みなさんは、「クリムゾン」という言葉を聞いたことはありますか?
身近なものでは、映画の「クリムゾンタイド」や「クリムゾンリバー」、イギリスのロックバンド「キングクリムゾン」など、いろいろなところで使われています。
カタカナ表記で親しまれている「クリムゾン」ですが、どんな意味を持っているか知っている人は多くないでしょう。
今回は、わかっているようで意外と知らないカタカナ英語「クリムゾン」の意味と使い方を詳しく解説していきます。
「クリムゾン」の意味
「クリムゾン」は、英語”crimson”からきているカタカナ英語で、深紅や真っ赤な色のことを指した単語です。
英語表記は、”crimson”で、「クリムゾン」または濁点のつかない「クリムソン」と書かれます。
発音は、イギリス英語が[ˈkrɪm.zən]、アメリカ英語が[ˈkrɪm.zən]です。
カタカナでは「クリムゾン」と書かれますが、どちらかといえば「クリムズン」と読むほうが本来の発音に近いでしょう。
”crimson”は、辞書で以下のように定義されています。
英和辞書
- 形容詞: 深紅(色)の、 (夕日が)あかね色の、真っ赤な
- 不可算名詞: 深紅色
- 他動詞: (…を)深紅色にする、染める、真っ赤にする
- 自動詞: 深紅色になる、真っ赤になる、赤面する、火照る
英英辞書
- deep red in colour
深紅色- if you go crimson, your face becomes red because you are very angry or embarrassed
怒ったり恥ずかしくなったりするときに顔が赤くなること
”crimson”には、「深紅色(の)」という意味があり、血のように深くて濃い赤色のことを指します。
”red”(赤)と”magenta”(赤紫)の間の紫がかった暗めの赤色をイメージするとわかりやすいでしょう。
洋服や布地、植物などのほかに、人の感情や情景などを表す際にも”crimson”が用いられます。
また、色の特徴から「情熱」や「炎」、「鮮血」を暗示する言葉としても使われます。
小説や映画に使われている「クリムゾン」は、”crimson”が持つ血や炎といったイメージからつけられているのかもしれないですね。
「クリムゾン」の語源
「クリムゾン」の元の英語”crimson”は、1416年から使用されるようになりました。
アラビア語由来の古イタリア語”carmesi” と”cremesi”(コチニールカイガラムシの染料)が語源といわれています。
スペルは”carmisino”と”cremesinus”に変化し、15世紀初頭頃では”cremesin”として広まりました。
1600年頃には、他動詞として「紅蓮色にする」、1805年頃から自動詞として「紅蓮色になる」の意味を持つようになりました。
染料に由来した「鮮やかな紫がかった赤色」を表す単語には、ほかにも古代教会スラヴ語の”čruminu”、ロシア語の”čermnyj”、15〜16世紀の古フランス語”cramoisin”などがあります。
”crimson”の関連語として、”crimsoned”(紅蓮色にした)や”crimsoning”(紅蓮色にしている)なども覚えておくと役立ちますよ。
シーン別にみた”crimson”の使い方
「クリムゾン」は英語”crimson”からきたカタカナ語でした。
”crimson”は、赤い色を表す単語ですが、対象となるものや人、情景や感情などの使い分けが難しいと思った人もいるのではないでしょうか。
続いては、シーン別にみた”crimson”の正しい使い方を例文で紹介していきます。
服や布の赤い色
服や布地など身につけるものの色を説明するときの英語は、以下のように表現できます。
The team’s new uniforms were crimson and white.
訳)チームの新しいユニフォームは、深紅色と白色でした。
His girlfriend Jessica wore a beautiful crimson dress to the party last night.
訳)彼のガールフレンドのジェシカは、昨晩のパーティーで美しい深紅のドレスを着ていました。
Crimson has been adopted as the color of many universities, including Harvard University, the University of Kansas, and Indiana University in the United States.
訳)クリムゾンカラーは、ハーバード大学やカンザス大学、インディアナ大学など、アメリカの多くの大学でスクールカラーとして採用されています。
花や草木の赤い色
花や草木といった植物、川や湖などの赤い色は、次のように表現できます。
The most common varieties of flowers are pink and white, but there are also crimson, lilac, and yellow ones.
訳)最も一般的な花の品種はピンク色と白色ですが、深紅色や薄紫色、黄色のものもあります。
The leaves on the mountains turn crimson in autumn.
訳)秋になると、山々の紅葉が深まります。
空や風景の赤い色
”crimson”は、夕焼け空の赤さを表現するときにもよく使われます。
The western sky glowed with purple and crimson in the evening.
訳)夕方、西の空は、紫と深紅に輝いていました。
He stared at a mountain in the crimson sky at sunset.
訳)彼は夕暮れの紅い空に浮かぶ山をじっと見つめていました。
If I look at the sunset sky that turns crimson moment by moment, I am moved.
訳)刻一刻と赤く染まる夕焼け空を見ていると感動します。
The river burned crimson in the setting sun.
訳)夕日に照らされて、川が深紅色に染まっていました。
表情や気持ちの赤い色
怒ったり恥ずかしくなったりしたときに顔が赤くなる様子も、”crimson”で表現されます。
The moment she met Tom, she blushed crimson.
訳)トムと目が合うと、たちまち彼女は真っ赤になってしまいました。
Lisa turned crimson with embarrassment and denied that she had been with Michael.
訳)リサは恥ずかしさで顔が真っ赤になりながら、マイケルとの関係を否定しました。
When Mary broke a promise, her father’s face went crimson with rage.
訳)メアリーが約束を破ったとき、彼女の父は怒りで顔を真っ赤にしました。
「クリムゾン」と似ている赤色
深紅色や濃い赤色を表す「クリムゾン」は、ほかにもいろいろな単語で言い換えられます。
「クリムゾン」のような赤と似ている色を表す英語を一覧にまとめました。
- red(赤)
- reddish purple(赤みがかった紫)
- ruddy(血色の良い、赤らんだ)
- blood-red(血のように赤い)
- scarlet(緋色)
- ruby-red(ルビーレッド、ルビーのような赤)
- carmine(えんじ色)
- cerise(鮮紅色)
- cherry-red(さくらんぼ色)
【例文】
There are dark reddish-purple table grapes of California.
訳)カリフォルニア産の濃い赤紫色のブドウがあります。
This tie matches my scarlet hatband.
訳)このネクタイは、わたしの帽子の緋色のリボンによく似合っています。
Sophia was wearing a stunning cerise dress.
訳)ソフィアは、目の覚めるようなサクランボ色のドレスを着ていました。
まとめ
カタカナ英語「クリムゾン」の意味と使い方を解説しました。
「クリムゾン」は、濃い赤色を意味する英語”crimson”からきた言葉です。
洋服や植物だけでなく、風景や感情などの赤色を表すときに使われます。
本来の意味からイメージして、「血」や「炎」、「情熱」などを暗示させるときにも用いられます。
カタカナで馴染みのある英語は、つい日本語の感覚で解釈してしまいがちです。
英語本来の意味を理解して、正しく上手に使いこなせるよう、インプットとアウトプットを続けていきましょう。