フラメンコや闘牛などの文化、ガスパチョやサルモレッホといった食文化を持つエリアといえば、スペインのアンダルシアです。この地域に、紀元前152年から存在するコルドバという地域があり、世界遺産に登録されていることをご存知ですか?
この記事では、スペインの世界遺産「コルドバ歴史地区」を紹介します。イスラム教、キリスト教、ユダヤ教が共存し、かなり独特の文化を持つコルドバ歴史地区を英語表現とともにみていきます。
コルドバ歴史地区の基本情報
グラナダ、セビリヤとともに、南スペインのアンダルシア地方を代表する古都がコルドバです。
さっそく、コルドバの場所や歴史地区の特徴など、基本情報を紹介します。
アンダルシア地方の古都コルドバ
南スペインにアンダルシア州があります。地中海性気候によって、夏は太陽の光がさんさんと降り注ぎます。このアンダルシアの中心、グアダルキビル川中流にコルドバが位置しています。スペインの首都マドリードからコルドバへは、高速列車AVEで約1時間40分ほどで行くことができます。
コルドバ歴史地区
コルドバ歴史地区は、グアダルキビル川の右岸に位置しています。この地区では、世界最大級のイスラム建築とキリスト教文化との融合が見られます。
コルドバ歴史地区の英語フレーズ
ここからは、英語表現を兼ねた形でコルドバ歴史地区をみていきましょう。
コルドバ歴史地区の英語を紹介
コルドバ歴史地区の英語はHistoric Centre of Córdobaになります。このフレーズを使った例文を2つ紹介しましょう。
訳)コルドバ歴史地区は、スペインのコルドバ市にあります。
訳)コルドバ歴史地区の総面積は80.28ヘクタールです。
コルドバ歴史地区が世界遺産になった理由は?
コルドバ歴史地区の歴史は紀元前に始まります。ここで、コルドバ歴史地区が世界遺産になった年や理由をみていきます。
コルドバ歴史地区が世界遺産になった年
訳)コルドバ歴史地区は、1984年にユネスコの世界遺産に登録されました。
その後、コルドバ歴史地区では1994年に文化遺産としての範囲が拡大されました。
コルドバ歴史地区が世界遺産になった理由
ここで、UNESCO World Heritage Centreサイトから、コルドバ歴史地区が世界遺産に登録された理由を紹介しましょう。
訳)コルドバは2千年以上に渡り、有機的にそして継続的に成長してきました。
訳)その結果、コルドバの多くの建築物が趣味や様式の連続的な変遷、破壊後の再建、用途の変更を物語っています。
2千年以上に渡る変化のなか、メスキータをはじめとするイスラム建築とキリスト教建築や宗教が融合したコルドバが、世界最大級の文化の交差点として世界遺産に認められたのです。
引用:UNESCO World Heritage Centre
コルドバ歴史地区の歴史
世界最大級の文化の交差点であるコルドバ歴史地区、ここではその歴史を遡ってみましょう。勢力と宗教が入り混じってきたコルドバを感じてくださいね。
古代ローマの植民地時代のコルドバ
コルドバ歴史地区の歴史は、紀元前の古代ローマの植民地時代に始まります。ローマ帝国によってコルドバが建設され、その後アウグストゥス帝時代に植民地化されて交易の中心地として成長していきます。このため、この時代の遺跡が今も街中で発見されています。
イスラム支配下のコルドバ
711年になるとイスラム軍がイベリア半島を征服し、756年には後ウマイヤ朝のアブド・アッラフマーン1世がコルドバを首都と定めます。そして、10世紀にはコルドバがヨーロッパ最大の都市に発展しました。
キリスト教に再征服されたコルドバ
1236年、フェルナンド3世がコルドバを再征服します。フェルナンド3世は、13世紀のカスティーリャ王としてイスラム教を駆逐したことで知られています。これはレコンキスタ(国土回復運動)を主導したことで成し遂げました。
このような歴史から、コルドバ歴史地区はもともとのイスラムのモスクがキリスト教の大聖堂として利用されるという独自の様式が生まれたのです。
世界遺産メスキータ(La Mezquita)
メスキータ(La Mezquita)はコルドバ歴史地区にある大きなモスクです。Mezquita de Córdobaやthe Mosque-Cathedral of Córdobaなどとも呼ばれ、コルドバ歴史地区の必見見どころスポットです。
1984年に登録の世界遺産メスキータ
メスキータは785年に着工され、9〜10世紀に拡張工事がされたことでイスラム世界で最大のモスクになりました。モスク内の856本の赤茶色とオフホワイトのアーチ状の列柱が特徴です。レコンキスタ後はモスクの中央に大聖堂が建設されたため、イスラムとキリスト教建築様式が共存するアイコンとなりました。
訳)メスキータは西ゴート族の教会として始まり、モスクに改装され、その後大聖堂へと変貌を遂げ、独特の建築的驚異となっています。
参考:メスキータの公式サイト
その他のコルドバおすすめスポット
ここでは、メスキータ以外でコルドバ歴史地区でどういった観光スポットがあるのか紹介しましょう。
コルドバ歴史地区の観光スポット
繁栄をしてきた歴史から、西方の宝石と呼ばれるコルドバは素晴らしい評価をされてきました。しかし、散策するだけでも美しい街並みを楽しめるのがコルドバ歴史地区です。メスキータの西側に位置するユダヤ人街に行けば、石畳の小道や白壁の家々の奥に見える中庭が美しいです。
ムデハル様式の庭園のある要塞宮殿がアルカサル・デ・ロス・レイエス・クリスティアノス(Alcázar de los Reyes Cristianos)であり、ここはかつてコロンブスがフェルナンド2世とイサベル1世に、新大陸への航海計画を説明し、資金援助を申し込んだ場所として知られています。
メディナ・アサーラ(Medina Azahara)は、2018年に世界遺産としての範囲が拡大されたときに入った都市遺跡です。イスラム美術の最高峰と言われています。
その他、1世紀ごろのローマ時代に建設されたとても立派なローマ橋(Puente Romano)もあります。約250メートルで頑丈な石造りです。メスキータのすぐそばですので、ぜひ一緒に回ってください。
まとめ
本記事では1984年にユネスコの世界遺産に登録された「コルドバ歴史地区」を紹介しました。
宗教に関する建築物の融合などによって世界最大級の文化の交差点と呼ばれるコルドバですが、今ならではのソフトな楽しみも揃っています。毎年5月上旬にはパティオ(中庭)に美しい花々が飾られるパティオ祭りが開催されます。住民が自宅の中庭を観光客にも公開し、コルドバの雰囲気を感じることができます。
2,000年以上も前から重要な場所として栄えてきたコルドバ歴史地区には、訪れるべき理由がたくさんある世界遺産と言えるでしょう。
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