英語は日常生活の中でも見たり聞いたりすることが多い言語です。しかし、日本の英語力は決して高くはありません。英語の読み書きは、学校でも勉強するためある程度の英語力は見られます。しかし、話したり聞き取ったりする力は他のアジアの国々よりも低いのです。英語力を上げるためにも、副音声でスポーツ観戦をして英語に触れる機会を増やしましょう。特にバレーボールはオリンピック競技の一つでもあるのでおすすめです。
オリンピックにおけるバレーボール競技
オリンピックは世界的なスポーツの祭典であり、4年に一度開催されるのが特徴です。諸説ありますが、古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた競技がオリンピックの起源と言われています。古代オリンピックは戦乱によって歴史から姿を消してしまいますが、1896年に鎮台オリンピックとして復活しました。オリンピックは夏季大会と冬季大会があり、多くの競技種目が実施されます。バレーボールが正式競技として認められたのは1964年の東京オリンピックでした。オリンピックで行われるバレーボールの試合は、国際バレーボール連盟が主催する3大公式戦の一つです。
オリンピック・ワールドカップ・世界選手権は「バレーボール三大大会」と呼ばれています。オリンピックは世界中のバレーボール選手にとっても目指すべき大きな目標なのです。女子の団体種目としてオリンピックに採用された最初の種目が女子バレーボールでした。1964年の東京オリンピックで男女ともに6人制が正式競技となったのもポイントです。オリンピックは、開催国1枠・ワールドカップ2枠・5大陸予選5枠・世界最終予選4枠の計12国が出場します。オリンピックでは、1次ラウンドと決勝トーナメントによって構成された大会形式を採用しているのが特徴です。
日本のオリンピック出場の戦歴
1964年の東京オリンピックで、日本の女子チームが金メダルを獲得し「東洋の魔女」と呼ばれ大人気を博しました。日本はバレーボールにおいて当時男女ともに強く「日本のお家芸」とまで呼ばれています。男子バレーボールのオリンピックでの戦歴は1964年東京オリンピックで銅メダル、1968年メキシコオリンピックで銀メダル、1972年ミュンヘンオリンピックで金メダルでした。女子バレーボールは1964年東京オリンピックで金メダル、1968年メキシコオリンピックで銀メダル、1972年ミュンヘンオリンピックで銀メダル、1976年のモントリオールオリンピックでは金メダルを獲得し「新・東洋の魔女」と呼ばれました。
その後も1984年ロサンゼルスオリンピックで銅メダル、2012年ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得したのです。メダル獲得数でいうと男子が計3個で世界4位、女子が計6個で同じく世界4位となっています。
バレーボール観戦を英語で楽しむポイント
日本は世界的にもバレーボールが強い国ですが、オリンピックでは男女ともにメダルからは遠のいています。そのため、オリンピックにおいて日本がバレーボール競技にかける思いは強く、毎回とても盛り上がるのが特徴です。バレーボールは人気が高い競技ですので、テレビで放送されたりネットで配信されたりする試合が多くあります。普通に観戦するだけでもバレーボールは楽しいですが、英語を聞き取れるとさらに楽しくなるのでおすすめです。バレーボール観戦を英語で楽しむポイントは、使用される用語の違いを理解することです。
日本で使用されるバレーボール用語は、カタカナやアルファベットで表記されるため英語のように感じますが英語ではありません。日本語と英語のバレーボール用語の違いを理解していないと正しく聞き取れないので注意してください。日本語でいう「トス」は、英語では投げるという意味になり英語では使用しません。英語では「set(セット)」と言います。レシーブは「Bump(バンプ)」と言い、日本語と全く違うため混乱しないようにしましょう。その他にもポイントをゲットをすることを「kill(キル)」と表現します。killは殺害するという意味の単語ですが、バレーボールでは点を獲得した際に使用する用語です。
To hit an attack kill shot in a volleyball game.
その他にも「強烈なアタック」を「kill shot」とも表現します。これも知らないと理解できませんので覚えておきましょう。「Quick(クイック)」、「Setter(セッター)」、「Libero(リベロ)」、「Rotation(ローテーション)」などは日本語と英語で同じです。英語のバレーボール用語を覚えることで、試合での監督の説明やコーチの指示などを聞き取ることができるようになります。オリンピックには世界の様々な国が出場しますが、公用語が英語の国は多数あるため英語の聞き取り練習に最適です。
公用語が英語の主な国は、アメリカ・イギリス・アイルランド・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ共和国があります。中でもアメリカはバレーボール発祥の国としてオリンピック常連国です。どの試合を視聴しても構いませんが、英語力を上げたい場合にはアメリカの試合を視聴するのをおすすめします。
バレーボール観戦をしながら英語力を上げよう!
