「パンプキンパイ」は、日本では頻繁に食べられるパイではありませんが、アメリカでは一般的によくホリデーシーズンに食べられるパイです。その名前の通り、かぼちゃの甘みを生かしたオレンジ色のほっくりしたパイです。日本とアメリカではかぼちゃの味は異なりますが、もちろん日本でも作り食べることができます。今回は、そんなパンプキンパイのアメリカでの食べられ方、レシピなどをご紹介いたします。
「パンプキンパイ」はどんなパイ?

パンプキンパイは、かぼちゃをメインの材料としたアメリカやカナダの伝統的なデザートパイです。特に、秋や冬のホリデーシーズンに人気があるスイーツです。パンプキンパイは、甘くてスパイシーなかぼちゃのフィリングを、パイ生地で包んで焼き上げて作られます。
パイのフィリングは、かぼちゃをピューレ状にして作ります。一般的に、かぼちゃのピューレに砂糖、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、クローブなどのスパイスを加えて、甘くてスパイシーな風味を出します。バターや卵も加えて、クリーミーで滑らかな食感に仕上げます。
通常、パイ生地にはサクサクとした軽いものが使われます。市販のパイ生地を使うこともありますが、家庭で手作りすることも可能です。パイ生地とかぼちゃのフィリングの相性が抜群で、焼き上がると香り高いパイが完成します。
パンプキンパイは、温かい状態はもちろん、冷たいままでも美味しいです。アメリカでは、ホイップクリームを添えて食べるのが一般的です。また、感謝祭(Thanksgiving)やハロウィンの時期に特に人気があり、一般的には家庭で作ることが多いです。
パンプキンパイの歴史

パンプキンパイの起源は、アメリカの先住民の食文化にさかのぼります。かぼちゃは元々アメリカ大陸で栽培されていたため、先住民たちはそのかぼちゃを様々な料理に使っていました。しかし、現在のようなスイーツパイとしてのパンプキンパイは、ヨーロッパからの移住者によってアメリカに持ち込まれたパイのレシピが進化した結果です。
初期のパンプキンパイは、パイ生地の中にカボチャをそのまま詰め込む形ではなく、カボチャを直接焼いて食べていたり、カボチャのピューレを使ったスープやデザートに加工していました。やがて、カボチャピューレとスパイスを使った甘いパイが作られるようになり、現代のパンプキンパイが生まれました。
パンプキンパイとアメリカの大統領
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは、パンプキンパイを好んでいたことで知られています。実際、彼が好きだったのはパンプキンを使ったスープのような料理でしたが、アメリカの初期のレシピにおいて、パンプキンパイも重要な役割を果たしていました。さらには、ジョン・アダムズ(第2代大統領)も感謝祭の日にパンプキンパイを食べる習慣を大事にしていたと言われています。
日本とアメリカのかぼちゃは異なる?

日本のかぼちゃとアメリカのかぼちゃにはいくつか違いがありますが、日本のかぼちゃでもパンプキンパイを作ることは可能です。
日本のカボチャとアメリカのカボチャの違い
日本のかぼちゃ(栗カボチャや日本かぼちゃ)は、緑色の皮で、丸い形や少し扁平な形をしていることが多いです。果肉は濃いオレンジ色で、甘みが強く、しっとりとした食感が特徴です。味としては、甘みが強く、クリーミーでホクホクした食感があります。お菓子作りにもよく使われます。
一方で、アメリカのかぼちゃは、(主に「ジャック・オー・ランタン」や「スウィートポテトかぼちゃ」など)は、オレンジ色の大きなカボチャが一般的で、皮は硬く、果肉は水分が多くやや繊維質が多めです。比較的水分が多いことから、スープやパイなどの料理に使う場合は、ピューレにしたときに滑らかなテクスチャーになります。アメリカでパンプキンパイに使われるのは、甘みのある「スウィートポテトかぼちゃ」タイプです。
日本のかぼちゃでパンプキンパイを作ることはできる?

日本のかぼちゃでもパンプキンパイは作れます。日本のかぼちゃは甘みが強いため、パンプキンパイにぴったりの素材です。ただし、少し水分が多くなる可能性があるので、かぼちゃをピューレにする際に水分をしっかり飛ばすことがポイントです。
日本のかぼちゃで作るパンプキンパイのポイント
下ごしらえ
- まずかぼちゃの皮を剥き、種を取り除きます。
- 次に蒸したり茹でたりして柔らかくし、果肉をフォークでつぶしてピューレ状にします。
- ピューレにする際に水分が出やすいので、余分な水分をしっかり取り除くと、パイのフィリングが滑らかでしっかりした仕上がりになります。
フィリングに使うスパイス
- 日本のかぼちゃは甘みが強いため、アメリカのカボチャよりもスパイス(シナモン、ナツメグ、ジンジャーなど)を控えめにしても美味しく仕上がります。
- お好みで少し加糖を減らして、甘みをカボチャそのものの味で活かすのもおすすめです。
パイ生地の選び方
- 日本でも市販のパイ生地を使うことができますし、手作りする場合は、普通のパイ生地でも大丈夫です。サクサクの生地との組み合わせで美味しいパイが作れます。
日本のかぼちゃを使ったパンプキンパイのレシピ例
【材料(8〜10個分)】
- 日本のかぼちゃ(栗かぼちゃ) 約500g
- 砂糖 100g(お好みで調整)
- 卵 2個
- 牛乳 200ml
- 生クリーム 100ml
- シナモン 小さじ1
- ナツメグ 小さじ1/2
- バター 50g(溶かしておく)
- パイ生地(市販のものまたは手作り)
【作り方】
- かぼちゃを蒸して柔らかくし、皮を取り除いてピューレにします。
- ピューレに砂糖、卵、牛乳、生クリーム、シナモン、ナツメグを加えてよく混ぜます。
- パイ生地を型に敷き詰め、その上にかぼちゃのフィリングを流し入れます。
- 180℃に予熱したオーブンで約40〜50分、フィリングが固まるまで焼きます。
- 焼き上がったら冷まし、好みでホイップクリームを添えて出来上がり。
“pumpkin pie”を使った英語例文

ここでは、”pumpkin pie”のフレーズを使った英語例文を紹介していきます。日常の会話に使える表現も交えているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
訳)秋になると、私は家族で集まって祖母が作ったおいしいパンプキンパイを食べるのが楽しみなんです。
訳)パンプキンパイはどんな味ですか?
訳)そのパンプキンパイは、シナモンとナツメグの香りがしていて、まさに秋って感じの味がするのよ。ディナーのあとにパンプキンパイを食べるのは食事で楽しみなことの一つよ。
「パンプキンパイ」は、アメリカの心ともいえるデザート
パンプキンパイは、感謝祭やハロウィンなど、アメリカの大事なイベント事には必ずと言っていいくらい目にするアメリカの伝統的なデザートです。かぼちゃの甘さとシナモンのスパイスが口の中で広がり、子供から大人まで食べやすいデザートの一つです。日本のかぼちゃでも作ることができるので、ぜひパンプキンパイ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



