このシリーズでは、英語を短期間で習得するための様々な方法を紹介しています。英語を勉強するのが久しぶりな方、また、本格的に英語を勉強するのが始めての方はまず初めに短期間で英語をマスターするコツと方法 – 初級編をご覧ください。

今回は「中級編」ということで、英語を勉強する時間がある程度習慣付いている方、もしくはもともと英語が得意で、基礎的な文法や単語は覚えている、というレベルの方向けに、どうすれば効率よくスキルアップできるのかを伝授します。

中級編その1では、リーディング攻略ライティング攻略について解説します。

■ リーディング攻略

英語を読む力をつけるにはどうすればいいのか。

当たり前のことですが、数多くの英語の文章を読むしかないです。

ただ、興味のないものを無理やり毎日読もうとしても続かないので、初級編でも例に挙げたように、自分の趣味のジャンルのものを選ぶと長続きしやすいです。

まずはネットの記事から始めてみましょう。

例えば、ビジネス英語を身に着けたい場合、Wall Street Journal、Financial Times、New York Timesのオンライン無料記事を1日1つ読む、海外セレブやハリウッドのエンタメが好きな人はEオンラインのゴシップ記事など。ただ、趣味に関連するジャンルの記事をリーディング材料として扱う場合、以下の2点に注意しましょう。

1.必ず説明文のある記事を選ぶ

例えば、ファッションが趣味なので海外雑誌の公式サイトや、海外モデルのブログを読んでみよう、と思い立ったとします。こういったサイトは写真がメインなので、英語のサイトを閲覧していることに間違いはありませんが、肝心なリーディングの練習にはなりません。

また、フィットネス、ペット、コスメ関連などのサイトも、写真と短めの文章を中心に展開されている場合がほとんどなので、リーディングの練習には不向きです。ただ、これらのジャンルであっても、文章が多めのブログやコラムなどであれば問題ないです。

自分の趣味のジャンルから、文章多めのサイトをリサーチしてみましょう。

2.行き過ぎた若者言葉などに気を付ける

一般常識ではありますが、日常的に使われないような表現を使っているコンテンツは、英語の勉強をする教材として選択するのは避けましょう。

個人的な経験を紹介しますと、私は中学生の頃からブリトニー・スピアーズが大好きで、彼女の曲はほぼ全曲歌詞を丸暗記していたほどだったのですが、ある日ブリトニーの最新アルバムの歌詞を読んで、分からない単語を書き出してみようと試みたことがありました。

当時全盛期を終え、坊主事件などを経て、更なるセックスシンボルと化したブリトニーは、以前よりも過激な歌詞の曲を多くリリースしていました。なんとなく歌詞の意味は分かっていたものの、実際に知らない単語を書き出してみると、普段使えないような単語ばかりで、勉強した意味がほとんどありませんでした。

これは少し極端な例ですが、うっかり似たようなミスをしないように気を付けて下さい^^; 特にラップやヒップホップ系の音楽は英語の勉強向け教材ではありません。もちろん、趣味で意味を紐解いてみるのは楽しいですが、リーディングの練習にはならないと思うので悪しからず。

英語を読むなら「新聞&ニュースが最強」説

では、どのようなオンライン媒体がリーディングの練習に適しているのか。新聞/ニュース最強説をご紹介します。

常に最新の情報を的確で明確な文章で伝えてくれる新聞社や放送局のウェブサイトはリーディングの練習に一番適しています。

ニュースというと、政治経済や国際情勢に関連する一般的なニュースを思い浮かべがちですが、お堅いもの以外にも色々なジャンルのコンテンツがあります。先に触れたエンタメニュースは一番取っつきやすいジャンルですね。その他にもIT系のニュースサイトのWIRED、Tech News WorldやThe Verge、医療系のMediline PlusやWeb MDなど、ブログに形態が近いものもありますが、いずれもコンテンツ内の文字数が多いので、リーディングの教材に適しています。

また、今後具体的な場所に海外出張や留学を控えている方は、その地域のローカル紙やローカル局のサイトを読んでみるのをおすすめします。その土地特有のトピックが取り上げられているので、実際に現地に着いた時のネタにもなりますし、その土地の雰囲気を掴むにも有効です。

ニュースの種類によっては、読み始めは何が何だか分からないと感じる人も多いはずです。初めから全て理解できるとは期待せず、根気よく読む習慣をつけていきましょう。

ただ、内容が難しすぎて頑張っても分かる気がしない、という場合は、NHK World English Newshttps://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/)から始めてみるのをおすすめします。日本に関連するニュースが多く取り上げられていることはもちろん、難しい英語表現などが少ない方なので、初心者にとってとても読みやすいコンテンツです。

最後に、ウェブ上でニュースを読むもう一つのメリットとして、動画でリスニングの練習も簡単に出来てしまうという点があります。ほとんどのニュースサイトに、その記事に関連した動画が張り付けてあるはずです。特に放送局のサイトの場合、必ずといっていいほど、テレビなどで放送された、記事に関する動画が付いています。文章を読み終えたら、是非動画の方もチェックしてみましょう。リスニングのポイントについてはリスニングの攻略の方でお教えします。

また、海外のサイトにアクセスするのはウイルス感染などが怖くて気が引ける、という方もいらっしゃるかもしれませんが、先に挙げた公式のサイトであればそういった心配はありません。その他のブログなども、最低限のネットリテラシーをもって、怪しい広告やポップアップには触らないようにしていれば大丈夫です。何か分からないページなどに飛んでしまったら、画面内は何もクリックせずに、その画面を閉じるか、ブラウザを強制終了しましょう。それでも心配な人は、パソコンではなくスマホからアクセスしてみてはいかがでしょうか。

