「うちの子、トムボーイなんですよ」
外国人からこのように言われたら、それがどんなことを意味するのか知っていますか?

この記事では、覚えると便利な英語tomboyを紹介しましょう。もしかしたら、お子さんはtomboy?それとも反対でしょうか?!

tomboyの意味

tomboyをなんだか面白そうな表現だな!と感じた人がいるかもしれませんね。一般的な英語表現とは違いますが、興味が出れば自然と学習する機会になります。さっそく、以下でその意味を解説します。

tomboyとは?

tomboyとは?

tomboyとは、ある様子を表しています。tomboyというスペリングから少し想像できるでしょうか?

英語tomboyは、ズバリ「おてんば娘・おてんば」という意味です。お転婆(おてんば)は「おてんばな女の子」のように使われるとおり、女子に対して使われる表現です。

Aさん
My daughter is a tomboy. She prefers to jump around in the park and not stay at home.
訳)娘はおてんばですよ。彼女は家にいるよりも、公園で飛び回るのが好きです。

男子はこう、女子はこうだ、という時代ではありませんから、公園ではじけて遊ぶのは女の子らしくないなんてナンセンスではあるかもしれません。

また、tomboyの発音ですが、イギリス英語でトムボイ、アメリカ英語ではタムボイのように発音します。日本語ではトムボーイのようにしますから少し違います。

なぜ、tomなの?

tomboyを分節に分けるとtom+boyです。おてんばという意味からもboyのような女の子とイメージできます。
しかし、なぜトム?という疑問が浮かんできます。

この答えは、Tomが一般的で典型的な男性の名前だったからです。ところで16世紀半ば、tomboyは失礼で騒々しい男の子を指していました。その後、ワイルドではしゃぎ回る女の子、元気な男の子のように振る舞う女子へと変化していきました。

トムボーイの意味

もう皆さんは、トムボーイはおてんばのことだ分かりました。ここでは、トムボーイが意味する性格について英語表現を紹介しましょう。

トムボーイの性格

日本人が言うおてんばは、活発に元気よく動き回ることや、そういうことをする人を指します。
では、外国人がtomboyという場合は?そこに違いがあるのか、しっかり理解する必要があります。
tomboyは以下のような単語で説明されます。

spirited
→ 形容詞「元気な・強健な」や「活発な」

boisterous
→ 形容詞「荒々しい・乱暴な」

dressing like a boy
→ 男子のような服装を着る

さらに、boyishという表現があり日本語でもボーイッシュと言われます。この意味は、外観や言動が少年・男の子のような、それっぽいということです。
いずれにしても、tomboyは男の子に関連づけられる好みや行動を持った女の子であることは間違いありません。

2つのtomboy

英語のウェブサイトを見ていると、tomboyは2つのタイプに分かれるという記事があります。2つのタイプとは以下になります。

Butch tomboy
→ 実際に男らしいと言えるほどで、女性的な特質や興味をほとんど持ちません。このtomboyたちは、ピンクなどのガーリーなフェミニンなものも嫌いかもしれません。

Effeminate tomboy
→ 過度に男性的でも過度に女性的でもありません。興味があるのは男性的なものであっても、特質については女性的なものを持っています。

現代はジェンダーに関しての考えが変化してきていて、tomboyの定義も変わっていきます。
ちなみに、タイではトムボーイは男装をしている女性を指します。ニューハーフが多い国としてエンターテイメントも盛んですが、トムボーイもいるということです。

tomboy – スラング

もともと、tomboyはスラングとして使われています。スラングとして、伝統的に言われる女性らしさを持たない少女や女性を指しています。

スラングのtomboy

ここまで紹介したように、tomboyはおてんばと言えどもさまざまな文脈で使われます。家にいるより外で遊ぶことが好き、服装で可愛いものが好みでない、などです。スラングですので、身近な関係にある人との日常会話にとどめ、フォーマルな場面では使わないようにしましょう。

