「英語で何て言う?」コーナー、今回は「パンの種類」についてです。
「パン」は英語で「bread」ですが、種類によってさまざまな呼び方があります。
今回は、「パン」について、その他に、どのような種類があるのか、日本語の「パン」はどこから来た言葉なのかなど、パンについて掘りさげていきましょう!
日本語の「パン」と英語の「bread」
「パン」という言葉は、もともとポルトガル語の「pão(パン)」が語源です。
日本では小麦の栽培は弥生時代に始まり、つぶして餅のようにして食べていたようですが、生地を発酵させて作るヨーロッパの「パン」が、16世紀にキリスト教の宣教師によって日本にもたらされたといいます。ポルトガル語由来の日本語はカルタ、ボタン、キャラメルなどのほか数多くありますが、中国を介さずに日本に入った外来語で一番古い言葉が「パン」と言われています。
その後、日本ではキリスト教を禁じるなどの歴史背景や当時の人々の口に合わなかったなどの理由で、食料としてのパンは広まらなかったようです。
初めて西洋風の「パン」が製造されたのは江戸時代後期になってからで、明治時代に入ってもしばらくは受け入れられませんでした。1874年にアンパンが登場してからは、菓子パンや惣菜パンが徐々に広まっていきました。
第二次世界大戦後の学校給食で、アメリカからの援助物資だった小麦粉を使って「パン」が支給されたのが、大量に流通するきっかけになったと言われています。2011年には、1世帯当たりのパンの購入額が初めて米を上回り、「パン」は日本の食卓にも欠かせない存在になっています。
それでは、英語で「bread」というと、どんな「パン」のことを指すのでしょうか。語源はゲルマン語の「Brauen(ブラウエン)=醸造」だそうです。
英語でも「bread」は「パン」と同じく総称として使われていますが、ふつうは「食パン」を意味します。「食パン」や「精白パン」を「white bread」ということもあります。
間違えやすいですが、「bread」は数えられない名詞なので、「a bread」や「two breads」などとは言わず、数を言いたいときは次のように「a slice of〜」などを使って数えます。
- a slice [two slices] of bread 食パン1枚 [2枚]
- a loaf [two loaves] of bread 食パン1斤 [2斤]
「トーストする」は「toast bread」、オーブンで「パン」を焼くことは、「bake bread」といいます。
Would you toast my bread? 「(トースターで)パンを焼いてくれますか?」
She baked bread in the oven. 「彼女はオーブンでパンを焼きました」
「焼きたてのパン」は、「fresh」を使って表現できます。
This bread is flesh from the oven. / This bread was made [baked] just now. 「このパンは焼きたてです」
I love the smell of freshly baked bread. 「焼きたてのパンのにおいが好きです」
ほかに、よく使う表現として、「slice bread(パンをうすく切る)」、「spread butter on bread( パンにバターをぬる)」などがあります。
バター付きパンという意味で、「bread and butter」はよく使う言い方ですが、発音に注意が必要です。「ブレドゥンバタァ」のように繋げて発音すると、「バター付きパン」とまりますが、単語を区切って発音すると「パンとバター」の意味になります。
また、日常的によく使う単語として、
- bread crumbs パン粉
- (a) crust パンの耳
- bakery パン屋(店)
- a baker パン屋(人)
などがあります。パンの耳は「crust」で、柔らかいところは「crumb」と言います。パンの耳は「heel of bread」(パンの切れ端)ということもあります。フランスパンの端っこなどガサガサしているところを指すようです。
いろいろなパンの種類を英語で言ってみよう!
では、ほかのパンは何と言えばいいのでしょうか?代表的なパンをご紹介します。
- a sweet bean jam bun アンパン
- sweetened bread 菓子パン
- a croissant クロワッサン
- a cinnamon roll シナモンロール
- a jam bun ジャムパン
- a Danish デニッシュ
- a slice of toast トースト
- French bread (baguette) フランスパン
- a hot dog ホットドッグ
- a roll ロールパン
- whole wheat bread 全粒粉パン
- rye bread ライ麦パン
- a bagel ベーグル
- a bun (小型の)丸パン
小さな巻きパンは「roll」、ハン バーガー用のパンや菓子パン、丸パンなどは「bun」と呼ばれています。
日常生活で使える!こんな時、何ていう?
では最後に、パンに関するいろいろな英語表現をご紹介しましょう。
Which would you like, rice or bread? – I’d like bread.
「パンとライス,どちらになさいますか」「パンでお願いします」
Do you eat bread or rice for breakfast? – I eat bread for breakfast everyday.
「朝はパンですか、ごはんですか?」「毎日パンです」
Don’t use a knife to cut bread at the table.
「食事のときはパンをナイフで切ってはいけません」
※パンは手でちぎって食べるのが正式とされています。
I dipped my bread in the soup.
「私はパンをスープにつけました」
This bread contains no additives.
「このパンには添加物は入っていません」
I stopped by a convenience store and bought some bread.
「コンビニに寄ってパンを買いました」
Can you get me some bread while you’re there?
「ついでにパンも買ってきてくれますか?」
まとめ
いかがでしたか?
「パン」は、日常にかかせないものなので、「earn(gain)one’s bread(生計を立てる)」という意味にも使われています。また、先述した「bread and butter」にも、バター付きパンの意味のほかに、慣用句として生計・なくてはならないものという意味があります。
聖書にも、
Man shall not live by bread alone.「人はパンのみにて生くるにあらず」
という言葉があります。人間はただ食べるために生きているのではなく、精神の充実こそが大切であるという意味です。
日本で言えば、「米の飯」というところでしょうか。いかに「パン」が生活に密着したものなのかがわかりますね。
それでは、次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)