日本語で「傷」と言うと、かすり傷や切り傷など、さまざまな状態の傷をまとめて表現できます。

しかし、英語では「傷」のなかにも複数の英語表現があり、どのような傷なのかによって表現を使い分ける必要があります。また、「傷」という単語は物理的な傷のほかに、「心の傷」など見えない傷を表現することもありますね。

そこで今回は、「傷」の英語表現について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

「傷」とは?

「傷」とは、体の一部が何らかの外的要因によって損傷を受けた状態を指します。

たとえば、切り傷、打撲傷、擦り傷など、さまざまな種類があり、これらをまとめて「傷」と言います。また、精神的な損傷を指す場合もあり、「心の傷」といった表現が使われることもあるでしょう。

物理的な傷は治療によって治ることが多いですが、精神的な傷を治すには時間が必要で、医療機関に通院するなど専門家の助けが必要になることもあります。

「傷」という言葉はどのような場面で使用する?

「傷」という言葉はどのような場面で使用する?

では、「傷」の英語表現を確認する前に、どのような場面で使われる言葉なのか見ていきましょう。

  • 物理的な損傷:何かにぶつかったり、落ちたりして肉体的に傷ついた場合。
  • 精神的な損傷:言葉や行動によって精神的なダメージを受けた場合。トラウマや過去のネガティブな出来事が心に影響を与えている状態。
  • 比喩的な使用
    「そのニュースは会社の信用に傷をつけた。」:何かが組織や人の評判を損なうこと。
    「彼のプライドに傷を負わせた。」:誰かの自尊心を傷つける行為。

このように、「傷」という単語は物理的、精神的な傷を表現できるほか、比喩的な表現としても用いられることがわかります。

「傷」は英語でなんていうの?

では、「傷」の英語表現を見ていきましょう。
「傷」は英語で”wound” “injury” “cut”と表現されることが一般的です。ただ、単語によって表現できるニュアンスや意味合いが異なるため、違いを見ていきましょう。

  • wound:傷、負傷、けが、痛手、損害
    ニュアンス:”wound”は主に肉体的な傷を指し、特に切り傷や銃創など深い傷に使われます。
    Aさん
    He suffered a deep wound in the battle.
    訳)彼は戦いで深い傷を負った。
  • Injury:傷害、危害、損害、損傷、傷つけること、無礼
    ニュアンス:”injury”は、事故や運動中の怪我など、広範な肉体的損傷に使われます。
    Aさん
    She sustained an injury while playing soccer.
    訳)彼女はサッカーをしている間に怪我をした。
  • cut:切る、切る、傷つける
    ニュアンス:皮膚が刃物や鋭い物によって切れたときの傷を指すために用いられます。
    Aさん
    I got a small cut on my finger while cooking.
    訳)料理中に指を少し切ってしまった。

このように、傷といっても、傷の種類や状況によって単語の使い分けが必要となります。また、精神的な傷害を表す際には”emotional wound”や”psychological injury”などの表現が使われることもあります。

「傷」にまつわる英語

両親を英語で”wound” “injury” “cut”と表現することがわかりましたが、「擦り傷」「かすり傷」、「心の傷」など、関連する表現を覚えておくとよりスムーズに会話できます。ここでは、「傷」にまつわる英語表現を紹介します。

  • 擦り傷:scrape or abrasion
    “scrape” “abrasion”は皮膚が擦れて起こる浅い傷を指します。
    Aさん
    I fell and got a scrape on my knee.
    訳)転んで膝に擦り傷を負った。
  • かすり傷:graze
    “graze”は軽く擦れた傷や、皮膚がかすかに傷ついた状態を指します。
    Aさん
    The bullet only caused a graze on his arm.
    訳)弾丸は彼の腕にかすり傷をつけただけだった。
  • 心の傷:emotional wound or psychological scar
    “emotional wound” “psychological scar”は精神的なトラウマや深い感情的なダメージを指します。
    Aさん
    The incident left deep emotional wounds.
    訳)その出来事は深い心の傷を残した。
  • 切り傷:cut or laceration
    “cut” “laceration”は鋭い物体によって皮膚が切れる傷のことを表現します。
    Aさん
    He has a deep cut from the glass.
    訳)彼はガラスで深い切り傷を負った。
  • 打撲傷:bruise or contusion
    “bruise” “contusion”は衝撃によって皮下組織が傷つき、皮膚の下に血が溜まることで生じる青あざを表現できます。
    Aさん
    She got a big bruise on her leg after falling.
    訳)転んだ後、彼女の足に大きな打撲傷ができた。

このように、傷の種類によって表現を覚えておくと、より細かなニュアンスを表現できます。

「傷」を使った英会話例文

「傷」を使った英会話例文

最後に、さまざまな「傷」を使った英会話例文を見ていきましょう。

■cut (切り傷)

Aさん
She accidentally got a cut on her finger while chopping vegetables.
訳)彼女は野菜を切っているときに、うっかり指を切ってしまった。

■scrape (擦り傷)

Aさん
He fell off his bike and got a scrape on his elbow.
訳)彼は自転車から落ちて、肘に擦り傷を負った。

■bruise (打撲傷)

Aさん
After bumping into the table, she noticed a bruise on her leg.
訳)テーブルにぶつかった後、彼女は足に打撲傷を見つけた。

■emotional wound (心の傷)

Aさん
The harsh words from her friend left an emotional wound.
訳)友人からの厳しい言葉が心に傷を残した。

Bさん
Yeah, I could see the pain in her eyes. It’s important to be kind with our words.
訳)ええ、彼女の目に痛みが見えました。私たちの言葉は優しくあるべきですね。

Aさん
Absolutely. Sometimes, we don’t realize how deeply our words can cut.
訳)本当にそうですね。私たちの言葉がどれほど深く傷つける可能性があるか、時々気づかないものです。

■laceration (裂傷)

Aさん
The accident caused a deep laceration on his arm.
訳)その事故で彼の腕に深い裂傷ができた。

これらの例は、異なる種類の「傷」が実際の文脈でどのように使われるかを示しています。

まとめ

今回は「傷」の英語表現について解説しました。

「傷」を英語で表現する場合、”wound” “injury” “cut”が基本の単語となりますが、単語によってニュアンスが異なるため、どのような違いがあるのか知っておくことが大切です。

また、傷を表す際、「切り傷」や「かすり傷」など、細かなニュアンスを伝えられる表現を覚えておくとより会話がスムーズになります。

ぜひ今回の記事を参考に、「傷」の英語表現を覚えて、英会話に活かしてみてください。