今回のテーマは「部下」です。

英語で部下を表現する際、大きく3種類の言い方に分けられますが、それぞれにニュアンスが大きく異なります。この記事では、それらの意味や使いどころの違いについて、詳しく解説します。

また、記事の後半では「上司」や「同僚(仕事仲間)」を英語で何と言うかについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「部下」は英語で何て言う?

「部下」は英語で何て言う?

「部下」に相当する英語表現は、”team member”、”subordinate”、”workforce” の3種類です。

しかし、一括りに「部下」といっても、これら3つの表現はそれぞれにニュアンスが大きく異なるので、使いどころには注意が必要です。

以下で、1つずつ詳細を確認していきましょう。

組織の一員としての「部下」:team member

「部下」の意味で最も使いやすいのが “team member” という表現です。“team member” は直訳すると「チームの一員」であり、本来は社員全般を指しますが、部下の意味でも使われます。

日本の場合、上下関係が根強い文化であるため、役職に応じて上司か部下かを明確にすることが多いですよね。しかし、アメリカやイギリスでは縦ではなく横の繋がりが重視されることが多いので、たいていは “team member” と、対等な存在として表現します。

そのため、たとえば「私の部下」と言いたければ “my team member” とすればOKです。

Aさん
His name is B, and he is one of my team members.
訳)彼の名前はBくん、私の部下の1人です。
Bさん
Hello, I’m B. Nice to meet you.
訳)こんにちは、Bです。よろしくお願いします。

 

配下としての「部下」:subordinate

日本語の「部下」という言葉と成り立ちが近いのが “subordinate” です。発音記号は【səˈbɔːrd.ɪ.nət】で、カタカナだと「サバーディネイト」と聞こえます。

“subordinate” を分解すると「下の(sub-)順序に置かれている(-ordinate)」となり、自分より立場が下の人を表す際に使用されます。

しかし、subordinate には相手を下に見ているニュアンスがあるため、実際の部下が目の前にいるシーンで使用するのはNGです。イメージとしては「部下」というより「配下」に近い印象になります。

英語圏のビジネスシーンでは、各社員が対等な立場にあるという認識が一般的なので、わざわざ subordinate と明言するシーンは多くありません。

そのため、同じ職場で働く部下を表す際は、“subordinate” は積極的に使わず、なるべく “team member” を使う方が無難だといえるでしょう。

Aさん
His name is B, and he is my subordinate.
訳)彼の名前はBくん、私の配下だよ。
Bさん
Whoa, even if you’re my boss, isn’t that a bit harsh the way you put it?
訳)おっと、いくらあなたが僕の上司だからといって、その言い方はひどいんじゃない?

 

Aさん
Sorry, I misspoke. I meant to say you’re one of my team members.
訳)ごめん、言い方を間違えたよ。君は部下の1人だと言いたかったんだ。

従業員としての「部下」:workforce

社長などから見た社員としての「部下」を表す際は、”workforce” という表現が使われることもあります。発音記号は【ˈwɜːrkˌfɔːrs】、カタカナだと「ワークフォース」となります。

“workforce” は、もともと「労働(work)力(force)」という意味です。そこから、会社を成り立たせる力である従業員の意味も表すようになりました。

“workforce” は、個々の部下ではなく集合体としての部下を表します。そのため、基本的には会社のトップくらいしか使う機会はないでしょう。

結局「部下」は英語で何と言うべき?

以上「部下」を表す3種類の表現を確認しましたが、結論として、英語で「部下」を言い表す際は “team member” を使うのが間違いありません。

“subordinate” は見下すニュアンスがあり、”workforce2 は会社のトップ層しか使えない表現なので、ビジネスシーンで自分の部下を表す際に使うことは少ないでしょう。

なお、英語圏のビジネスシーンでは、その人が部下なのか上司なのかより、どのような役職かの方が大きな意味を持ちます。そのため、個々人の部下を相手に紹介する場合は、“my assistant ○○” などと役職名と個人名を繋げて言うのもおすすめです。

Aさん
He is my assistant, B.
訳)こちら、私のアシスタントをしてくれてるBくん。
Bさん
Nice to meet you. I’m B. I look forward to working with you.
訳)はじめまして、Bです。以後よろしくお願いします。

 

「上司」は英語で何て言う?

「上司」は英語で何て言う?

英語で「上司」を表現する際は “boss”、”supervisor”、”manager” がよく使われます。

これらについても、部下の場合と同様それぞれのニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

上司①:boss

日常的に「上司」の意味で最も使われるのが “boss” です。実際に使う際は、”my boss”(私の上司)や “our boss”(我々の上司)などと、所有格を付けます。

日本語で「ボス」というと、組織のトップに立つ人だけを指すイメージがありますが、英語の “boss” は社長に限らず、幅広い上司を表せます。

その際、「直属の上司」である点を強調したければ “immediate boss” と言えばOKです。また、社長など「最も偉い上司」の場合は “big boss” と言う場合もあります。

上司②:supervisor

「上司」をフォーマルに表現する際に使えるのが “supervisor” です。“boss” の場合と同様、実際の使用シーンでは “my supervisor2 や “our supervisor” の形で使われます。

“supervisor2 はもともと「監督する人」という意味で、会社の上司というよりは、建築現場などでの作業監督の意味で使われることが多いです。

上司③:manager

前述の “supervisor” と同様、「上司」をフォーマルに表現する際に使われる表現として “manager” も挙げられます。

“manager” はもともと「管理(manage)する人」という意味で、意味構成も “supervisor” に似ています。しかし、”supervisor” が主に現場仕事の監督を意味していた一方、”manager” は主にオフィスを管理する上司の意味で使われます。

「同僚(仕事仲間)」は英語で何て言う?

「同僚(仕事仲間)」は英語で何て言う?

英語で「同僚」や「仕事仲間」と表現する際は “colleague”、”co-worker”、”associate”、”workmate” の4種類がよく使われます。それぞれのニュアンス差は以下の通りです。

  • colleague:同じ組織で働く仲間
  • co-worker:組織は違ったとしても、一緒に働いている仲間
  • associate:共同経営者や取引相手などのビジネスパートナー
  • workmate:職場の同僚を表すカジュアルな表現

会社勤めをしているのか、フリーランスなどで個人として働いているのかなどによって、適する言い方が変わってくるので、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

まとめ

今回は「部下」を英語で何と言うかについて、「上司」や「同僚(仕事仲間)」を含め、詳しく確認してきました。

「部下」を表す代表的な英語表現は ”team member”、”subordinate”、”workforce” の3つですが、迷ったら “team member” を使っておくのが間違いありません。その他2つの言い方は、文脈や自分の立場によっては不適切な言い方になりかねないので、使いどころには注意が必要です。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!