何かに依存していない、特定の組織に属さない、このような人や状態を「独立」という言葉で表します。独立を英語にするとindependentですが、会話などでの使い方に迷いはないでしょうか?
この記事では、英語independentの意味と正しい使い方を解説します。様々な文脈で使用されるindependentをこの機会に学びましょう。
独立の英語independent
独立とは、束縛や支配を受けない状態であり、独立した人とは自らの力で生計を立てている人です。これらを一つの単語で表すことができます。それが本記事で取り上げる単語independentです。
independentの語源
independentの発音はìndipéndənt、カタカナ語の読み方はインデペンデントに近くなります。
さて、ラテン語independensがindependentの語源です。この言葉はin(否定)とdependens(依存する)で成り立っていることから「依存していない」になります。そしてdependensが「ぶら下がる」というpendereに関連している点に注目しましょう。ペンダント(pendant)も首からぶら下げるアクセサリーですが、こちらもpendereに関係のある言葉です。語源を知ると様々な言葉につながり、面白いですね。
independentの意味
independentの語源がわかった上で、現在使われている意味をみていきましょう。
形容詞と名詞のindependentには以下の意味があります。
【形容詞のindependent】
独立した・自立した・依存していない(経済的)
独立心のある・自主性がある(精神的)
独立した・支配されない・自治権を持つ
こららのように独立し支配されないという意味から、independentは他にも利害関係者や一政党から介入・干渉を受けないこと、そして統計や数学などでの独立した変数なども表します。
イギリスには”The Independent”というオンライン新聞があります。社会正義の問題に重点を置き、自由市場の原則を主張するポリシーのもとに活動しています。
【名詞のindependent】
独立している人・自立している人
無所属の人
経済的に誰かにぶら下がっている状態は、決して独立しているとは言えません。独り立ちしている人、またある政党に属さない議員もindependentと言います。
ここからは、independentが使われた英語表現について、例文とともに解説を進めましょう。
「独立した」の英語independent
ここでは、形容詞independentを使った「独立した」という意味を例文とともにみていきます。合わせて、独立とは相反する言葉「パラサイト」にも触れてみましょう。
形容詞independentで「独立した・自立した」
訳)息子は、大学進学を機に1人暮らしをはじめ、独立した人間になりました。
初めての1人暮らしは大きな体験となります。大学生であれば経済的に自立することは難しくても、自分のことはすべて自分でする=自立になります。
訳)彼女は経済的に自立しており、家を購入する予定です。
経済的に自立したという部分はfinancially independentで表現しています。
訳)世界には、195の独立した国があります。
国連によれば、2024年12月末で世界には195の独立国として認められているとのことです。その一方で、非独立国とみなされているのは17非自治地域です。
依存する人・パラサイトとは?
インディペンデントとは正反対で、誰かに依存して暮らす人をパラサイトと呼びます。英語にするとparasiteで、寄生虫や寄生植物といった意味も持ちます。
訳)彼女って両親と同居しながらも働かず、両親を助けもしない、単なるパラサイトだよ。
なお、パラサイトの英語については、以下の筆者の記事をぜひお読みください。
be independent ofの意味
さて、次のindependentフレーズは前置詞ofがついたbe independent ofです。
be independent ofで「~から独立している」
訳)親から独立していない人が多くいます。
訳)2011年7月9日、南スーダンはスーダンから独立しました。
世界でもっとも新しい独立国は南スーダン共和国です。
be independent ofでは本質的なことについて依存しないことを意味し、~からということからfromと考えがちになりますが、ofを使う点を押さえましょう。
訳)彼は彼女に依存していないけれど、とっても尊敬してるのよ。
人間関係において、依存体質の人がいます。何をするにも一緒でないと気が済まない、人を信じきれずに不安感を持つ、時間構わず連絡をしないと気が済まないなど、相手にとっては自由のないストレスを感じる付き合いと言えます。この例文のような関係を築きたいですね。
independent directorの意味
ここで、ビジネスで使用されるindependentの使用例について紹介します。independent directorはどのようなディレクターでしょうか?
independent directorで「独立社外取締役」
企業が経営の健全性を担保し、企業価値の向上を目的に独立社外取締役を置くことがあります。「独立社外取締役」を英語にするとindependent directorです。
訳)独立社外取締役とは、企業の信頼性とガバナンス基準の向上に貢献する、企業の非業務執行役員です。
corporate credibilityは企業の信頼性であり、益々重要となっています。現在、大きな問題になっているフジ・メディア・ホールディングスにもこの独立社外取締役が数名、選任されているようです。
independent clauseの意味
最後のindependent clauseは、英語を学習する皆さんにとってぜひ紹介したいフレーズです。
independent clauseで「独立節・主節」
文法用語で「独立節・主節」のことを英語でindependent clauseと呼びます。これは、主語と動詞を含むもので、他の部分に依存することなく完全な意味を持つ節を指します。それだけで意味が通じる文ということになります。
訳)独立節は文章のなかで主語として機能します。
まとめ
【形容詞のindependent】
独立した・自立した・依存していない(経済的)
独立心のある・自主性がある(精神的)
独立した・支配されない・自治権を持つ
【名詞のindependent】
独立している人・自立している人・無所属の人
何かや誰かに依存しないものや人をindependentが表現します。イギリスではindependent cafeと呼ばれる、チェーンではなく独立したカフェがあります。生活でも使用することのあるindependentを今後ぜひ会話で使っていきましょう。