学校に在籍しているとよく聞く「カリキュラム」。子ども学校だけでなく、自分が所属している学校でも様々な学校のプランや授業内容を「カリキュラム」と言うことからこの言葉を近年耳にするようになりました。

同様に、大学に進学すると「シラバス」という言葉も聞くようになります。こちらも、授業内容全体を指すような言葉として聞くようになりました。

これら「カリキュラム」「シラバス」は、英語圏ではどう言うのでしょうか?
これら二つの言葉の違いと、英語ではどう表現するかを例文を交えてご紹介いたします。

「カリキュラム」「シラバス」とは?二つの言葉の違いは?

まずは、そもそも「カリキュラム」や「シラバス」の本当の意味は何でしょうか?日本の学校で使われているこれらの言葉の本当の意味をしっかり調べたことがあることはあまりいないと思います。

まずは、これら二つの言葉の意味と違いを日本語でご紹介していきます。

カリキュラム

「カリキュラム」とは、「教育課程」という意味です。ラテン語に基づく言葉で、その他に「ランニングコース」という訳語もあります。
意味としては、ある教育目標のために組み立てられた学習プラン・学習内容を指します。
学科や生徒の年齢によってその内容は異なっていきますが、主に大学で使われる用語として広まりました。
「ゴール」に向かうための、総合的な学習目標を「カリキュラム」と言います。

シラバス

一方で、「シラバス」とは「授業計画」のことです。
この言葉も大学で使われており、各授業の内容やその目的、単位や評価方法などが定められたものです。
授業を担当する教授によりその内容が異なり、最初の授業のときにその内容が生徒に示されることが多いです。学生たちは、シラバスを読んでその授業を受けることで何を得られるか、何を学ぶことができるかを知ることができます。
また、どのどんな参考文献を読んでどのようなレポートを書いけばどのくらいの評価が得られるかも分かるので、シラバスは教授にとっても生徒にとっても大事な存在です。

「カリキュラム」と「シラバス」の違いは?

「カリキュラム」と「シラバス」はぱっと聞くだけだと同じ意味に聞こえます。「カリキュラム」という大きなグループがあるとすれば、「シラバス」はそのグループの中にある小さなグループ群の一つとなります。

「カリキュラム」は、入学から卒業までの教育課程を表しています。年度によって細かく教育目標が定められており、段階を追って学びや知識が深められるように定められています。学生や生徒が一つの目標に近づいていけるように、カリキュラムが存在しています。
つまり、「カリキュラム」は教授一人だけが決めるものではなく、学校の組織全体が、複数の教師たちとともに議論を重ねて同意をしたうえで作成されるものです。

一方で、年度ごとの年間計画のことを「シラバス」と言います。
どのような参考文献、教科書を使って、どのような単位を取ってどのように学生生活を過ごしていけば良いのかが細かく示してあります。
また、シラバスは教授が個別に作ることが多いです。教授によって内容が大まかに定められていたり細かく計画されていたりします。そのため、学期の中でどのくらいレポートや宿題、課題などがあるのかも詳しいものからそうでないものがあります。

ちなみに、最近では企業でも、企業研修のことを「カリキュラム」と呼ぶことがあります。新入社員の研修など、画一的に社員を教育していくためにそう呼ばれているそうです。

「カリキュラム」は英語でどう言う?

「カリキュラム」は英語でどう言う?

「カリキュラム」は英語で「curriculum」と言います。

英語圏でも、「カリキュラム」(curriculum)は使われています。

「Curriculum」を使った例文

ここでは「Curriculum」を使った例文をご紹介します。意味は日本語の「カリキュラム」と同様なので、使いやすいはずです。

Aさん
What do you want to do for the curriculum next year?
訳)次の年のカリキュラムについてはどうしたいですか?
Bさん
I want to involve our students in making a curriculum. How about that?
訳)カリキュラム作りに私たちの生徒を参加させたいと思っています。どう思いますか?

「Curriculum」の類語

「Curriculum」の類語には、「educational program」「school-schedule」「program of studies」などがあります。

Aさん
The educational program here is really wide and shallow. Don’t you think so?
訳)ここの学校のカリキュラムは広くて浅いと思いませんか?
Bさん
No, I don’t think so. I just checked the school-schedule and it is wonderful!
訳)そんなことないと思うよ。今学校のスケジュール(カリキュラム)を見てみたけどとっても素晴らしいよ。

「シラバス」は英語でどう言う?

シラバスは、英語でそのまま「syllabus」と言います。
ギリシャ語に由来しており、「授業摘要」「授業計画」「時間割」などの意味があります。日本のカタカナ英語として使われている「シラバス」も同様に、授業内容やスケジュールなどをまとめた「授業計画」の意味として使われることが多いです。

「Syllabus」を使った例文

ここでは「Curriculum」を使った例文をご紹介します。

Aさん
Have you finished making your syllabus for next year?
訳)来年のためのシラバスは作り終えました?
Bさん
No, not yet. I have been busy with classes lately. But I have to make a syllabus in English because there will be many foreign students next year.
訳)まだですよ。クラスで最近忙しいんだ。でも、来年は外国からの生徒もいっぱいいるから英語のシラバスも作らなきゃいけないんだ。

英語の「Syllabus」も、日本語の「シラバス」と同様の意味なので使いやすいですね。

Aさん
I didn’t read the syllabus carefully so I was surprised to know that I have to write an essay for every class.
訳)ちゃんとシラバスを読まなかったので、毎回クラスで論文を書かなければならないと知ってびっくりしたよ。

「Syllabus」の類語

「Syllabus」の類語

「Syllabus」の類語としては、「Outline」「Resume」「Summery」などがあります。

それぞれの英単語は、「Outline」は、「概要」、「Resume」は「摘要」、「Summery」は「要約」という日本語の意味になります。

Aさん
Have you read a resume of the lecture?
訳)講義の概要は読みましたか?

学期始めは「レジュメ」「シラバス」を上手に使おう

いかがでしたか?9月には欧米は新学期が始まります。新学期には「レジュメ」や「シラバス」という言葉が飛び交います。それぞれの違いを理解して、上手く「レジュメ」と「シラバス」を使い分けられるようにしておくと良いでしょう。