元気でたくましい人や、構造物などが頑丈で長持ちする、そのような意味で使われるのがrobustです。
使えそうだけれどあまり耳にしない単語かもしれず、どのような使い方にしたらよいのかご存知ない人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では英語robustについて、意味や正しい使い方を紹介します。強さを表す英語表現strongとの違いも解説しましょう。
robustの意味と語源
さっそく、robustの意味を紹介するのですが、読み方は大丈夫でしょうか?日本語でカタカナ読みする場合は「ロバスト」と発音しますが、英語のrobustは「ロウバスト」のように発音します。
robustの意味
robustは、実際の会話で使ってみたくなるような意味を多く持っています。その多くは形容詞として使われます。
【たくましい・頑強な】
人や動物などの体がしっかりしていて力強いことをrobustで表現します。
【頑丈な・長持ちする】
建造物などが物理的に強く長持ちする場合に使われます。日本のバブル期の建物は予算をかけていて頑丈だと言われますね。
【芳醇な・濃厚な・こくのある】
ワインまたはコーヒーなどを飲んだ際の味を表現する際に使用します。
【断固とした・妥協しない】
人、または意見において、断固たる◯◯、相手の主張などに譲らない場合に使います。
【我慢強さが求められる・体力が必要な】
仕事において、辛抱強さだったりフィジカルに体力が必要というときにもrobustです。
この他、コンピュータ用語としてシステムが安定していることを表したり、ロバスト性と言えば構造物でも外部に影響されにくいものを指したりします。
また、名詞でthe robustとすることで健常者の意味でも使用されます。
いずれにしても、robustには強さに関連するニュアンスが多くあることが分かりました。
robustの語源
ここで、robustの意味を理解するためにも語源をみて行きます。
語源は「強くて丈夫な」の意味を持つラテン語robustusです。この語源を知れば、上で紹介したrobustの様々な意味に納得がいきますね。
ロバストの意味 – ビジネス
robustの意味のひとつに、仕事において我慢強さが求められる・体力が必要なといった意味で使われることを紹介しました。しかし、ビジネスの場面ではもう一つ異なる使われ方があります。
ビジネスのrobust
robustはビジネス用語として、組織またはシステムが安定していて「強固な経営」や「堅牢性のある◯◯」などのように使われます。堅牢性とは、丈夫で堅いことを言います。
訳)堅牢なコンピュータアプリケーションは、通常時と異常時の両方の条件下で優れたパフォーマンスを発揮することがよくある。
訳)同社は経営に対し、より強固なアプローチを取っている。
ところで、robustの対義語ですが、weak(壊れやすい・弱い)、uncertain(不確かな・不安定な)、fragile(もろい・脆弱な)などの形容詞があります。
Robustとstrongの違い
robustの類語に、皆さんご存知のstrongがあります。
ここでは、robustとstrongの使い方の違いを紹介しましょう。
robustとstrongの違い
改めて紹介すると、strongには様々な「強い」の意味があります。例えば、物が丈夫な、味や力が強い、防衛力が強固な、また気力や精神などが強いというときに使われます。このようにstrongもrobust同様、強さを表す単語です。
ということで、robustとstrongの違いが気になってきますね。以下をご参考にしてください。
robustは、より広い意味での強さを表すときに使う単語です。また、堅固(容易には崩されないほどしっかりしている)で信頼できるものを表現する際にも使われます。
一方strongは、物理的な強さを表現する様々なシーンで広範囲に使える単語です。
訳)彼は丈夫で健康だ。
訳)彼は強くて健康だ。
2つの例文を比較すると、robustのほうは弱さに悩まされることが少なく、体質も大きく変わりません。一方、strongは筋肉の構造といった物理的な強さを表します。
「ロバストな」の意味
「ロバストな◯◯」という言い方があります。
この意味はrobustからきているため、物事が強固であったり、頑丈な、強靭な、耐久性を持っていることを表します。robustの名詞であるrobustnessになると「ロバスト性」「頑健性」「構造安定性」になります。
ロバストな生き方
動詞で名詞でも、ロバストは強さのニュアンスを持つ色々な単語を表現します。外部からの影響を受けなかったり最小限に抑えたりする安定性もあります。このことからも「ロバストな生き方」という言い方が登場しました。
ロバストはあまり馴染みのない表現かもしれません。しかし、体が頑健(がんけん – 体ががっしりして健康なこと)を表す言葉として使われます。また、ストレスの多い現代、いかなる環境でもロバストな寛解状態(うつ病など、臨床的にコントロールされた状態)を作ることを重要に考えるといった際にも使用されるんですね。
ロバスト性の高いAI
AI(Artificial Intelligence)の世界でもロバストが使用されています。開発時には予想していなかった未知のデータに対して、うまく推論できるAIを指します。これをロバスト性の高いAIと呼びます。
robustの使い方・例文
最後に、robustを使えるようにするため、3つの意味について使い方を例文で紹介しましょう。
robustで「たくましい・頑強な」
ひとつ目のrobustは、人物でも動物でも強いときの使い方です。
訳)彼女の強靭な体力で自然災害をも生き延びることができた。
robustで「頑丈な・長持ちする」
物理的に強く長持ちする建造物などにもrobustが使われます。
訳)その鉄橋は頑丈な構造になっています。
robustで「芳醇な・濃厚な・こくのある」
ワイン、コーヒーなど、飲んだ際の味を表現する際に使用します。
訳)フルボディで濃厚な赤ワインをいただけますか?
この例文のように、海外のレストランでワインを頼むとき、フルボディをrobustと言ってオーダーしてみてはいかがでしょうか?
また、コーヒーで言えば、ロバストコーヒーは糖分が少なめでカフェインが多く、濃厚でまろやかさに欠けるような味を持っています。
まとめ
robustは、より広い意味での強さを表すときに使う単語です。外からの影響を受けにくい安定性のある強さ、堅牢、安定性を兼ね備えた強さであることも本記事で紹介しました。まずは身近な人のたくましさ、ワインやコーヒーの濃厚な味、家具などの耐久性からrobustを使ってみるのもおすすめです。
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