“it is~”は英語で最も基本的な表現と言って良いくらい、よく見かける表現です。
“it is~”は「それは〜です。」という意味で使われますが、時間、天気、形式主語など、幅広い表現で使われる表現でもあります。
また”it”は「それ」の意味になるため、特に長い文章を読んでいる時には「それ、ってどれのことだ?」と困惑してしまう場面もあるでしょう。
そんな”it”が持つ幅広い意味について、この記事でもう一度確認してみましょう。
”it is”はどんな意味で使われる?
”it is ~”は直訳すると「それは〜です」の意味になる英語表現です。
”it is ~”は基本的な表現なので英語を読む際や英会話の際にたくさん出てくる表現です。
“it is ~”には以下の意味で使われます。
- 代名詞
- 形式主語
- その他の表現
順番に見ていきましょう。
代名詞
“it is ~”の意味として、代表的なものは代名詞としての使い方が挙げられます。
itが「それ」という指示語を意味するので、itが出てくる前に既に言ったことを指して使われます。
英語は日本語に比べて、同じ表現を繰り返すことを嫌う傾向が強いので、itに代表される代名詞がよく使われます。
例えば…
と日本語で言う場合、「映画」という名詞が共通して使われていますが、大きな違和感はありませんよね。
しかし英語で言うと以下の通りになります。
以上のように、「映画」の部分を”it”に置き換えていることがわかります。これは英語が日本語よりも「繰り返し同じ言葉を使うのを避けるから」だと言えますね。
このように”it”は「英語の代名詞」の意味で使われます。
形式主語
”it is ~”は「形式主語」としても使われます。
「形式主語」とは、簡単に言えば「主語が長くなるから、主語をitに置き換えてわかりやすくする構文」のことを指します。
文字で説明するよりも、例文を見ながらお伝えした方がわかりやすいですね。
それでは、以下の英文を見てみてください。
訳)金曜日までにプロジェクトを終えるのが不可欠だ。
いかがでしょうか?
日本語訳に忠実な英文なので、あまり違和感を覚えなかった人も多いでしょう。
しかし、英語を話す外国人やネイティブスピーカーが上の例文を読むと、「主語が長くて不親切な文だ!」と感じます。
なぜなら英語は、「主語と動詞」の骨格を最初に作ってから、詳細な情報を付け加えていく言語だからです。
ですので主語が長いと、文章の骨格が掴めない時間が長くなることから、「不親切な文だ」と感じるわけですね。
この「主語が長すぎる問題」を解決するのが「形式主語」なわけです。
形式主語を使うと、以下のように文章を書き換えることができます。
訳)金曜日までにプロジェクトを終えるのが不可欠だ。
この例文なら、文章の骨格が「It is~」で先に完結しているので、英語を話す外国人も「読み手or聞き手に配慮された親切な言い方」だと感じるわけですね。
その他の表現
“it is ~”が意味するものとして、上述した代名詞や形式主語の他にも「時間、天気、状況」などの抽象的なものを、ざっくりと「それ」と指す場合もあります。
例えば「3時です」と言いたい場合は”3pm”ではなく”It is 3pm.”、「今日は晴れです」と言いたい場合は”Today is sunny.”ではなく”It is sunny today.”、「外が暗くなってきましたね」は”Outside is getting dark.”ではなく”It is getting dark outside.”と言います。
それぞれ「時間」と「天気」、「状況」を表していますよね。
こうした抽象的なものは”it is ~”の形を使って表現するのが自然だと言えます。
itsとit’sの違い
“it is ~”はとても基本的な表現で、とてもよく使われる表現なので、短縮表現として”it’s ~”と省略して使われることも多いですよね。
なので”it’s ~”はよく見かける表現だと言えるでしょう。
ただし、英文を読んでいるとアポストロフィ(’←このマーク)のない”its”という表現を見かけることもありませんか?
”it’s”と”its”は、見た目の違いはアポストロフィの有り無しだけなので混乱してしまいがちですよね。(高校3年生までの筆者もそうでした。)
実は、アポストロフィのない”its”は、「生き物ではないものの所有格」を表します。
「所有格」とは、男性なら”his”で、女性なら”her”で表すものを指します。「彼の」や「彼女の」の意味になる表現のことですね。
「所有格が生き物ではない」と聞くとイメージしにくいかもしれませんが、文章を見ればイメージしやすいですよ。
例えば
訳)秋にはその木から葉がなくなった。
上の例文の”its”は、「その木の葉」を意味しているわけですね。
木に対して性別を明確にする場面はあまりありませんから、hisでもherでもなく”its”が使われます。
このように、”it’s”は”it is”の省略形、”its”は「性別を問わないものの所有格」というわけですね。
「それ」ってどれのこと?困った英語の代名詞
前述の通り、英語は日本語に比べて、繰り返し同じ言葉を使うことを避け、代名詞を使う傾向が高いと言えます。
ですから、日本語よりも頻繁に代名詞が登場するので
と首をかしげることも多いです。
英語を読む場面では、itに代表される代名詞が、何を指して言っているかがわかるようになると、英語の長文もスラスラと読みやすくなります。
本項では代名詞が何を指しているかを判断するコツを見ていきましょう。
前後の文脈
itがどの言葉を指しているか判断するときに、基本となるのが文章の前後の文脈をよく見ることだと言えます。
例えば、直前に話題にされた名詞が”it”を指している可能性が高いです。
ただし、itを見て「このitは何を指してるんだろう?」と疑問に思うときは、多くの場合itが指す名詞が直前に見当たらない場合でしょう。
直前の名詞を見てもitの意味が見当たらない場合は、前後の文脈を考えながら、後述のコツと合わせて探してみましょう。
動詞との関係を考える
”it”が主語として使われる場合、その後に続く動詞との関係を意識するのも、itの正体を判断するのに役立ちます。
例えばitに続く動詞に三単現のsが付いていた場合は、それ以前の英文の中に三単現のsが付いた動詞が見つかれば、その英文の主語がitの正体だと推測することができます。英文の骨格(主語と動詞の関係)が同じだからですね。
なので、動詞とitとの関係性を意識しながら読み進めることで、itの正体を推測する大きな手がかりとなります。
翻訳を活用する
日本語訳付きの英文を読んでいる場合は、翻訳を活用してitの正体を判断することができます。
例えば、TOEICや英検、大学受験の英語長文の問題集や参考書には、長文の日本語訳もセットで解説されていることも多いでしょう。
日本語訳を活用することで、「なるほど、ここのitはこれを意味していたのか」と理解しやすくなります。
翻訳と照らし合わせながら、英文中でどのようにitの正体を判断することができたか、特に上述した「文脈」と「主語と動詞の関係」を意識しながら理解できると、英語を読むスキルが身について行きますよ。
繰り返し練習する
上述した文脈、動詞との関係、翻訳の活用をしながら繰り返し練習することで、自然とitが何を指すかを判断する力が付いていきます。
itを判断する力というよりも、文脈、動詞との関係、翻訳との比較をしながら英文を読むことで、英語を読む本質的な力がついてitの判断もしやすくなるイメージです。
英語は日本語よりも代名詞が多いので、itの意味を掴めなくて困ってしまうシーンも多いですが、上述した文脈、動詞との関係、翻訳との比較、そして反復練習をすることで本質的な読解力が養われて行きますよ。
まとめ
この記事では”it”や”it is~”が意味することと、代名詞の”it”を判別するために役立つコツについてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、”it is~”の表現を正しく、そして幅広く使い分けることができ、また代名詞の”it”についても正しく判別する術が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。