「日本のホスピタリティは最高でした」
感激し、こういったことを言う外国人は多くいます。
このホスピタリティの英語はどう表現するかご存知ですか?
この記事ではホスピタリティの英語表現、その意味から正しい使い方までしっかり解説します。ホスピタリティ精神など、関連用語についても紹介しましょう。
hospitalityの意味
ホスピタリティの英語は”hospitality”になります。
このhospitalityについて、意味や使い方を以下紹介しましょう。
hospitalityの意味
hospitalityは名詞であり、「お客さまの保護」という意味を持つラテン語”hospitalis”が語源と言われています。
カタカナ発音はイギリス英語でホスピタリティ、アメリカ英語ではハスピタリティのような感じにします。
単語hospitalityは不可算名詞であり、意味は以下になります。
- 「親切なもてなし」
- 「手厚いもてなし」
- 「接待」
- 「歓待」
- 「厚遇」
- 「もてなしの心」
すべての意味が誰かが人をお世話するニュアンスになっています。
さらに、以下Cambridge Dictionaryからhospitalityの意味3つを紹介します。
1. the act of being friendly and welcoming to guests and visitors.
(ゲストや訪問者をフレンドリーに歓迎する行為)
2. food, drink, entertainment, etc. that an organisation provides for guests or business partners.
(組織がゲストやビジネスパートナーに提供する食べ物、飲み物、エンターテイメントなど)
3. the work or business of providing food and drink, entertainment, hotels, etc. for customers.
(客に飲食、娯楽、ホテルなどを提供する仕事や事業)
これら3つの意味は日本語でいう「もてなし」や「もてなしの心」に表現されています。
引用:Cambridge Dictionary “hospitality”
もてなしとは?
もてなし(おもてなし)は、なんと源氏物語にもその言葉が登場するくらい古くからある言葉です。「もてなす」と言う動詞が名詞になり、漢字では「持て成し」と書きます。この漢字から「何かを使って物事を成し遂げる」となります。
ここでの「何か」とは「心」であり、相手のことを大切に思って物事を行なう=「相手への敬意を持ち、心とともに精一杯にすること」、これがおもてなしです。
日本では高級ホテルだけでなく、コンビニなどでもおもてなしが期待できますね。日本語をそのまま英語にして”Omotenashi”となっているほどです。
hospitalityとhospitalの関係
hospitalityと聞いて”hospital”を連想した人がいるのではないでしょうか?hospitalは病院として大変馴染みのある単語です。hospitalには「慈善施設・養護施設」また、巡礼者の「救護所」といった意味もありますが、それがhospitalityと同じように他人のお世話をするという同じニュアンスがあるのです。
hospitalityの使い方
それでは、hospitalityの使い方を例文で紹介します。
How was your holiday in Japan?
訳)日本でのホリデー、どうだった?
It was great! I was especially impressed by the Japanese people’s hospitality. I want to go back again soon.
訳)良かった!特に、日本人のホスピタリティ(もてなしの心)に感動したよ。またすぐに行きたいな。
日本人の心と言われる「もてなしの心」は、外国人には至れり尽くせりと感じられます。そして自分の国との大きな違いを発見しカルチャーショックとなります。「お客様は神様です」というフレーズがありますが、ビジネスでなくても、茶道の世界でももてなしは際立っています。
hospitalityを知っていると、外国人との会話が弾みそうですね。
The guests at the restaurant have been offered great hospitality by the staff.
訳)そのレストランでは客がスタッフたちから最高のおもてなしを受けています。
いくら食事が美味しくても、おもてなしがなければ台無しですね。このことからもてなしは食事さえ美味しくする大切なものだと言えるでしょう。
「ホスピタリティが高い人」の英語
気配り、気遣いや目配りができる人を「ホスピタリティが高い人」などと表現します。日本は特に恥の文化、察する文化がありますから、気配りや目配りに関しては強みがあるでしょう。
ホスピタリティが高い人
「ホスピタリティが高い人」「ホスピタリティに溢れている」を英語で表現すると”a person full of hospitality”になります。
He is definitely a person full of hospitality, offering generous and friendly treatment.
訳)彼は間違いなくホスピタリティが高い人で、寛大で親しみやすいんです。
definitely=間違いなく・疑いなく
generous=寛大な・惜しみなく・気前の良い
プロとしてホスピタリティが高い人
一方、ビジネスにおいてプロでありホスピタリティが高い人のことは以下のように表現することができます。
- hospitality professional
- hospitality worker
「ホスピタリティ精神」の英語
ホスピタリティ精神とは、あたたかいおもてなしをしようとする心です。精神の英語は”mind”や”spirit”ですが、ホスピタリティ精神はどのようなフレーズになるのでしょう。
hospitable spirit
英語でホスピタリティ精神を表現すると”hospitable spirit”になります。そのまま「おもてなしの精神」となります。
hospitalityの関連用語である”hospitality”は形容詞、「温かくもてなす・親切にもてなす・好意を持って受け入れる・歓待する」などの意味を持つ単語です。そして、精神、心もちや考え方の意味をもつspiritと組み合わせてhospitable spirit、このフレーズでホスピタリティ精神を表現します。
hospitalityを使い”spirit of hospitality”にすることもできます。
To have hospitable spirit is to make people feel welcome and comfortable.
訳)ホスピタリティ精神とは、人々を歓迎し、心地よいと感じさせることです。
サービスとホスピタリティの違い
ホテルでホスピタリティを感じることが多くあります。しかし、サービスが良いという言い方もします。
それではサービスとホスピタリティの違いとはなんでしょう?
サービスとホスピタリティの違い
皆さんは、サービスとホスピタリティの違いを明確に理解していますか?
大きな違いはマニュアルの有無でしょう。
サービスにはマニュアルがある。
ホスピタリティにはマニュアルがない。
マニュアルがあったり、指示通りに動くのがサービスですが、ホスピタリティは相手のことを考えた上でそれぞれ個別として言動に移すということになるのです。また、主従関係のあるサービスと違い、ホスピタリティは双方が対等な立場であることも異なる点です。
ホスピタリティの必要な仕事
自ら考え動く必要のあるホスピタリティ、そのホスピタリティはどのような仕事で求められているのでしょうか?
ホスピタリティが求められる仕事
多くの方が考えるのがホテルではないでしょうか?特に、コンシェルジュと呼ばれる人は宿泊ゲストのあらゆるリクエストに応えるだけでなく気配りが求められます。そのため、海外のホテルでおもてなしの心がある日本人が働くと評判になることもあるでしょう。
その他には冠婚葬祭業界、観光業界、航空業界なども挙げられます。単にものの販売という仕事であっても、店員によってはホスピタリティがあり、人気のスタッフとしてお客様がリピーターになる場合もあります。
このような意味では、サービスを提供するすべての業界でホスピタリティが求められると言っても過言ではないでしょう。
必要最低限の仕事をするだけか、相手のことを考え気遣いなどその上をいくやりとりができるのか、ここはコミュニケーションスキルとともに大切なスキルと言えるでしょう。
まとめ
英語を学び、将来海外で働きたいと考える人のなかで、ホテルなどサービス業に就きたい場合、日本のおもてなし精神が役に立つ可能性が高くなります。
しかし、hospitality professionalになるのも、外国人の友人をあたたかくもてなすのも心は同じですね。そういった温かいやりとりができるようになると、英語の楽しさが倍増するかもしれません。
筆者の住むイギリスのホスピタリティは日本のものよりも自然です。その違いを見るにも海外に出ることをおすすめします。