皆さんはケーキが好きですか?
私の母は昔からモンブランが好きで、家族でケーキを買って食べるシーンでは、欠かさずモンブランを選んでいました。幼い頃の私にとって、モンブランの渋い栗の風味は大人の雰囲気で、ショートケーキなどに比べてハードルが高い存在に思えました。
すっかり大人になった今でも、モンブランを食べようとすると、なんだかちょっと緊張する今日この頃です。
さて、そんなわけで今回のテーマは「モンブラン」です。日本ではすっかり定番ケーキの1つとして知られていますが、英語でもそのまま通じるのかどうか、詳しく確認していきます。
また、記事の後半ではショートケーキやシュークリームなど、他の有名洋菓子の名前も英語で何と言うかご紹介しています。これらの英語名が気になっていた方も、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「モンブラン」は英語で何て言う?
モンブランは英語でも “Mont Blanc” と言います。ケーキの意味だと強調したい場合は “Mont Blanc cake” と言ってもよいでしょう。
Mont と Blanc のそれぞれが大文字になっていることから、固有名詞と想像がつきますが、スペルもなんだか英語っぽくないですよね。それもそのはず、Mont Blanc はフランス語をそのまま輸入している表現なのです。
英語式に読むと「モントブランク」となりそうなところですが、フランス語では語末の t や c は音声化しないのが通例なので、それにならって「モンブラン」と発音されています。
I love Mont Blanc cake.
訳)私はモンブランが大好物です。
「モンブラン」はもともと山の名前?
そもそもモンブラン(Mont Blanc)はケーキの名前ではなく、フランスとイタリアの境にある山の名前なんです。
モンブランは標高約4807mで、ヨーロッパアルプス最高峰といわれている大きな山です。標高が高いことから、山は常に白い雪で覆われていて、その見た目から「白い山」の意味で Mont Blanc と呼ばれるようになりました。Mont が英語の Mountain(マウンテン)と同じで「山」、Blanc は「空白、白地」を表す Blank と似た意味で「白い」を表しています。
ちなみに、国境を挟んだイタリアでは、同じ山のことを Monte Bianco(モンテビアンコ)と呼んでいます。スペルがほとんど同じなところに、言語としての類似性を感じますね。
Mont Blanc originally represents the name of a mountain in French.
訳)モンブランはもともと、フランス語で山の名前を表しているんだ。
That’s right. As an aspiring mountaineer, it’s a famous mountain I’d like to summit someday.
訳)そうだね。一登山家として、いつかは登頂してみたい有名な山だよ。
ケーキのモンブランは英語だと通じにくい?
以上のように、モンブランはもともと山の名前ですが、それを模して作ったケーキのこともモンブランと呼ぶようになりました。
正確には「栗で作ったモンブラン山」という意味で “Mont Blanc aux marrons(モンブラン・オ・マロン)” ですが、本場フランスくらいでしかこの正式名称は使われません。栗はフランス語では marron(マロン)、英語では chestnut(チェスナット) と言います。
しかし、ケーキのモンブランは発祥の国フランスでは有名なものの、アメリカなどの英語圏では一般的ではありません。そのため、正しい名称だからといって “Mont Blanc” と言うだけでは、相手に通じない可能性があるので注意しましょう。
One Mont Blanc, please.
訳)モンブランを1つください。
Huh? Mont Blanc? What’s that?
訳)はい?モンブラン?何ですかそれ?
Mont Blanc で通じなかった場合は、“creamy chestnut cake” と言えばOKです。これは直訳すると「クリーム状の(creamy)栗の(chestnut)ケーキ(cake)」となり、英語圏でもどんなケーキかは十分伝わります。
ただし、100%モンブランが示せるわけではなく、場合によってはタルトなど別種のものが出てくる可能性もあります。そのため、お店で注文する際などは、実物を見せてもらって判断するとよいでしょう。
Mont Blanc refers to a chestnut cream cake. Could I have one, please?
訳)モンブランはクリーム状の栗ケーキのことです。1ついただけますか?
I see, in that case, we have it. Here you go.
訳)なるほど、それならありますよ。はいどうぞ。
Thank you… It’s a bit different from the Mont Blanc I’m familiar with, but it looks delicious, so it’s fine.
訳)ありがとう。…何か知っているモンブランとはちょっと違うケーキだけど、美味しそうだしいいか。
モンブラン以外の洋菓子四天王を英語で言ってみよう!
日本の洋菓子界には「洋菓子四天王」と呼ばれる定番の4品があり、モンブランはそのうちの一座を占めています。
ここでは、残りの3つである「シュークリーム」「プリン」「ショートケーキ」を英語で何て言うかについて、詳しく確認していきましょう。
「シュークリーム」in English
シュークリームは英語で “cream puff(クリームパフ)” と言います。ここで使われている puff は「フワフワしている」という意味です。つまり cream puff で「クリームが入ったフワフワしたお菓子」というニュアンスになります。
「シュークリーム」という洋菓子名は、日本でしか通用しない和製英語です。もともとはフランスのお菓子で “Chou à la crème(シュー・ア・ラ・クレーム)” という名前だったものが、日本に輸入された際に短縮化され、シュークリームで定着したといわれています。ちなみに、ここでの Chou(シュー)は「キャベツ」のことで、お菓子の見た目がキャベツに似ていることが由来になっています。
なお、英語圏で「シュークリーム」と発音すると、十中八九 “shoe cream” と聞こえ、洋菓子ではなく「靴クリーム」の意味に取られてしまうので注意しましょう。
「プリン」in English
私たち日本人が思い浮かべる「プリン」は、英語だと “flan(フラン)”、”caramel custard(キャラメルカスタード)”、”cream caramel(クリームキャラメル)” と呼ばれます。どの表現も等しく一般的なので、どれを使ってもOKです。
なお、プリンのもとになった単語に pudding がありますが、こちらは卵や牛乳などを使った蒸し料理全般を表します。そのため、甘い洋菓子だけでなく、食事として食べる蒸し料理を指すこともあるので注意が必要です。
それでもプリンを示すのに pudding を使いたい場合は、“custard pudding” と言えば誤解なく意図するものを伝えられるでしょう。
「ショートケーキ」in English
日本で言う「ショートケーキ」は、英語だと “sponge cake(スポンジケイク)” と言います。特にイチゴが乗ったものだと強調したい場合は “strawberry sponge cake” と言えばOKです。
なお、英語でそのまま “shortcake” と言うと、まったく違うケーキが出てくる可能性があるので注意しましょう。
英語の short には「短い」のほか、サクサクしたパイ生地を表す意味もあります。その結果、イギリス英語ではラスクのような焼き菓子を、アメリカ英語ではパイにたくさんのクリームや果物を盛りつけたケーキを意味します。
いずれの場合も、日本のショートケーキとは違うものを指すので、海外での注文時にはくれぐれも気をつけましょう。
まとめ
今回は「モンブラン」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
モンブランはフランス語の Mont Blanc を由来とする言葉で、もともと山を表しています。英語圏ではあまり一般的ではないケーキなので、伝わらなかった場合は “creamy chestnut cake” と言い換えてあげるとよいでしょう。
モンブランに限らず、お菓子や料理の名前は国によって違うことが多いです。今回ご紹介したことを参考に、それぞれの国での呼び方をマスターしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!