皆さんのお住まいの市や区には、それぞれ市長や区長がいて公務を行なっています。市民や区民が安心して健康に暮らせるよう、様々な計画や制度などの案を各議会に提出する仕事をしているため、実は私たちの暮らしに大きく関わっています。

ところで、これらの市長または区長や町長はどのように英語で表現するのでしょう?

記事では、市長や市長選挙などの英語表現について取り上げます。普段それほど使わない言葉ですが、この機会に一緒に学びましょう。

大使の英語

市長の英語を紹介する前に、まずは「大使」について簡単にみていきましょう。イギリスから日本に赴任する英国大使、逆に日本からの大使は駐英日本大使のように呼ばれます。

大使はambassador

大使の英語は「ambassador」です。ambassadorの意味は、外国に駐在する特命全権大使となります。特命全権大使は領事の持っていない外交活動を行なう権限を持っています。

日本では最近、企業などからの依頼によって、公式にブランド、サービスや商品の広報活動をする人をアンバサダーと呼んだりしていますね。

Aさん
Julia Longbottom is a British diplomat and the current Ambassador of the United Kingdom to Japan.
訳)ジュリア・ロングボトム氏は英国の外交官であり、現在の駐日英国大使を務めている。

a British diplomat=英国の外交官
Ambassador of the United Kingdom to Japan=駐日英国大使

ご自分の好きな外国の大使を調べてみるのもおすすめです。

市長の英語

市長の英語

さて、市長の英語に話を進めましょう。
英語で市長は「mayor」がもっとも一般的な表現になります。mayorは、イギリス英語でメア、アメリカ英語ではメイアァのように発音します。可算名詞ですので1人の市長はa mayorやthe mayor、2人以上の市長について話すのであればmayorsにしましょう。

市長はMayor

市長はmayorの他、city mayorや、特にイギリスではLoad mayorのように言うこともあります。
例えば、ロンドン市長はthe mayor of LondonまたはLord mayor of Londonのように表現します。

Aさん
Sadiq Khan was elected with 57% of the vote in 2016, and became London’s first Muslim Mayor and first ethnic minority Mayor.
訳)サディク・カーンは2016年に投票の57%で当選、ロンドン初のイスラム教徒市長及び初の少数民族市長となった。

2024年、現在のロンドン市長はサディク・カーン氏。EU離脱によってロンドン金融街は甚大な損害を受けたと2度目のブレグジット国民投票を求めたりとはっきりとした主張をしています。イギリス在住の筆者は一度、どんな質問にも答えるQuestion timeというイベントのために市長であるカーン氏が地元に来たときに参加しましたが、用意されたペーパー無しで多くの質問に答える姿が印象に残っています。

Aさん
Boris Johnson served two terms as the Mayor of London before being succeeded by Khan.
訳)ボリス・ジョンソン氏はカーン氏に引き継がれるまで、ロンドン市長を2期務めた。

ちなみに、前ロンドン市長はあのボサボサ頭のボリス・ジョンソン氏。どんな人が市長になっても好き嫌いはあるようですが、多くの市民の声に応えなければならない職務であることは確実です。
市長には任期があります。任期の英語は”term”であり、この例文ではジョンソン氏が2期(two terms)、市長であったことを言っているんですね。

東京都の区長もmayor

東京には23の区があり、それぞれに区長がいます。
この場合も、英語mayorを使い表現します。
例えば、2022年に杉並区長になった岸本聡子氏であれば、the Mayor of Suginamiというフレーズになります。

Aさん
Satoko Kishimoto is the first female Mayor of Suginami, Tokyo.
訳)岸本聡子氏は東京、杉並区初の女性区長である。

副市長の英語

市長を補佐する者として、副市長という職があります。
この場合、代理の・副~という意味を持つ形容詞deputyという単語が使われます。ゆえに、副市長の英語は「deputy mayor」というフレーズになります。

ちなみに副は副でも、副大統領はvice presidentです。
viceは正式な組織の幹部職を指し、一方deputyは特定の役割を実行するために任命され代理人となる人を指します。

Aさん
The Deputy Mayor has been working frantically to support the Mayor.
訳)副市長は市長をサポートするために必死に働いています。

franticallyには”必死に、夢中になって”といった意味があります。

町長の英語

次は、町内の住民から直接選ばれる町長の英語をみて行きましょう。町長は地方公共団体である町の長です。

町長はTown Mayor

町長もMayorを使い「Town Mayor」または「the Mayor of a town」のように表現します。市長にはcity mayorというフレーズがありましたが、townは町に当たる単語だからなのですね。

Aさん
The mayor of a town attends the annual town council meeting.
訳)町長は年次町長会会議に出席します。
Aさん
The new mayor of a town is only 46 years old.
訳)新しい町長はまだ46歳です。

市長選挙の英語

市長選挙の英語

皆さんは選挙に行きますか?自分1人くらい投票しなくてもいいじゃない、と人任せにしていると意見が反映されなくなってしまいます。
選挙権年齢は18歳以上に引き下げられました。ぜひ、投票へ行くとともに、関連する英語表現もチェックしましょう。

市長選挙はmayoral election

mayoralという形容詞には「市長の」、そしてelectionには「選挙」という意味があります。これらの組み合わせによる「mayoral election」が市長選挙です。
他には、city mayor election/mayoral pollといったフレーズもあります。pollには”投票・開票”の意味があり、イギリスの投票所には”polling station”という貼り紙がしてあります。

選挙にまつわる英語

イギリスでは、投票所へ行くだけでなく、postal voteという郵送による投票システムがあります。
また、海外に住む日本人は参議院・衆議院選挙という国政選挙に限り、大使館などで投票することができます。

以下、選挙に関連する英語を紹介します。

選挙 election/voting
選挙日 election day
投票用紙 voting paper/ballot
選挙権 right of vote/right of voting
立候補者 candidate/election candidate
投票する vote/ballot

Aさん
A person who is at least 18 years old can be a candidate in the UK Parliamentary General Election.
訳)英国議会総選挙の候補者となることができるのは18歳以上の人である。

被選挙権(選挙に出る)には年齢の規定がありますね。日本の市長や衆議院議員は25歳以上、参議院は30歳以上であり、イギリスの18歳との違いが分かります。

Aさん
I’ll go to the Embassy of Japan in the UK in London and will vote in the election for the lower house of Parliament this year, because I don’t want to waste my voting opportunity.
訳)私はロンドンの在英国日本大使館に行って、今年の衆議院選挙に投票する予定。だって、投票の機会を無駄にしたくないからね。

市長や区長の英語まとめ

本記事は少しかたい内容でしたが、市長や副市長の英語をみてきました。必須で覚えたい単語はmayorです。mayorを覚えれば、後はcityやtownといった身近な単語の組み合わせで語彙を増やすことができます。

まずはご自身の住む行政のことから知って理解し、あとは興味のある国の選挙制度まで理解できるようになると素晴らしいですね。将来の夢に英語を話す市長など、いかがでしょう?!