「英語で何て言う?」コーナー、今回は「高い・低い」についてです。
身長、天井、気温…など、日本語で「高い・低い」といっても、高さ以外にも温度や指数などにも使われます。英語ではそれぞれどういう表現を使うのでしょうか?
今回は、そんな「高い・低い」について、掘り下げていきましょう!
どっちも高い?「high」と「tall」の違いはどこにある?
例えば、「高い壁」を表現するのに「a high wall」と言う場合と、「a tall wall」と言う場合はニュアンスが違ってきます。これは、「high」と「tall」で意味が違うためです。
「high」は、例えば、山や丘、天井や掘やフェンス、飛行物の高度など、地上や物の底部から頂点までの距離が大きいものについて使うことが多いです。「上にあってその位置が高い」という感じです。そして、通常、人や動物には使いません。
例)The moon was shining high in the sky.
「月は空高く輝いていた」
「tall」は、人間の身体、樹木、煙突など、細長い物の底部から頂点までの長さが長いときに使います。「下から上までの長さを意識する」という感じです。
例)The tall man we met is Mr. Smith.
「私たちが会った背の高い人はスミスさんです」
まとめると、「high」は幅があって高いもの、「tall」は幅よりも高さがある細長いイメージでしょうか。
先述の「a high wall」は頂点を意識した「高いね」で、「a tall wall」は下から上までの長さを意識した「高いね」という微妙な違いがあるようです。
建物については、同じ高い建物でも、空から見下ろしたり、屋上にいて言う場合には、「a high building」、下から見上げるような場合は「a tall building」が適切です。
また、人の身長にいつも「tall」を使うかというと、例外があります。
赤ちゃんには「tall」を使わないのです。まだ立てないので、
The baby is 23 inches long.
「赤ちゃん(の身長)は23インチ(約58cm)です」
のような言い方が一般的のようです。
高いの反対は?「high」、「tall」の反意語「低い」について
「high」の反意語は「low」です。高さがなく、地面あるいは物の底に近いことを表わす言葉です。
例)This room has a low ceiling.
「この部屋は天井が低い」
身長が低いことを言いたいときは、「low」ではなく、「tall」の反意語の「short」を使います。
例)I’m five centimeters shorter than my older brother.
「ぼくは兄より5センチ背が低いです」
「short」が長さや距離、時間などが短いことを表わす場合は、その反意語は「long」になります。
例)The child looks good with her short skirt.
「その子はショートスカートがよく似合う」
During her short stay in England, he made friends with quite a few people.
「英国にほんのわずか滞在していた間に、彼は多くの人と仲良くなりました」
高さや位置が「低い」場合は「low」、ただし身長が「低い」場合は「short」を使うと覚えておきましょう。
いろいろな「高さ・低さ」について考えよう
「高い・低い」で表現できるものは、他にもいろいろあります。
次にあげるものは「high」と「low」で表現できます。
「声・音」も高い・低い
She struck high notes on the piano.
「彼女はピアノで高い音を出しました」
He always speaks in a low voice.
「彼はいつも低い声で話します」
「程度・速度・温度」の高い・低い
The temperature is pretty high today.
「今日は気温がだいぶ高いです」
A low pressure area is now moving east.
「低気圧は現在、東に向かって進んでいます」
「評価・価値・品質」の高い・低い
I bought this bed at a high price.
「ベッドを高値で買いました」
I have a low opinion of her.
「私は彼女を低く評価している」
「身分・地位」の高い・低い
John is a man of high birth.
「ジョンは高貴な生まれの人です」
He is a man of low standing in the company.
「彼はその会社では低い地位の人です」
まとめ
いかがでしたか?
英語の「高い」・「低い」のニュアンスが、何となく腑に落ちていただけたでしょうか。
ところで、「high」は「gh」を発音しません。勉強した当時、ちょっと不思議に思いませんでしたか。こういう文字を黙字(もくじ)といいますが、英語は黙字の多い言語といわれています。
「high」に関して言えば、古英語から受け継がれている言葉で、昔は発音していた音の名残りが綴りに残っているんだそうです。16世紀のシェイクスピアの時代には、もう発音されていなかったということです。
昔はどんな音だったのか、想像してみると面白いですね。確かに発音しにくそうなので、消えていくのも納得です。
では、次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行(株式会社学研プラス)