ビジネスシーンなどで、海外の方と英語で会話をする機会があるという方もいるでしょう。普段あまり英語を使わない場合は、電話対応が難しく感じてしまうこともあるかもしれません。
今回は、ビジネスシーンで使える英語での電話対応の方法をご紹介していきます。また、簡単に使うことが出来る英語についても一緒にチェックしましょう。
英語で電話対応をする時に大切なこと
自分の英語に自信を持つ
英語に対して苦手意識がある場合は、自分が話す英語に自信が持てないのではないでしょうか。「英語表現が間違えていたらどうしよう」「うまく伝わらなかったら恥ずかしいな」などとネガティブになったりしていませんか。
対面で会話をする時は表情を豊かにしたり、身振り手振りで伝えたいことを表現したりすることが出来ますが、英語ではお互いの顔が見えないため、声だけが頼りになります。そのため、自分の英語に自信を持って堂々と話すようにしてみてください。
電話でうまく伝わるように英語で話すのは、最初は試練のように感じるかもしれませんが、慣れてくると、自信を持って話せるようになるものです。
聞き取りやすい声で話す
電話対応は、大きな声で相手が聞き取りやすいように話すことが大切です。あまりにも小さい声だと、電話の向こうにいる相手には聞き取ってもらえません。また、早口で話してしまうと分かりにくいため、ゆっくりと話すことも心がけるといいでしょう。
英語を話すときは、イントネーションに気を付けると聞き取ってもらいやすくなります。英語での電話対応に慣れていない方は、英語が得意な方を相手に練習しておくと安心です。
簡単で分かりやすい英語を使う
ビジネスシーンということで、難しい単語や表現を使いたいと思っている方もいるでしょう。しかし、無理をして難しい英語を使うと、相手もそれに合わせて上級者向けの英語を話してくる可能性があります。
その結果、対応しきれずに円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまうかもしれません。そのため、自分が無理なく会話をすることが出来るように、最初から簡単な英語を使うようにしてください。シンプルな表現で会話をすることにより、英語で話すということに気を取られることなく、本来の目的である仕事に集中することが出来るようになります。
カタカナ英語にならないように気を付ける
英語で電話対応をする時は、カタカナ英語にならないように気を付ける必要があります。ネイティブのように流暢な英語を話せるようにならなければいけないということはありませんが、せっかく英語を使っているのにカタカナ英語のままでは会話が成立しない可能性が高くなってしまいます。自分の英語がどのレベルなのか判断するのは難しいので、ネイティブスピーカーや英会話教室の先生などに聞いてみるのもいいでしょう。
電話のかけ方とは?
話したいことを整理しておく
まず電話をかける前に、どんなことを話したいのか整理しておくようにします。英語での電話対応に慣れていないうちは、英語で話すことだけに集中して要件を忘れてしまいがちです。伝え漏れがあったらまた電話しなければいけなくなり、仕事が滞ってしまいます。ビジネスシーンで使う専門用語などがあれば事前にチェックしメモしておくと慌てる心配がありません。また、英語での電話のかけ方について再確認することも忘れないようにしてください。
自分の情報を伝える
電話をかけて相手が受け取ったら、”Hello. This is 〇〇 from ××corporation“と自分の名前と会社名をしっかり名乗りましょう。ビジネスシーンだけではなく、プライベートでの電話でも最初に自分の情報を伝えることはマナーになります。この文章の場合、〇〇に自分の名前、××に会社名が入ります。最初の印象が大切になるので、明るい声でハッキリと伝えるようにしてください。
基本的なことですが、電話では自分の名前を述べるとき、”I’m … ”ではなく、”This is … ”と言うようにしましょう。
要件を話す
どのような用件で電話をかけたのかを伝えましょう。”I’m calling about ~“という表現が使えます。日本語で言うなら、「~の件で電話しています」と述べる感じです。ビジネスでの電話の場合、何かしら要件や電話をかける目的があるので、それを最初に明確にしましょう。
もし最初に電話に出た相手が担当者ではなかった場合は、”May I speak to △△?” と伝えて代わってもらいます。△△には担当者の名前が入ります。担当者が不在だった場合は、折り返しをしてもらう必要があります。”Would you tell him/her to call me back, please?“「彼/彼女に、私にかけ直すように伝えていただけませんか」などと言いましょう。
留守番電話にメッセージを残す
仕事で会社に電話した場合は、会社の誰かが電話に出てくれますが、個人のビジネス用の携帯電話に電話をかけることもあるでしょう。個人の携帯電話の場合、会議中だったり電車や車で移動中だったりすると、留守番電話メッセージが流れることがあります。
英語の留守番電話のメッセージはだいたい文言が決まっており、こんな感じです。
I’m not available now. Please leave your message after the beep.