洋書を活用して読解力を身につける

ネットの活用の話がひと段落したところで、次は洋書の活用法について。

ネットでのリーディング練習と並行して、是非1冊洋書を購入してみることをおすすめします。ニュースの記事などよりも断然に長い物語や説明文を読むことにより、確実に英語での読解力が身につきます。

ここで注意したいのが、1冊目に選ぶ洋書は、敷居の低いものを選ぶようすることです。“洋書を買う”となると、ウキウキして、話題の新刊だったり、自分の興味のある本を手に取ってしまいがちですが、1冊目はとにかく分かりやすい、児童向けの物語をおすすめします。

おすすめ児童書3選

1.Winnie-the-Pooh

誰もが知っている「くまのプーさん」の原作です。馴染みのあるキャラクターや、覚えのあるストーリーが多いので、英語が分からなくても、なんとなく読めてしまう1冊です。

2.Heidi

こちらも名作、「アルプスの少女ハイジ」の原作の英語訳版です。ハイジはスイスの作家による、ドイツ語で書かれた児童向けの小説ですが、もちろん英語圏でも親しまれている作品です。プーさん同様、大体の話の流れを知っている人がほとんどなので、初心者向けの読みやすい作品です。

3.Holes

アメリカではとても有名な児童文学の一つ。濡れ衣を着せられて強制的に施設に入れられた少年が、自身と祖先の“のろい”を乗り越え、自ら幸福を築いていく物語です。プーさんやハイジよりも少し難易度が高めですが、英語表現自体は単純明快なものが多いため、ハリーポッターなどの他の児童書よりは読みやすくなっています。起承転結がはっきりしており、英語の読解力を培うには持ってこいの作品です。

以上、リーディング攻略でした。

ネットと洋書を上手く組み合わせて、頑張って下さい^^

■ ライティング攻略

ライティングの具体的な練習方法

さて、次はライティングです。

ライティングの最終目的は、仕事で英語のメールのやり取りが出来るようになる、留学先の大学で英語のレポートを書けるようになる、といった感じだと思います。そういった具体的な目標がない人にとっては、ライティングの勉強をする意味があまりないのでは、と思うかもしれませんが、これは大きな間違いです。ライティングの練習を始めると、自分の弱点が目に見えて分かります。その発見をもとに復習を行うと、英語の上達にとても効果的です。また、ライティングを勉強する際は、同時に文法と単語の復習もするつもりで行って下さい。

では実際にライティングの練習とは何をすればいいのでしょうか。

オプション(1)英語で日記を書く

既に日本語で日記を書くのが日課な人は、英語にスイッチするだけなので気軽に始められますね。

日記を書く際は、添削のしやすさを重視してなるべくパソコンかスマホで記録しましょう。

パソコンに向かって文章を作成する方が実践的な練習になりますが、毎日の日記のためにPCを起動するのは面倒だという人は、スマホのノート機能や日記用のスマホアプリなどを活用しましょう。

日記の内容に関してはもちろん自由に書けばいいのですが、出来る限り客観的な描写(今日はどこにいって何をしたかを具体的に説明)と、心理描写(何を思ったかを言葉にする)の両方を含むようにすると、効率的なライティングの練習になります。

オプション(2)テーマに沿って短いエッセイを書く

日記と並行して、1週間に2,3回でいいので、短い英語のエッセイを書いてみましょう。

おすすめのトピックは、“将来の目標”、“思い出に残っている旅行のエピソード”、“家族の紹介”などです。現在形・過去形・未来形をそれぞれ練習できるようにテーマを選んでみましょう。

始めはあまり体裁は考えず、思ったことをそのまま文章にしてみるところからはじめます。慣れてきたら、全体の構成を考えたり、起承転結がきちんとある読みやすい文章を目指します。こちらは上級編の方でご紹介します。

ライティングを終えたら添削も行おう

ライティングを終えたら、次は添削です。添削は、できれば英語が話せる誰かに頼むのが一番ですが、頼める人がいない場合も多いと思います。2つのオプションをご紹介しましょう。

オプション(1)英会話の先生などにお願いする

もし英会話教室に通っていたり、オンラインで英会話レッスンを受けていたりする場合は、先生にライティングの添削をできないかお願いしてみましょう。もちろん、英会話スクールごとにルールがあるでしょうから、そういった依頼は出来ないケースもあるかと思いますが、ルール違反でない場合は是非相談してみて下さい。

オプション(2)オンライン添削サービスを利用する

ネットの添削サービスは大まかに分けて3種類あります。

1つ目はIDIY(アイディー)などの有料の添削サービスサイトです。アイディーの場合、単価100円台から依頼ができるので、しっかり誰かに添削してもらいたい時におすすめです。

2つ目はLang-8などの参加型無料相互サービスサイト。こちらは自分が誰かの添削(例:日本語の添削)をする代わりに、自分の添削を誰かにしてもらう(例:英語の添削)というシステムです。とてもユニークなサービスですね。

3つ目はシステムチェックのGrammarlyです。こちらは、ワードなどの自動スペルチェックに毛が生えたようなもので、文章を打ち込むと、機械が自動的にスペルミスだけではなく、文法もチェックしてくれます。ワードの機能よりは遥かに優れているので、無料バージョンでも多くのエラーを摘出してくれますが、より高度なチェックをしたい場合は、月約3,600円の有料サービスに登録することもできます。

添削を終えたら、必ず自分で復習をして、新しいライティング記事を書くときに同じ間違いをしないように気をつけましょう。

以上、リーディングとライティング攻略中級編でした。

最後に、初級編で何度も触れましたが、大人になってから勉強する英語は、高校生の時とは別物という認識を忘れないで下さい。受験勉強のためではなく、自分が英語を話して、使えるようになるために勉強するのであり、それぞれのカテゴリーは学んだものをそのまま実用するという心構えで挑みましょう。