横浜市は「西洋文化の玄関口として栄えてきた港町」として有名で、英語教育にも熱心な都市ですが、横浜市の英語教育とはどのようなものなのでしょうか。

この記事では横浜市の英語教育について深く掘り下げて解説していきます。

横浜市の英語教育とは?

豊島区の英語教育モデル校事例:革新的な取り組みを徹底紹介!

横浜市は英語教育に非常に力を入れていて、毎年、英語教育改善プランを立てて取り組んでおり、改善が進んだ点や未だ改善が必要な点をチェックして、常に英語教育を改善しようとしています。

横浜市の積極的な英語教育の取り組みとして、令和6年度の横浜市 英語教育改善プランを紹介します。令和6年度 横浜市 英語教育改善プランの目標は、「英語を活用しながら、あらゆる人々の多様性を尊重し、協働、共生できる人」の育成でした。

改善が進んだ点としては

  1. 授業における言語活動の割合上昇
    – R4:87.0%⇒R5:92.5%
  2. パフォーマンステスト実施状況割合 の上昇(R4⇒R5)
    – 設定:92.5%⇒95.2%
  3. 「CAN-DOリスト」設定率の上昇 (R4⇒R5)– 設定:28.3%⇒46.6%
    – 公表:13.3%⇒20.3%
    – 把握:23.3%⇒37.9%

などが挙げられており、その要因も分析しています。

未だ改善が必要な点としては

  1. 「CAN-DOリスト」設定率
    – – 引き続き改善の必要がある。
    – 設定:46.6%(84.5%)⇒-37.9
    – 公表:20.3%(58.2%)⇒-37.9
    – 把握:37.9%(74.9%)⇒-12.0
  2. コミュニケーションに対する態度
    – – 昨年度に比べ、減少しているため、 要因を分析する必要がある。
    – R4:76.7%⇒R5:75.7%

としています。

具体的な数値を提示して、改善の度合いをチェックしていることが素晴らしいですね。

参考:令和6年度 横浜市 英語教育改善プラン

横浜市のモデル校事例

小学校の1日の授業は1コマが45分で、午前中に4コマ授業があり、給食を食べて、午後に1、2コマ授業があるという時間割が主流ですが、横浜市では、1コマ40分にして、「午前5コマ授業」を取り入れる学校が徐々に増えています。横浜市では現在9つの小学校がモデル校として取り組み、その可能性を探っています。

午前中に45分→40分と短縮されて生み出された時間を使って、小学1~2年生は午後に毎日30分のスキルタイムと呼ばれる短い授業があります。ドリルを使った学習やその日の授業で補足したいことがあればこの「スキルタイム」を使います。高学年はロングタイムと呼ばれる最大60分に拡大する授業が行われます。横浜市は、「質の高い学び」と「持続可能な学校」の同時達成を目指す取り組みの中で、モデル校事例の取り組みを始めています。

1コマを45分から40分にすることによって、午前中に5コマの授業を行い、午後に「スキルタイム」や「ロングタイム」のレッスンを行うというのは、とても画期的な試みだと言えます。低学年には「スキルタイム」、高学年には「ロングタイム」と、学年によって午後のレッスンを変えているのにもきっと意味があるのでしょう。

また、横浜市では、令和6年から「グローバルモデル校(英語イマ―ジョンモデル校)」というモデル校も設置されており、横浜市立西金沢義務教育学校がそのモデル校として英語教育を推進しています。横浜市立西金沢義務教育学校は、小学部から中学部まで9年間の義務教育課程を一体化した学校です。英語のネイティブスピーカー講師による授業や、他校との交流を柱とした独自教科「国際交流科」の授業が行われています。また、図工や美術、総合の時間においても英語指導が行われており、「英語」を学ぶだけでなく、「英語で専門教科を学ぶ」が実践されています。

横浜の英語プログラム

アメリカ留学には必須!TOEFLの勉強法について

横浜市では英語プログラムにもとても力を入れています。横浜市では毎年、中学生を対象とした英語弁論大会が開催されています。参加校数は年々増加しており、ブロック予選会という形式が定着しています。英語弁論大会上位入賞者3名にはNY国連国際学校への体験留学が提供されます。グローバル社会で活躍できる人材の育成のため、学んだ英語を活用し、世界に目を向ける機会として、この体験留学を提供しているようです。参加校が年々増加しているのも納得できますね。国際都市、横浜ならではの英語プログラムだと言えるでしょう。

また、横浜市は、1年間で教科書を5回繰り返して学習することで理解を深める「5ラウンド制」など「ラウンド制」の英語教育が、一部の一般公立校で導入されています。「横浜ラウンド制実践推進校」では、この「ラウンド制」が採用されて、生徒の学習成果が現れているようです。語学は、繰り返し学習が成果が出るので、「ラウンド制」が採用しているのでしょうね。

横浜の子供向け英語検定合格のサポート

横浜市は、子供たちの英語検定合格をサポートするシステムも充実しています。英語検定は、ご存知のように、英語4機能の充実が求められる英語試験で、高校受験や大学受験でも指標として利用されています。

英語検定合格のサポートする英語塾などが、横浜市にはたくさんあって、横浜市の子供たちはそういった英語塾に通って、英検合格を目指してがんばって勉強しています。

東京都でも英検合格をサポートする塾は増えていますが、横浜市でもそれに負けず劣らず、英検合格のサポートを熱心に行っている塾が増えており、学校でも英検合格を推奨しています。

まとめ

横浜市の英語教育について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

日本の他の都市と共通する取り組みもありますが、横浜市ならではの英語教育があることも発見されたのではないでしょうか。

毎年、英語教育改善プランを立てて、改善が進んだ点や未だ改善が必要な点を細かく見直し、改善が進んだ点はさらに促進し、未だ改善が必要な点は何をどう改善していくかを検討していることが分かりました。

横浜市では、令和6年から「グローバルモデル校(英語イマ―ジョンモデル校)」というモデル校も設置し、小学部から中学部まで9年間の義務教育課程を一体化した積極的な英語教育を推進し始めました。全国でも英語教育に力を入れる小中学校は増えていますが、横浜市では、「グローバルモデル校(英語イマ―ジョンモデル校)」で図工や美術、総合の時間においても英語指導が行われ始めました。英語教育に対する横浜市の本気度が伺えますね。

また、横浜市では、中学生を対象にした英語弁論大会が行われており、上位入賞者3名にNY国連国際学校への体験留学が提供されます。円安が進む昨今、自費で海外留学するのも大変になってきていますが、英語弁論大会で上位に入賞したら、NY国連国際学校に体験留学できるというのも、中学生にとって英語弁論大会で頑張るモチベーションになるでしょう。