以前ある山に登った際、翌日から右腕全体に広がる蕁麻疹が出たことがあります。あまりの痒さに眠れず、夢の中でも痒さに悶えるほどでした。

原因は、その山に生息していた毛虫だったようで、直接触れていなくても、その毛が付着しただけでアレルギーが出ることがあるそうです。皆さんもお気を付けください。

さて、そんなわけで今回のテーマは「蕁麻疹」です。英語で蕁麻疹を表す表現はいくつかありますが、それぞれの表すニュアンスの違いなどについて、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「吹き出物」や「発疹」など、蕁麻疹以外の皮膚トラブルについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「蕁麻疹」は英語で何て言う?

「蕁麻疹」は英語で何て言う?

「蕁麻疹」を英語で表現する際は “hives”、”nettle rash”、”urticaria” の3種類が使われます。

それぞれに使われるシーンが異なるので、3つの表現の違いについて、以下で詳しく確認していきましょう。

「蕁麻疹」の英語①:hives

“hives(ハイヴズ)” は、日常会話で「蕁麻疹」を表現する際に最も多く使われる表現です。

なぜ蕁麻疹を hives と呼ぶか、その由来や語源は定かになっていません。hive と単数形にすると「ミツバチの巣」の意味になりますが、ミツバチと蕁麻疹の間に関連性は見出せないので、単に綴りが似ているだけだと思われます。

なお、hives は常に s を付けて使用し、蕁麻疹の意味では hive とはならない点にも注意しましょう。

hives は、今回ご紹介する3種類の中で、最も会話で使われる頻度が高い表現です。そのため、まずは hives を覚えておき、余裕ができたら以下2つの言い方を覚えていくと良いでしょう。

Aさん
Hives can occur due to various reasons such as allergies or stress.
訳)蕁麻疹は、アレルギーやストレスなど、色々な原因で発生します。

「蕁麻疹」の英語②:nettle rash

“nettle rash(ネトル ラッシュ)” は、主にイギリス英語で「蕁麻疹」を表現する際に使われる言葉です。

nettle は植物の「イラクサ」、rash は「発疹」を意味するので、nettle rash は本来、イラクサに触れた後に生じる赤いアレルギー反応を示す言葉でした。その後、他の原因で起こる蕁麻疹も同様の症状に見えることから意味が広がり、先述の hives とほぼ同じ意味で使われています。

アメリカ英語なら hives、イギリス英語なら nettle rash と捉えておくと良いでしょう。

なお、nettle rash は常に単数形で使われ、nettle rashes と複数形にはなりません。おそらく、発疹全体を1つの rush と捉えているからだと考えられます。

先ほどの hives と事情が真逆で紛らわしいですが、使う際は注意しましょう。

Aさん
My mother is allergic to cats, and she gets nettle rash just by passing by them on the street.
訳)私の母は猫アレルギーで、道ですれ違っただけでも蕁麻疹が出るほどです。

「蕁麻疹」の英語③:urticaria

“urticaria(アーティカリア)” は、医学用語で「蕁麻疹」を意味する専門的な言葉です。nettle rash と同じく、基本的に複数形にはならず、単数形 urticaria のままで使われます。

urticaria に含まれる urtica はラテン語で「チクチクする」を意味し、イラクサ科の植物全般を表します。urtica の一品種が前述した nettle という関係性です。

そのため、nettle rash と urticaria の表す意味はほぼ同じですが、urticaria の方がラテン語由来であるため、主に医学従事者の方が使う専門的なニュアンスに響きます。

日常会話で urticaria を使用するケースは非常に稀ですが、お医者さんに説明するシーンなどでは、覚えておくと話がスムーズに運ぶかもしれませんね。

Aさん
Your urticaria appears to be stress-induced. It would be best for you to take a little break from work.
訳)あなたの蕁麻疹はストレス性のものですね。少しお仕事を休まれた方が良いでしょう。

「蕁麻疹になった」「蕁麻疹が出た」は英語で何?

「蕁麻疹になった」「蕁麻疹が出た」と症状を説明する場合は “have hives” と言えばOKです。もちろん、hives を nettle rash や urticaria に変更しても問題ありません。

蕁麻疹に限らず、風邪や腹痛など、病気の症状はたいてい “have + 病名” の形で表現できるので、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
Upon returning from the mountain climbing trip, I had hives on my right arm the next day.
訳)登山から帰った翌日、右腕に蕁麻疹が出ました。

「蕁麻疹がひどい」は英語で何?

「蕁麻疹がひどい」と表現したい場合は、”severe hives” と表現します。先ほどと同様、hives はその他2表現に変えてもOKです。

severe は「厳しい」を意味する形容詞ですが、医療の文脈では、「病状が深刻」というニュアンスで使われます。

Aさん
My hives are severe, so I’m thinking of going to the hospital.
訳)蕁麻疹がひどいので、病院に行こうと思います。

「吹き出物」や「発疹」など、蕁麻疹以外の皮膚トラブルを英語で何て言う?

「吹き出物」や「発疹」など、蕁麻疹以外の皮膚トラブルを英語で何て言う?

ここからは、蕁麻疹以外の代表的な3つの皮膚トラブルについて、英語で何と言うか順に確認していきましょう。

「吹き出物」in English

顔などにできてしまう「吹き出物」は、英語で “pimple(ピンプル)” と言います。1つの吹き出物なら a pimple、複数あれば pimples と、単数形と複数形どちらでも使えます。

pimple と似たものに “spot(スポット)” がありますが、こちらは皮膚上で生じた小さな変色を表します。中に膿が溜まっていたり腫れたりして隆起していたら pimple、赤くなっているだけなら spot といったイメージの違いです。

「ニキビ」in English

思春期の頃に悩みがちな「ニキビ」は、英語で “acne(アクネ)” と言います。日本語でもニキビの原因菌「アクネ菌」の知名度が上がっているので、覚えやすいのではないでしょうか。

ただ、acne は少々専門的なニュアンスの言葉なので、日常会話では吹き出物とひっくるめて、ニキビも pimple で表現することの方が多いです。

「発疹」in English

皮膚上に赤い変色や腫れが広がる「発疹」は、英語で “rash(ラッシュ)” と言います。蕁麻疹を表す nettle rash は、発疹の一種だということです。

イメージとしては、小さい面積なら spot、広い範囲に広がっていれば rash、かゆみを伴うようなら nettle rash(hives、urticaria)という違いになります。

まとめ

今回は「蕁麻疹」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

蕁麻疹は英語で “hives”、”nettle rash”、”urticaria” の3種類で表されますが、日常会話ではたいてい hives が使われます。そのため、まずは hives を覚えておき、余裕があれば残り2つの表現も覚えていくと良いでしょう。

蕁麻疹が出た場合は、早期に正しい治療をすることが重要です。英語圏で蕁麻疹が出てしまったときは、今回ご紹介したことを参考に、なるべく早く対処するようにしましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!