バレーボール観戦をしながら英語力を上げるためには、いくつかのコツがあります。まずは、簡単で良いのでバレーボールのルールを理解しましょう。試合のルールがわからないと見ていても楽しくありませんし、すぐに飽きてしまいます。次に自分の好きな国やお気に入りの選手を見つけましょう。応援している国や選手がいると試合が一層面白くなります。試合に没頭したり熱中したりすれば、それだけ集中力が上がりますので聞き取りにも最適です。英語力を上げるためには英語に触れる時間を少しでも作り出すことなので、積極的にバレーボールの試合を視聴しましょう。
特にワールドカップやオリンピック開催中は、連日多くの試合が繰り広げられますので耳を鍛えることができます。最初は日本のアナウンサーや解説者による日本語の放送を視聴しバレーボールの試合に慣れ、その後副音声などで英語に切り替えるのがおすすめです。バレーボールの試合を観戦して少しでも「面白い」と思えたら、英語の学習のモチベーションも維持することができます。いきなり全部を聞き取ることは難しいので、バレーボールの試合を楽しみながら用語や単語を少しずつ聞き取る練習をしましょう。まったく聞き取れなくても、焦らなくて大丈夫です。諦めずに英語を聞き続けることで、英語を聞き取る力は少しづつ育っていきます。
大切なことは「英語を耳に入れること」です。日常生活の中ではネイティブな英語を聞く機会は、あまり多くはありません。ラジオやテレビを活用して、自分から積極的に英語を聞くことが重要なのです。勉強だと思うとやる気が起きないこともありますが、スポーツ観戦なら気軽に誰でも実行することができます。バレーボールは他のスポーツと比較しても競技フィールドが狭く、カメラワークも激しくありません。サッカーや野球のように競技フィールドが広い場合には、画面の切り替わりが多く状況把握が追い付かないこともあります。このような点からもバレーボールは、英語の聞き取り練習にピッタリのなのです。
バレーボールの試合を見ることに慣れてきたり、オフシーズンでバレーボールの試合がなかったりする場合には、他のスポーツの観戦にも挑戦してみてください。
バレーボール用語の英語(ポジション)
2023年10月、バレーボール男子日本チームが2024年パリオリンピックの出場権を獲得しました。
バレーボールの人気はますます高まってきて、バレーボールのポジションに精通している人もおられるでしょうが、バレーボールの役割別の主要 5ポジションを英語で紹介して、その役割を解説します。
アウトサイドヒッター (OH)
アウトサイドヒッターは英語で Outside hitter で、主に左右両サイドからスパイクを打つ選手を指します。
スパイクを決めて、得点を入れることが期待されるポジションです。それに加えて、サーブレシーブやディグ(アタックを受けるプレー)も行うので、オールラウンドなプレイが求められます。
ミドルブロッカー (MB)
ミドルブロッカーは英語で Middle blockerで、相手からのスパイクに対して手をかざしてブロックして防御する「守備の要」となるポジションです。
ミドルブロッカーの主な役割は、ブロックやクィック(速攻)攻撃です。スパイカーやセッターの動きを読んで素早く動けるよう、高さやスピードのほか、判断力も求められます。
セッター (S)
セッター (Setter) は、スパイカーが打ちやすいボールをセットする役割を担うポジションです。
セッターがスパイカーにボールをセットすることを日本語で「トスを上げる」と言いますが、セッターはそれぞれのスパイカーがスパイクを打ちやすい位置にボールをセットしなくてはならないので、非常に高度な技術が求められます。
オポジット (OP)
オポジットは 英語で Opposite hitter の略です。スパイクを打つことを専門としています。
アウトサイドヒッターとは違い、守備には一切入りません。常にセッターと対角にポジションをとります。
ローテーションで後衛になった時でも、バックアタックを打って、積極的に攻撃をしかけるポジションです。
リベロ (L)
リベロ (Libero)は、後衛でレシーブのみを行なう守備に特化したポジションです。
特定の選手がローテーションで後衛に下がるときに交代することができます。
リベロには、以下のような特別に定められたルールがあり、攻撃はできません。
- サーブを打つことができない。
- ブロックおよびブロックとみなされる行為をしてはならない。
- ネットより高い位置からボールをスパイクしてはいけない。
- リベロがアタックライン内のフロントゾーンでオーバーハンドにより上げたトスを、他の選手はネットより高い位置から相手チームのコートに返してはいけない。
バレーボール用語の英語(技)
次に、バレーボールの技について、日本語と英語で表現が違うものを中心に解説します。
トス
先ほどセッターの説明で、セッターが「トスを上げる」と書きましたが、トスを上げることを 英語で set (up) といいます。
The setter’s primary role is to set up the ball for their teammates to attack and score points.
訳)セッターの主要な役割は、チームメートがアタックを打って得点を得るためにボールをセットすることです。
レシーブ
バレーボールのレシーブは、英語では bumpといいます。英語サイトで確認しても、bumpという表現がレシーブに使われています。
Volleyball bumping is a fundamental skill that every player needs to know.
訳)バレーボールのレシーブは、すべての選手が知る必要がある基本的な技です。
スパイク & アタック
相手のコートに強くボールを叩きつける技 スパイクとアタックは、どちらも英語でもそのまま spike と attack で使えます。
Aさん
In volleyball, spiking is the offensive play where a player swings the ball with their palm sharply downwards over the net and into the opposing court.
訳)バレーボールで、スパイクとは、選手がネットを超えて相手コートに向けて鋭く下方に手のひらでボールをスイングする攻撃的なプレーのことです。
アタックはそもそも「攻撃する」という意味なので、スパイク攻撃についても使えますが、スパイクを使った方が意味が明確になります。
アタックカット
日本語でアタックを受ける行為を「アタックカット」といいますが、英語では dig を使います。
Aさん
A volleyball dig only occurs when a player passes a ball that is an attack attempt.
訳)バレーボールのアタックカットは、選手がアタックの試みでボールをパスしたときにだけ起こります。
スポーツ観戦で英語耳を育てよう!
英語力を向上させるためには、日々の努力が必要です。しかし、語学スキルを伸ばすためにはテキストの問題を解くだけでは足りません。英語を聞き取るための耳と、正しい発音ができる口が必須です。特に耳を育てるためには、できるだけ多くのネイティブ英語を聞くことが求められます。耳のレッスンをする場合には、バレーボールなどのスポーツを英語で聞くのがおすすめです。
バレーボール用語のポジションや技に関する英語表現も紹介したので、英語でスポーツ観戦する際の参考にしていただければ幸いです。