今電話に出られません。ピーという音の後に、メッセージを残してください。
留守番電話メッセージが流れたら、何かしら英語でメッセージを残すようにしましょう。また後でかけ直してみようと思って、留守電に何もメッセージを残さずに切る人もいますが、ビジネスの大事な要件の場合特に、きちんとメッセージを残した方が相手に対する印象がいいです。
留守電に残すべきメッセージの内容は、下記のとおりです。
- 自分の名前
- 要件の概要(手短に)
- かけ直してほしいか、自分からかけ直すか
英語で留守番電話にメッセージを残すといっても、慣れていないと、うまくメッセージが残せないものです。メッセージが残せる尺が短いので、手短かに少し早口で英語を話すようにしましょう。
電話の受け方とは?
頭をすぐに切り替える
日常業務を日本語で行っている場合、突然英語での電話対応をすることになったら焦るという方もいるでしょう。電話の相手が英語を話していると分かったら、その時からすぐに頭を切り替えて英語で対応していきます。”Hello. This is ××company“と会社名を名乗ります。最初は慣れずにすぐ英語が出てこないかもしれませんが、慣れていけばすぐ切り替えられるようになります。相手のテンションに合わせて話すことを心がけるといいでしょう。
要件を聞く
電話対応の受け方として大切になってくるのは、相手の要件を正しく理解するということです。最初に相手の情報を聞く必要があるため、”May I have your name, please?“「お名前をお伺いしてもいいですか?」という表現を使います。念のためメモに残しておくといいでしょう。用件を聞く時は、”How can I help you?“です。自分への電話の場合は、”Speaking”と言ってそのまま会話を続け、別の担当者宛ての電話の場合は “I’ll put you through” 「おつなぎします」と言って電話を代わります。
担当者が不在の場合
担当者が対応できない時は、”He/She is not available now.”「彼/彼女は今電話で話せません」と伝えます。メッセージを残したいかを確認するために”Would you like to leave your message?“「メッセージを残したいですか?」と聞くのもいいです。
折り返しが必要かどうかを確認するために “Would you like him/her to call you back?“「彼/彼女に折り返し電話してほしいですか?」と尋ね、必要であれば電話番号を聞くために “May I have your phone number, please?” 「電話番号をお伺いしてもいいですか?」と言いましょう。この場合、間違いがないように番号の確認を行うようにしてください。
もし電話をしている最中に相手を待たせてしまうことがあるのなら、”Could you hold on a minute, please?” と一言伝えるようにすると丁寧です。電話で「待つ」を意味する英語には、wait ではなく “hold on”をよく使います。
英語を上達させるためには?
英語に慣れる
仕事で英語を使うためには、日常的に英語に触れておくことが大切です。例えば、日ごろから洋画を見たり洋楽を聞いたりするだけでも違います。自分が楽しいと思えることを取り入れていってください。他にも、英会話を習ったりすることも英語の上達に繋がっていくでしょう。このように英語を聞いたり話したりする機会が多ければ多いほど、英語に慣れていくことが出来ます。苦手意識を克服すれば、英語での電話対応も心に余裕をもって行うことが可能になります。
自分に自信を付ける
英語を話すという以前に、自分に自信がなければ相手に自分の考えを伝えることが難しくなってしまいます。人からどう思われているのかを気にしすぎると、英語の話し方もぎこちないものになってしまうでしょう。また、すでに英語が上手な人と自分を比べてしまうとネガティブになってしまうので注意が必要です。英語は正しい発音をしなければ相手に伝わらなくなってしまうので、恥ずかしがらずにネイティブの発音を真似してみてください。
間違いを恐れない
英語で話すときは、覚えた文章を一語一句間違えないようにしなくてはいけないと思っていませんか。間違えることが怖くなって思うように話せなくなると、会話が前に進みません。ビジネスシーンということで出来るだけ間違いのないように話そうとする意識を持つことは大切ですが、失敗を恐れずにどんどん話すことが上達への近道です。プライベートでネイティブスピーカーの方と話す機会がある場合は、自分から積極的に話してみてください。間違った部分はしっかり復習し、次に生かしていきましょう。
電話の対話文の実例
電話の受け答えの対話文の実例を見てみましょう。
<相手が電話に出られる場合>
訳)ABCコーポレーションです。いかがいたしましょうか。
訳)こんにちは。XYZコーポレーションの鈴木です。システム開発の件で電話しています。吉田さんと話せますか?
訳)おつなぎします。少々お待ちください。
<相手が電話に出られない場合>
訳)ABCコーポレーションです。いかがいたしましょうか。
訳)こんにちは。XYZコーポレーションの鈴木です。再生可能エネルギー案件の件で電話しています。田中さんと話せますか?
訳)田中さんは今電話に出られません。彼女は会議中です。彼女にメッセージを残したいですか。
訳)はい。彼女に私にかけ直してもらうように伝えてもらえますか。
訳)もちろん。彼女にあなたにかけ直すように伝えておきます。
心に余裕をもって電話対応をしよう
電話対応に慣れていたとしても、英語での電話対応となると不安になってしまう方もいるでしょう。
電話をかける前にしっかり準備をしておくことで、余裕を持って対応することが可能になります。電話で使う可能性がある表現や単語は覚えておくと安心です。電話でよく使われる表現や単語はあまり多くなくて限られています。英語を上達させるために、日ごろから英語に慣れるように洋画を見たり、話したりするのもきっと役立つでしょう。