表す際に使われます。
bibliography(ビブリオグラフィー)は、もともと「本を探すための情報(目録)」という意味の単語です。読者が同一テーマの書物を探すための指南として本の巻末に添えられているため、いつしか参考文献も表すようになりました。
「参考書」in English
「参考書」は直訳すると “reference book” ですが、これはむしろ「参考図書」に近い表現です。
日本で言う「参考書」は、参考にする本というより教科書に近い存在であるため、単純に “textbook” と呼ぶか、「学習を助ける本」ということで “study-aid book” と呼ぶ方が実態に近いでしょう。
もしくは、「問題集」と捉えて “workbook”、”exercise book” などと言ってもOKです。
まとめ
今回は「参考」をメインテーマにお話ししてきました。
「参考にする」「ご参考までに」「参考〇〇」と、さまざまな表現をご紹介しましたが、あらためて全種類をまとめると以下のようになります。
参考にする | refer to |
use as a reference | |
draw on | |
based on | |
ご参考までに | for your reference(FYR) |
for your information(FYI) | |
参考資料 | reference
reference materials reference data |
参考文献 | reference
works cited bibliography |
参考書 | textbook
study-aid book workbook exercisebook |
今回ご紹介したことを参考に、英語でもいろいろなシーンで「参考」を使いこなしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!