社会人になるとビジネスシーンで「社長」という言葉を使う機会があるでしょう。
日本語で言う「社長」を英語では「CEO」と表現するイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、社長の正式な肩書を英語で表現する場合、「CEO」ではない表現を使うのが適切な場合もあります。
とくに近年ではグローバル化が進んでおり、海外で使用される英語の役職名をきちんと理解しておくことを求めるようになっていますよね。
そこで今回は、「社長」の英語表現について解説していきます。ビジネスシーンで失礼のないやりとりをするためにも、ぜひ最後までご覧ください。
「社長」と「代表取締役」の違いって?
まずは日本語の解説ですが、「社長」と「代表取締役」はイコールだと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、必ずしも「社長」が「代表取締役」になるとは限りません。
というのも、「代表取締役」というのは日本の会社法で、株式会社の代表(法人で一番偉い人)を指す言葉とされているからです。そのため、株式会社ではない合同会社には「代表取締役」は存在しません。
つまり、日本の会社で「〇〇株式会社」「株式会社〇〇」という社名のところには代表取締役が居ます。一方、「Apple」や「Google」「Amazon」などは会社の規模が大きいものの、「合同会社」のため代表取締役は居ません。
なお、「代表取締役」は法律用語ですが、「社長」は法律用語ではありません。そのため、「社長」と呼べるかどうかというのは法律による決まりはなく、一般的に会社で一番偉い人のことを指します。
つまり、株式会社で一番偉い人は「代表取締役」のことを「社長」と言うこともあるのです。
「社長」は英語で?
日本語でいうところも「社長」の英語表現について解説します。複数表現がありますが、単語によって違いがあるのでポイントを押さえてくださいね。
President
日本語でいうところの「社長」を英語で表現するなら、Presidentとなります。
Presidentは「社長」という意味のほか、「大統領」「総裁」「学長」といった意味もあります。そのため、「“会社の”社長」と区別して表現するときは「Company president」となるので覚えておきましょう。
なお、イギリス英語の場合はPresidentを使わず、「Managing Director(略:MD)」、または「Executive Director(略:ED)」で社長を表現するケースが多いです。
directorという単語は日本語でも「ディレクター」という言葉があり、日本語の意味からするとそれほど役職が高くないイメージがあるかもしれません。しかし、イギリス英語では「Managing Director」「Executive Director」が社長という意味になるため、国によって呼び方が変わる点に注意しておきましょう。
彼が新社長に就任します。
彼は社長を解任されました。
CEO
会社の偉い人の肩書きで「CEO」というのを見かけることがありますよね。とにかく偉い人はわかるものの、どういう意味なのでしょうか。
「CEO」とは「Chief Executive Officer」の頭文字を取ったもので、「最高経営責任者」という意味になります。
つまり、CEOは会社の中の経営方針を決定・執行する経営陣トップを意味するのです。
President とCEOの違い
「Presidentと CEOってどちらも社長ってことじゃないの?」「違いは何?」「結局どちらが偉いの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
似ている言葉のように感じますが、それぞれ異なる役職でPresidentよりもCEOの方が上の役職となります。というのも、CEOは会社の中の経営方針を決定・執行する経営陣トップ、そしてPresidentが決定した経営戦略に従って事業計画の決定・実行する役職という意味合いだからです。つまり、アメリカの会社の場合、CEOが企業のトップ、Presidentが現場のトップという意味で使われています。
ただ、日本の会社では会社のトップという意味で「社長」という表現を使いますよね。その場合、「Head of a company」で「会社のトップという意味の社長」を表現できます。
また、アメリカの会社では中小企業や子会社で「CEO」という肩書きは使いません。簡単に「CEO」を名乗ると、大企業のトップと勘違いされるケースがあるので注意しましょう。
「代表取締役」は英語で表現できない?
「代表取締役」というのは会社法で定められている“日本の株式会社で代表者”のことを指す法律用語であると解説しました。
そのため、法人の代表者の呼び方は国によって異なり、「代表取締役」に対応する英単語が存在しないのです。
ただ、「代表取締役」を英語で表現するなら「Representative of Director」となるでしょう。
とはいえ、アメリカでもイギリスでも「Representative of Director」という肩書きはあまり使われておらず、アメリカでは「CEO」、イギリスでは「Managing Director」と表現されるのが一般的です。
役職名を英語で表現してみよう
社長や代表取締役などの英語表現について解説しました。
ここでは、「会長」「副社長」といった役職名をまとめたので確認していきましょう。
役職名一覧
日本語 | 英語 |
会長 | chairman
chairperson |
最高業務執行責任者(COO) | Chief Operating Officer |
最高財務責任者(CFO) | Chief Financial Officer |
社長 | president |
副社長 | senior vice president
executive vice president |
専務 | senior (executive) managing director
senior (executive) vice president |
常務 | managing director
senior vice president |
執行役 | auditor(監査)
senior adviser executive adviser |
部長 | general manager
department manager |
次長 | assistant general manager |
課長 | manager |
係長 | section head |
主任 | chief
supervisor |
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「社長」の英語表現について解説しました。
社長は英語で「President」、最高経営責任者は英語で「CEO」と言います。
「President」と「CEO」は同じと考えられがちですが、アメリカでは会社のトップはCEO、現場のトップはPresidentというように、異なる役職として使い分けられるケースが一般的です。
ただ、日本の場合、「社長」=「会社のトップ」という意味で使うこともあるので、その場合は「Head of a company」というフレーズを覚えておくと便利です。
ぜひ今回の記事を参考に、社長や役職に関する英語を覚えてみてくださいね。