Aさん
Tomboy is used as slang.
訳)トムボーイはスラングとして使われています。
Aさん
Tomboy is a term used for girls or young women with masculine traits.
訳)トムボーイとは、男性的な特徴を持つ、少女や若い女性に対して使われる言葉である。

term=言葉・期間・学期・条件
masculine=男性の・男子の
trait=特徴・特質

Aさん
She’s a tomboy.
訳)彼女はおてんばですよ。

このシンプルな例文のように、tomboyはスラングとして会話で使われます。
また、tomboyishnessという表現もあります。これは名詞で「おてんば・おてんばな性質・おてんばさ」の意味を持ちます。

男の子バージョンtomgirl

ボーイズバージョンtomboyを検索してみると、tomgirlという言葉があることが分かりました。janegirlやemilygirlではないんですね(笑)

また、boyishに対するgirlishがあります。girlishの意味は「少女・女の子のような、少女・女の子らしい、少女・女の子っぽい」です。これらの表現がトムボーイの男子バージョンと言えます。

tomboyの類義語3選

ここでは、tomboyと同じように使われる言葉を3つ紹介しましょう。

romp

rompには、跳ね回る、走り回る、はしゃぎ回るという意味を持ちます。romping girlとすることで、tomboyと似た意味で使われます。

Aさん
I used to be a romping girl and loved playing outside.
訳)私は昔、おてんばだったし、外で遊ぶのが大好きだったの。

hoyden

hoydenにもおてんば娘の意味があります。語源は無法な田舎者という意味を持つオランダ語heidenであり、17世紀になると特に女性に対して使われるようになりました。

feisty

「積極的な・元気のいい」や「けんか好きな・怒りっぽい」の意味を持つfeistyも類義語になります。

Aさん
My sister is lively and feisty.
訳)私の妹は活発で積極的です。

tomboyの対義語3選

tomboyの対義語3選

次に、tomboyとは反対の意味を持つ言葉を紹介しましょう。プリンセスに当たるprincessも類語になりますが、その他の3表現をみていきましょう。

girly girl

girlyには「乙女チック」だったり「少女のような」という意味があります。そういう女子ということでgirly girlというフレーズがtomboyと正反対で使われます。

Aさん
She is a girly girl, and always wearing cloths with pastel colours or frills.
訳)彼女はガーリーガールで、いつもパステルカラーやフリルのついた服を着ています。

girlie

次のgirlieには、girly girlとほぼ同じ意味があり、tomboyと反対の意味で比較されます。

Aさん
The idol group is very girlie and that is their point so they have many fans.
訳)そのアイドルグループはとても乙女チック、それが持ち味でもあって多くのファンがいます。

femme

femme(フェム)はスラングで、振る舞いや服装が女性っぽいレズビアンやゲイを指します。tomboyの紹介で登場したbutch tomboyの対義語です。

tomboyの使い方

ここでは、tomboyが使えるように具体的に例文でみていきます。

tomboyの例文

Aさん
My friend told me that her daughter is a tomboy.
訳)友達が、彼女の娘はおてんばなんだと言った。
Aさん
I’m a tomboy and I hate wearing a skirt to go to school.
訳)私はおてんばで、スカートを履いて学校に行くのが嫌いだ。
Aさん
Can you calm down a bit? You’re such a tomboy!
訳)ちょっと落ち着いてもらえる?あなたってとってもおてんばさんね!

tomboyは時代遅れの表現?

ここまで、tomboyの意味、類義語、対義語を紹介してきましたが、皆さん、読んでいて違和感がなかったでしょうか?
最後に、英語を学習している皆さんに、海外ではtomboyという言葉について今どのようなことが考えられているかについて紹介しましょう。

tomboyは古い?

特定の興味や好きなことを性別に関連づけて分類する必要があるのか?と考える人たちがいます。
女子がtomboyと言われることは今は聞かなという声、ファッションにしてもジェンダーレスなアイテムが多数発表されてるという意見。その上で、伝統的な女の子らしくない女性を意味するフレーズはもう使わないという人もいます。

まとめ

記事では、おてんばの意味を持つtomboyを紹介しました。しかし、相手によっては受け取り方が違ってくることもあるでしょう。もはや、おてんばは今の時代に合わない言葉になってきたのかもしれません。
世の中にはジェンダー不適合の人がいるという事実を考えれば、他人が気軽におてんばと言っていいのか意識するほうが優しい社会になるのではないでしょうか?