「急に外国人患者が来院して戸惑った」「うまく症状を聞き出せなかった」「薬の説明をどう伝えればいいか分からなかった」などの声を看護師の皆さんからよく耳にします。
近年、インバウンド観光客の増加や在住外国人の方々の増加にともない、医療現場での外国人患者対応の機会が急増しています。 特に看護師は、国際色豊かになりつつある医療現場の最前線で活躍する上で、基本的な英会話スキルの必要性を感じることが多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、看護業務で実際に役立つ英会話フレーズを場面別に紹介します。 これらのフレーズを覚えておくだけで、外国人患者への対応がぐっとスムーズになるでしょう。
看護師の自己紹介と初期対応で使える英語フレーズ
外国人患者との最初の接点となる自己紹介と初期対応は、その後の信頼関係構築の土台となります。 落ち着いた態度で簡潔に自己紹介をすることで、患者さんに安心感を与えられます。
基本的な自己紹介フレーズ
Hello, my name is (あなたの名前). I’m a nurse and I’ll be taking care of you today.
(こんにちは、私の名前は〇〇です。看護師をしています。今日はあなたの担当です。)
I’ll be your nurse for this morning/afternoon/evening shift.
(私は朝/昼/夜のシフトであなたの担当看護師です。)
If you need anything, please don’t hesitate to call me.
(何か必要なことがあれば、遠慮なく呼んでください。)
最初の問診での英語フレーズ
What brings you to the hospital today?
(今日は何のご来院ですか?)
How can I help you today?
(今日はどのようなご用件でしょうか?)
Could you please tell me what’s bothering you?
(お困りのことを教えていただけますか?)
How long have you been feeling this way?
(このような症状はどのくらい続いていますか?)
コミュニケーションを円滑にするフレーズ
Please speak slowly. I want to make sure I understand you correctly.
(ゆっくり話していただけますか。正確に理解したいと思います。)
Let me get an interpreter to help us communicate better.
(コミュニケーションをスムーズにするために通訳を呼びましょう。)
Do you have any questions so far?
(ここまでで何か質問はありますか?)
忙しい医療現場では簡潔なやり取りが求められますが、外国人患者さんには特に明確でゆっくりとした英語で話しかけることが大切です。 また、笑顔や穏やかな表情などの非言語コミュニケーションも重要です。
患者の症状確認で使える英語フレーズ
正確な症状把握は適切な治療への第一歩です。 患者さんの痛みや不調を正確に理解するための英語フレーズを集めました。
痛みについて聞く英語表現
Where does it hurt? Can you point to where the pain is?
(どこが痛いですか?痛みのある場所を指さしていただけますか?)
On a scale of 1 to 10, with 10 being the worst pain, how would you rate your pain?
(痛みの強さを1から10で表すと、10が最も強い痛みとして、どのくらいですか?)
Is the pain constant or does it come and go?
(痛みは常にありますか、それとも断続的ですか?)
Does the pain radiate to other areas?
(痛みは他の部位に広がりますか?)
一般的な症状に関する英語表現
Do you have a fever? Have you taken your temperature?
(熱はありますか?体温を測りましたか?)
Are you experiencing nausea or vomiting?
(吐き気や嘔吐はありますか?)
Have you noticed any swelling or redness?
(腫れや赤みはありますか?)
Are you having trouble breathing?
(呼吸は苦しいですか?)
Have you been coughing? Is there any phlegm when you cough?
(咳は出ますか?咳をすると痰は出ますか?)
既往歴・アレルギーに関する英語表現
Do you have any allergies to medications?
(薬に対するアレルギーはありますか?)
Are you currently taking any medications?
(現在服用している薬はありますか?)
Do you have any chronic conditions like diabetes or high blood pressure?
(糖尿病や高血圧などの慢性疾患はありますか?)
Have you had any surgeries in the past?
(過去に手術を受けたことはありますか?)
症状確認の際は、
- クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)
- オープンクエスチョン(詳細な回答を求める質問)
の2つを上手く組み合わせることで、より正確な情報収集ができます。
薬の説明で使える英語フレーズ
薬の正しい服用方法を伝えることは、治療効果を高め、副作用のリスクを減らすために非常に重要です。 誤解なく伝えるための英語フレーズをご紹介します。
服用方法・回数の説明
Take this medication three times a day with meals.
(この薬は1日3回、食事と一緒に服用してください。)
Take one tablet/capsule every morning.
(毎朝1錠/カプセルずつ服用してください。)
This is a pain reliever. Take it only when you have pain.
(これは鎮痛薬です。痛みがある時だけ服用してください。)
This medication should be taken on an empty stomach, at least one hour before eating.
(この薬は空腹時に、食事の少なくとも1時間前に服用してください。)
重要な注意事項の説明
This medication may make you drowsy. Do not drive or operate machinery after taking it.
(この薬は眠気を催すことがあります。服用後は車の運転や機械の操作をしないでください。)
Please finish all of this medication, even if you start feeling better.
(症状が良くなってきても、この薬はすべて飲み切ってください。)
Don’t drink alcohol while taking this medication.
