一方的・断定的にある人の評価をつけることを「レッテルを貼る」と言います。レッテルを貼ることはほぼ悪いこととして捉えられますが、英語ではいったいどうやって表現するのでしょうか?

この記事では「レッテルを貼る」に当たる英語表現を紹介します。例文とともに正しい使い方を学びましょう。

レッテルの意味とは

レッテルの意味とは

まずは日本語のレッテルの意味を確認するところから始めます。そして、レッテルとラベルの違いについても簡単に紹介しましょう。

レッテルとは?

そもそもレッテルには、2つの意味があります。

ひとつ目のレッテルは、商品に貼り付けられていて製品または品物などに関する情報が書かれたものです。このレッテルはメーカーが自社製品であることを示すためなどに使われます。

そして、2つ目のレッテルが本記事で取り上げる「ある人、またはものに対する主観的な評価」です。

レッテルとラベルの違いは?

商品に貼り付けらるものというレッテルひとつ目の説明を聞き、あれラベルは?と思われた人がいるかもしれません。

ラベルも以下のように2種類の意味を持つ言葉です。
・メーカーがブランドまたは商品名を示すために商品に貼り付ける札
・ある人やものを分類するキーワード

これらの意味を見ると、レッテルとラベルはほとんど同じになります。さてこの違いは何かといえば、実は以下のように言語なのです。

レッテルはオランダ語
ラベルは英語

レッテルがオランダ語だとは知っている人はそう多くないかもしれません。オランダ語レッテルを英語で表すと、文字(letter)になります。文字ということから、レッテルはラベルと同じニュアンスで使われるのです。

しかし、人を評価する方の意味では少し異なる点があります。

レッテルはある人や物に対する主観的な評価を表す言葉で、時に否定的な意味を含む場合があります。
ラベルはビジネス用語のラベリングのように人や物を種類分けする言葉です。

このように、特に人に対して使う場合にはレッテルとラベルでは意味が違ってくるのです。

レッテルの英語はlabel

レッテルを英語で表すと「label(レイブル・レイベル)」です。labelはラベルのことを指し、動詞として以下の意味を持ちます。
(~に◯◯と)レッテルを貼る、名前をつける
(~に)ラベルをつける
(~を◯◯に)分類する

このようにレッテルはラベルを使って表現することになりますし、持つ意味のひとつに本記事のテーマ「レッテルを貼る」が含まれていることが分かります。
名詞として使う場合はそのままラベル、名札、あだ名やレッテルといった意味になります。ファッション系ブランド、レコード会社のレーベルもlabelで表現できます。

「レッテルを貼られる」の例文

labelには(~に◯◯と)レッテルを貼る、名前をつけるといった意味がありました。
ここでは、レッテルを貼られる人を主語にしたときに、どのようにlabelが使われるのが、例文で具体的に紹介します。

レッテルを貼られる

Aさん
Chris is labeled as a playboy.
訳)彼はプレイボーイというレッテルを貼られている。

プレイボーイというレッテル=あまり良くない印象、として表現されています。
レッテルを貼られているクリスを主語にするとき、is labeled=受身形にすることが分かります。周りによってレッテル貼りされたという受け身によってこのパターンになります。皆さんも英文を作れるよう練習しましょう。

周りの目から見ると、クリスは次々と女性を誘惑したり虜(とりこ)にするようなやり手=プレイボーイと見られているという例文です。レッテルを貼られるにはそれなりのことがあるかもしれませんが、実は女性側が彼をほっとかないという事実があるかもしれません。

もう一つ、例文をみてみましょう。

Aさん
I’ve been labeled by my boss as lacking communication skills at work, but my colleagues in the department don’t think so.
訳)私は職場で上司からコミュニケーション能力が欠如しているとレッテルを貼られているんですが、部署の同僚はそう思っていません。

人の目は断片的であり、あなたのすべてを知りません。また、レッテルを貼る人物のものの見方の違いも避けられない部分があるでしょう。他人から言われたことがすべてと自己否定するのではなく、状況を改善する必要がありますね。コミュニケーション能力では相槌を打つことも役立ったりします。

Aさん
It’s not fair that I’ve been labeled as an untrustworthy person by my friends after the argument.
訳)口論の後、友達から信頼できない人間というレッテルを貼られたのって公平じゃない。

an untrustworthy person=信頼できない人

「レッテルを貼る」の例文

「レッテルを貼る」の例文

ここでは特に「レッテルを貼る」という場合の例文をみていきます。

レッテルを貼る

まず、”レッテルを貼られる”で出てきたひとつ目の例文を使って「レッテルを貼る」に変えた英文に変えてみましょう。

以下が元の英文です。
Chris is labeled as a playboy.
彼はプレイボーイというレッテルを貼られている。

次に、レッテルを貼る人を主語にした英文にします。

Aさん
Many people label Chris as a playboy.
訳)多くの人がクリスはプレイボーイというレッテルを貼る。

多くの人(Many people)を主語にすると受け身のパターンではなくなります。labelの後にレッテルを貼られる人を持ってきます。

さらに例文を挙げていきましょう。

Aさん
Don’t label people, you might be wrong.
訳)人にレッテル貼るのやめよう。間違ってるかもしれないからね。
Aさん
My boyfriend labels me as I can’t keep things tidy, but I completely disagree.
訳)彼は私は整理整頓できないとレッテルを貼るんだけど、私はまったく同意しないわ。

これも性格の違いで片付いているという評価が人によって違うことがありますね。レッテルを貼るほうも貼られるほうも、一歩歩み寄る必要があるかもしれません。

レッテルの類語を紹介

次に、レッテルlabelの類語をみていきます。
「レッテルを貼る」を他の言い方にするとすれば、以下のフレーズが挙がるでしょう。

・バイアスがかかる
・偏見を持つ(偏見を持った見方をする)
・色眼鏡で見る

バイアスとは偏見や先入観を意味しますし、色眼鏡とは偏った物の見方です。このことから、”レッテルを貼る”に似た表現となります。

バイアスがかかる・偏見を持つ

バイアスは英語「biased」という形容詞からきています。
biased(バイアスト)には、偏見を抱いた・見方の偏った・先入観にとらわれたといった意味があります。

Aさん
You shouldn’t be biased and judge someone you don’t know well.
訳)あまりよく知らない人を偏見で判断してはいけない。

先入観だけで判断してしますと後でそれが間違っていると気づくことってありますね。怖そうな見た目の印象=怖い人などという先入観も実際には違った、というような感じです。

色眼鏡で見る

色眼鏡で見ると言いたいときのフレーズは「look at ◯◯ through a pair of coloured glasses」です。
a pair of coloured glassesを”色眼鏡”とする面白い表現です。
赤のものもピンクに見えることがあるというニュアンスですね。

Aさん
My father looks at people with blonde hair, through a pair of coloured glasses, as bad people.
訳)父は金髪の人を色眼鏡で悪い人としてみるんです。

ちなみに、物事をなんでも素敵に見すぎてしまう逆パターンもあります。アバタもエクボですね。こんなときには「rose coloured glasses」の表現が使われます。薔薇色のめがね=物事の良い面だけをみる、という意味です。

まとめ

レッテルはオランダ語、ラベルは英語であり、ラベルはlabelです。labelで本記事のテーマである「レッテルを貼る」を表現します。

間違ったレッテル、または先入観は持たないように気をつけ、様々な人とコミュニケーションを取りたいですね。