皆さんは何か物を買った際「取扱説明書」を見るタイプですか?
普段から使い慣れている製品であれば、取扱説明書無しでもスムーズに使い始められますが、不慣れな物だとチンプンカンプンになりがちですよね。特に最近の家電なんかは、スイッチがどこにあるかすらもわかりづらいものです。
さて、ということで今回のテーマは「取扱説明書」。英語で取扱説明書を何て言うか、類語である「手引書」や「解説書」などを表す英語表現などについて、詳しく解説していきます。
それでは、早速始めていきましょう!
「取扱説明書」は英語で何て言う?
商品などに付いてくる「取扱説明書」は、主に “user’s manual” あるいは “instruction manual” と呼ばれます。それぞれに共通している “manual” という単語が「説明書」を表します。
manual とはもともとラテン語の “manualis” を語源にしており、「手」や「手で行うこと」を意味する言葉です。そこから、手で作業する機器の説明も含めて manual と呼ぶようになりました。
たとえば、自動車の免許を取ったことがある人なら「マニュアル車(manual transmission car)」「オートマ車(automatic transmission car)」という区別を聞いたことがあるでしょう。あのマニュアルもまた「手」でレバーを動かしますよね。
This shoe doesn’t come with a manual.
訳)この靴には取扱説明書が付いてないよ。
That’s because you can probably put them on without using your hands.
訳)手を使わずに履けるからじゃないかな。
That makes sense, They’re definitely slip-ons.
訳)なるほどね、確かにこの靴スリッポンだ。
Just kidding.
訳)冗談だけどね。
user’s manual と instruction manual はどちらも取扱説明書という意味で使えますが、その表すニュアンスが少々異なります。以下でそれぞれ確認しておきましょう。
「user’s manual(ユーザーズ マニュアル)」のニュアンス
user’s manual は、製品を「どう使うか」を説明する取扱説明書です。そのため、極端な言い方をすれば「読まなくてもなんとかなる取扱説明書」というニュアンスになります。
たとえば、完成された本棚を購入した場合、その使い方や注意点について書かれている取扱説明書は user’s manual が適切です。文字通り 「使う(use)」ための説明書ということですね。
How much weight can this bookshelf hold?
訳)この本棚はどれくらいの重さに耐えられるかな?
Consult the user’s manual.
訳)取扱説明書を見てみなよ。
「instruction manual(インストラクション マニュアル)」のニュアンス
instruction manual には、製品を「どうやって使えるようにするか」を説明する取扱説明書です。instructionには「教える、指導する」という意味があるので、文字通り必要な手順を教えてくれる先生のような存在だといえます。
先ほどの user’s manual と違って、instruction manual は「読まないと上手く使えない取扱説明書」といったニュアンス。たとえば、自分で組み立てるタイプの本棚を買ったとして、木の板がたくさん並んでいる状態から、説明書無しで完成させるのは至難の業ですよね。
This bookshelf has arrived. How should we assemble it?
訳)本棚が届いたよ。どうやって組み立てよう?
Let’s start by checking the instruction manual first.
訳)まずは取扱説明書を見てみよう。
とはいえ、user’s manual と instruction manual は厳密に使い分けられているわけではなく、多くの場面で混同して使われています。実際、両方の要素を含む取扱説明書もありますしね。
そのため、実際に使う際には、それほど違いにこだわらず、自分の言いやすい方の表現を使ってしまってOKです。
「手引書」など、取扱説明書の類語は英語で何て言う?
最後に、取扱説明書と似た意味で使われる「手引書」「案内書」「解説書」という3つの表現についても、英語で何て言うのか確認していきましょう。
それぞれに若干ニュアンスが異なるので、この機会にぜひ覚えてみてください。
「手引書」in English
「手引書」を英語で表す場合は、先述の “manual” のほか “handbook” という表現も良く使われます。日本語でも「ハンドブック」とカタカナ英語で浸透していますね。
handbook の語源は見たまま「手(hand)の本(book)」なので、手引書という訳語にピッタリですね。
また、「~への手引書」と表現する場合は “handbook for ~” とするのが一般的です。
This handbook for English beginners is very easy to understand.
訳)この英語初心者への手引書、めちゃくちゃわかりやすい。
It’s a must-have for us.
訳)僕たち必携の書だね。
「案内書」in English
「案内書」を英語で表すと “guidebook” になります。こちらも「ガイドブック」とカタカナ英語で定着しているので、耳馴染みがあるでしょう。また、book を省いて単に “guide” と言うこともあります。
guide とはもともと、ツアーガイド(旅行案内)のように、何かを案内する「人」を指す言葉です。そこから、案内人のように親切な内容が記載されている本も表すようになりました。
Look, this is the view that was in the guidebook!
訳)見て、これガイドブックに載ってた景色だよ!
Wow!
訳)すげえ!
「解説書」in English
「解説書」を英語にすると “commentary” になります。発音は「コメンタリー」です。
commentary と instruction manual は一見意味が似ていますが、こちらは手順などに関係ない、内容などへの解説が書かれた本です。他の言葉だと「論評」が近いでしょう。
何かを使うのに役立つのが instruction manual、知識として役立つのが commentary と覚えておきましょう。
This column feels more like “a commentary” than “an instruction manual” for English.
訳)このコラムは英語の「説明書」っていうより「解説書」みたいなもんだね。
You said it.
訳)まさに。
まとめ
今回は「取扱説明書」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。
取扱説明書は英語で “user’s manual”、あるいは “instruction manual” と言います。前者は製品を「どう使うか」、後者は「どうやって使えるようにするか」を主軸に書かれていますが、実際は混同して使われることも多くあります。
今回ご紹介したことが、皆さんにとっての「英語の取扱説明書」になっていれば嬉しい限りです。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!