(この薬を服用中はアルコールを摂取しないでください。)
If you experience any side effects, please contact the hospital immediately.
(副作用が現れた場合は、すぐに病院に連絡してください。)
薬の効果・目的の説明
This is an antibiotic to treat your infection.
(これは感染症を治療するための抗生物質です。)
This medication will help reduce your fever and relieve pain.
(この薬は熱を下げ、痛みを和らげるのに役立ちます。)
This is an antihistamine that will help with your allergic symptoms.
(これはアレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン薬です。)
This cream should be applied to the affected area twice a day.
(このクリームは1日2回、患部に塗ってください。)
口頭での説明に加え、可能であれば服用方法を英語でメモした紙を渡すことで、患者さんの理解をよりサポートできます。 また、理解度を確認するために、次のように聞くことも大切です。
Do you have any questions about how to take this medication?
(この薬の飲み方について質問はありますか?)
検査や処置の案内で使える英語フレーズ
検査や処置は多くの患者さんにとって不安を感じる場面です。 何が行われるのかを分かりやすく説明し、安心感を与えるための英語フレーズを紹介します。
基本的な検査の説明
We need to take your blood pressure, temperature, and pulse.
(血圧、体温、脈拍を測定する必要があります。)
I’m going to draw some blood for testing.
(検査のために採血します。)
We need to take a urine sample. Here’s a container.
(尿検査が必要です。こちらの容器をお使いください。)
The doctor has ordered an X-ray of your chest.
(医師が胸部レントゲン検査を指示しています。)
処置時の指示・説明
Please roll up your sleeve.
(袖をまくってください。)
This might hurt a little bit. Please try to relax.
(少し痛むかもしれません。リラックスしてください。)
I need to check your temperature. Please open your mouth.
(体温を測ります。口を開けてください。)
Please lie down on your back.
(仰向けになってください。)
I’m going to clean the wound now.
(これから傷口を洗浄します。)
検査結果や今後の予定の説明
Your blood test results will be ready in about two hours.
(血液検査の結果は約2時間後に出ます。)
The doctor will explain the results to you.
(医師が結果を説明します。)
You’ll need to come back next week for a follow-up examination.
(来週、経過観察のために再診が必要です。)
We need to keep you in the hospital for observation.
(経過観察のために入院していただく必要があります。)
検査や処置の案内では、何をするのか、なぜ必要なのか、どのくらい時間がかかるのかなどを事前に説明することで、患者さんの不安を軽減できます。 特に「This won’t hurt(痛くありません)」「This will only take a minute(すぐに終わります)」などの安心感を与える言葉を必要に応じて使うと効果的です。
お礼で使える英語フレーズ
診察や処置の終了時には、患者さんにお礼や今後の指示を伝えることが重要です。 良い印象で終わらせるための英語フレーズをご紹介します。
感謝の表現
Thank you for your cooperation.
(ご協力ありがとうございました。)
Thank you for being patient.
(お待ちいただき、ありがとうございます。)
I appreciate your understanding.
(ご理解いただき、感謝します。)
お見送りと次回の案内
I hope you feel better soon.
(早く良くなることを願っています。)
Please don’t hesitate to call if you have any concerns.
(何か気になることがあれば、遠慮なくお電話ください。)
Take care, and we’ll see you at your next appointment.
(お大事に。次回の予約でお会いしましょう。)
Your next appointment is scheduled for [date] at [time].
(次回の予約は[日付]の[時間]となっています。)
緊急時の指示
If your symptoms get worse, please come back to the hospital immediately.
(症状が悪化した場合は、すぐに病院に戻ってきてください。)
Call this number if you have any emergency.
(緊急の場合はこの番号に電話してください。)
If you notice any of these symptoms, seek medical attention right away.
(これらの症状に気づいたら、すぐに医療機関を受診してください。)
患者さんとの最後のやり取りは、利用した医療機関に対する印象を大きく左右します。
まとめ:継続的な英語学習で外国人患者対応力を高めよう
この記事では、看護師の皆さんが外国人患者に対応する際に役立つ基本的な英会話フレーズを紹介してきました。 これらのフレーズを覚えておくことで、多くの場面で適切なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
しかし、医療現場でのコミュニケーションは予測不可能で臨機応変な対応が求められるケースも多く、この記事で紹介したフレーズだけですべての状況に対応できるわけではありません。 そのため、継続的な英語学習が重要です。
【英語学習を続けるためのヒント】
オンライン英会話を活用すると、医療英語に強い講師を探せば、定期的なレッスンを通して、実践的な会話力を磨けます。
また、個人でも職場でも、外国人患者対応マニュアルを作成するのもおすすめです。よくある質問や症状に関する英語表現をまとめたマニュアルを作成し、職場で共有することで、チーム全体の対応力向上につながります。
外国人患者への対応は、初めは緊張するかもしれませんが、基本的なフレーズを覚え、実践を重ねることで必ず上達します。 完璧な英語を話す必要はありません。 大切なのは、「相手を理解しようとする姿勢」と「伝えようとする努力」です。
医療の国際化が進む現代において、英語でのコミュニケーション能力は看護師にとって大きな強みとなるでしょう。